10年ぶりに解けた呪い、かかった魔法
正直言って、ずっと苦手だった。
キラキラした世界観、キラキラした人たちの集まり。
そんな写真がネットに流れてくるたび、「お前には混ざれないところだ」と言われている気がした。
でも、違った。
キラキラした世界のひとたちは、目が合うと笑いかけてくれる、心から本当にキラキラした人たちだった。
今日はカードを使ったり、紅茶を頂きながらウェルビーイングや幸福学を学ぶワークショップに参加した。
少しスピリチュアルな雰囲気(実際にはかなりエビデンスに基づいたものだったけど、カードと言われるとスピリチュアル!と受け取っていた)ワークショップ、ふだんなら目をとめなかったかもしれない。
でもれいちゃんと遊んだ時にカードの面白さを体験したのが大きかった。
また、論理的な人でも成功してる人はみんな何かしらのスピリチュアルな部分を持っているのを感じていたり、このワークショップ自体を憧れのまゆなさんが共同主催していたこともあり、なぜだか今回は強く惹かれた。
募集から申し込みまで即決だった。
朝からソワソワ。会場が自由が丘のリッチな雰囲気のカフェということで、さすがに普段の格好ではよろしくないだろうということで、息子の入園式に着たワンピースを引っ張り出してきた。
電車に乗って30分とすこし。
Switchをかばんに潜ませていたので、座ってすぐにやりかけのゼルダの伝説を始めた。
けれど、わたしは本当に本当に緊張していて、自分が思ったよりも緊張していて、なんかよくわからんけどゾーラの里で迷子になった。
グルグル同じところを回ってるうちに自由が丘に着いていた。なにひとつ物語は進展しなかった。Switchいらんかった。カバンが重いだけ。
お店の前でれいちゃんと落ち合って、いざ、ロイヤルなカフェへ。
一番乗りで着いてしまって、グータンヌーボよろしく迷いながら席をえらぶ。
主催のまどかさんもまゆなさんも、れいちゃんも、次々入ってくる参加者さんたちも……みんな美しい女性ばかりで、最初は水を飲む手が震えるくらい緊張していた。
この場に私はふさわしくないのでは?という思いで頭がいっぱいだった。
最初にワークショップや、今日使うカードや紅茶のバックグラウンドを教えてもらった。本気で作ったものは、そのストーリーは、やっぱり心が動く。
メモ用に素敵なメモ用紙を配ってくれていたので、書き込もうと持ってきたペンを探す。家を出る前に慌ててお気に入りのペンをバッグに突っ込んだからだ。しかし、見つからない。
あるのは謎の筆ペンだった。
多分つかみ間違えて筆ペンを持ってきていた。
死んだ。
めちゃくちゃオシャレな空間で、めちゃくちゃオシャレな人達に囲まれて、めちゃくちゃオシャレなメモ帳に、冠婚葬祭でしか使わない筆ペンでメモる。
絶対にバレてはいけない……このオシャ空間のオシャ度を私が下げてはならない……と私だけ別ミッションが並行してスタートした。
軽く自己紹介をして、ワークショップが本格的にはじまる。
まずはオリジナルブレンドの紅茶を五感をつかって味わうところから。
その後はチョコレートを、五感を使って。
私は親が呆れるほどのせっかちで、基本的にどの行動も爆走している。
マグロか私か。止まったら死ぬタイプの生き物。
たぶん、五感、つかえてないなぁ。
なにかを味わう時にはこんな舌の動きをしてるのか。いい匂いだな、ミントが強いかと思ったらローズヒップの酸味がきて、シナモンの香りが最後に残るんだ。チョコレートってこんな温度なんだ。紅茶の表面に映る照明、きれいだな。
立ったまんまキッチンでご飯をかきこんじゃうタイプの私は、どれだけの情報をスルーしてきたんだろうか。
そういえば、ゆっくりゆっくりご飯を食べる息子は、「ママが作ってくれたから、このご飯おいしいなぁ」と言う。キラキラした種を見て、トマトの中には宝石が入ってる!と言う。ほんのちょっとの胡椒にも敏感で「なんか辛いんだけどぉ」と言う。
ご飯だけじゃない。ママが買ってくれたからこのお菓子がおいしい、ママがプレゼントしてくれたからこのおもちゃが大好き。と言ってくれる。
やーんそんなこと言ってくれるの〜♡かわいいー♡ありがとー♡とただ喜んでいたけど、こどもはもしかしたら、マインドフルネスやウェルビーイングが自然に身についているのかもしれない。
大人になるにつれて、時間に追われたり、やることが増えたり……そういうなかで、少しずつ視点は自分の外側にうつってゆく。そこで固定されがちになる。
あるべき姿は、これから手に入れるものじゃなく、元々あったわたしたちの感性を取り戻していくことなのかもね。
さて、ワークショップは、カードを使って自己と向き合うものへうつっていく。
偶然選ばれた一枚の、問いの書いてあるカード。普段の生活ではなかなか自分にゆっくり問うことのない、けれどわたしたちのなかにたしかに「ある」思考を手探りで掴みに。
出来てきた言葉を、4人のグループでシェアする。共通点も相違点も当然あり、でもそれら全部がまるごと受け入れられる空気感。
シェアしてフィードバックをもらううちに、私は「メェーん」と情けないヤギみたいな声で泣いていた。大高ヤギだった。
あっという間にワークショップも終わり、それぞれ感想を言っていく。
2時間のワークショップ、体感30分だった。
キラキラしたカフェ、キラキラした人たち。最初は不安がたくさんあった。ふさわしくない自分が恥ずかしく感じた。だけど、みんなバファリンより優しさの配合が多い素敵な女性ばかり。
ヤギになっても、筆ペンでメモを取っていても、目が合うとニコッとしてくれる。やさしいせかい。
今日までわたしは、キラキラして見える集まりに、「キラキラできるか、そうでないか」の踏み絵を押し付けられている気がしていた。(そして私はキラキラできないから勝手に落第している気に。)
朝から必死に、メイクだけキラキラさせて、イヤリングを付けて。付け焼き刃のキラキラを、そこにいたみんなが受け入れてくれた。
というか、そもそもあの場のみんなはキラキラしてない私をちゃんと受け入れてくれるひとたちだった。
そしてやっぱり、背筋が伸びる服やお化粧は、普通にテンションが上がるのだった。
ワークショップ終了後、お迎えの時間が迫っていたので早足で帰った。
自由が丘から少しずつ自宅方面に進むに連れて、キラキラの魔法が解けていく。コーチの大高あみから、ただのオカンになっていく。
駅からタクシーに飛び乗り、娘を保育園から回収して、ダッシュで家に帰る。荷物を置いて靴をスニーカーに履き替えて、娘をベビーカーに乗せてすぐにまた家を飛び出す。
競歩のスピードで幼稚園に向かい、預かり保育の息子を迎えにいく。
私の競歩が早すぎて娘が「ママァ!走んないで!」と怒っていた。「ママ走ってないんだよ歩いてるんだよ〜」というと、若干引き気味で「えぇ……」と言っていた。2歳に引くとかあるんや。
「いつもより遅くてさみしかったよ」と言う息子とギュウギュウにハグをして、手を繋いで歩き出す。
帰りにスーパーに寄って、夕飯の食材を買い、ようやく本当の帰宅。
ダルダルの部屋着に着替えて、完全にキラキラの魔法は消えた。
だけど、ちょっとだけ。
今日、家を出る前にくらべて。
頑張って背伸びした私も、部屋着の私も好きになれていた。
目の周りをキラキラさせた私も、ムダ毛処理の甘い足を出してる私も、どっちも愛すべき私だ。
どっちかにならないといけないとか、どっちになるか選ばないといけないとか、そういうのじゃない。
どちらもいていい。
どちらだって、どうしようもないくらいに私なのだ。
高校時代仲良かったはずの友達に、SNSでボコボコにされたことがある私。それで自律神経失調症になった。
それから女性だけの集まりを避けてきた私にとっては、ガチガチになってしまった思い込みを壊すきっかけになる日だった。
いつまでも囚われてたって仕方ない。つまらない呪いを解いてくれた美しい魔法使いの皆様、今日は本当にありがとうございました!
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