お金が怖かった私の、「コーチング起業とお金」の話
「売る」
「値段をつける」
考えただけで、胸の辺りがズーンとする。
稼ぎたい気持ちは本心なのに、いざ行動しようとすると足がすくんでしまう。たった5年ほど前、私はそんな状態でコーチを名乗り始めました。
かつての私と同じように、独立したい稼ぎたいという気持ちと裏腹に、「どうしても売ることへの恐怖感が拭えない」「お金を稼ぐことが悪いことに感じる」という方がいるはずです。
今日はそんな方へ、お金にアレルギーがあった私がどうやってコーチングで稼げるようになったのか?単価をどう上げたとか、どう向き合ったとか、どう値段をつけたかとか……という、「コーチとお金」のお話をしよう!とスカーフをたなびかせて登場しました。
私は、かつて、高校の修学旅行に行けないほど、そしてその後大学中退せざるを得ないほど、実家に金銭的な危機が訪れました。
お金は万能ではありません。あれば幸せというものでもありません。けれど、お金があることで選べる選択肢は増えます。
私たち対人支援者は、「清貧」でなければいけないのでしょうか。あなたも私もみーんな、「清豊」な世界を作ることができるのなら。それは素敵なことじゃないですか。
改めまして、こんにちわんこそば!「自分の名前で仕事を作りたい」「自分の力で稼ぎたい」をサポートするコーチ、大高あみです。
ここから先は、お金と向き合い血と汗と涙でぐっちょんぐっちょんになって得てきた内容です。本文は一万字超え。いつも長くてすまんちょろぴー。
「対人支援とお金」の話が好きではないよとか、稼ぎたくないよ、対人支援者は清貧たれ!という人には向かない記事になるかと思われます。オッス!自分も稼ぐことに向き合いてぇっす!という方だけお進みください。
苦手な稼ぎ方、得意な稼ぎ方
お小遣い制を導入されていない家庭で育った私が「はたらく」を初めて体験したのは小学生のころ。
厚木米軍基地でのお祭りに友人に誘われて遊びに行き、その友人の親が出店しているテントでドリンクを売るお手伝いをし、帰りに500円玉をもらったのが初めての「働いて、お金をもらう」経験でした。
引っ込み思案だった小学生の大高少女でしたが、店頭に立っている間謎の高揚感と使命感で大きな声を出し呼び込みをすることができたのを良く覚えています。ついでに、いつもおとなしい私が急にでっけぇ声で呼び込みし出したことに引いている友達の顔も良く覚えています。
本格的にはたらくをはじめたのは高校生に上がった4月。
最寄駅のスーパーでレジのアルバイトをはじめました。
クッソ美人だけどクッソ気の強いパートさんが怖すぎて半年弱くらいで辞めました。一緒にレジに入ると怖すぎて生まれたての子鹿よりも手が震え、レジを通したお客様のブロッコリーを透明の袋に入れることができず「こらぁ続けらんねぇや……」と思いました。
そのあともバイト自体はずっと途切れることなくしていて、歯科助手、コンビニ、お中元やお歳暮のカウンター、ダイニングバーなどいろんなバイトを楽しむ青春。
このころは自分が「お金に苦手意識がある」とはつゆ知らず、むしろ仕事は得意分野だと思いつつ、掛け持ち30連勤以上もなんのその!でアルバイト街道を爆走していました。彼氏、バイト、彼氏、バイト、彼氏、バイトで過ぎる日々。
家庭が裕福ではなかったので高校生から携帯代や定期代、生理用品などを自分で買っていて、当時の時給では(高校生になったばかりの頃は最低賃金が750円くらいでした)、ほとんど残らなかったのですが。
そんな私が「お金とはたらくこと」に違和感を覚えたのは、大学を辞めて急に人生についてプランを立てる局面に立った時でした。
いつまでもフリーターをしてるわけにはいかん!と、大学を辞めてひと月ほどで地方公務員を受けることを決め、たくさん勉強したけれど結果は惨敗。落ちました。実力が足りてなかったのか、前日に食べたくるまやの激辛ネギ味噌ラーメンでお腹を下していたことが原因なのかはいまだにわかりません。きっとラーメン。
さて、公務員を落ちた私に家族は「トリマーになるのは?」「ネイリストは?」と趣味でやってることを仕事にすることを勧めてくれました。
が、私はそれを考えて「怖すぎワロタw」と思ったんです。自分の技術に?お金をいただく????え????失敗したらヤバない?????と。
そう、私は、「人の下で、他者のサービスや商品を売る」稼ぎ方は得意だったのだけれど、「自分のサービスを売る」稼ぎ方はめっちゃ苦手だったんです。
私のクライアントさんでも、仕事では成果を出してきたのに自分のコーチングを売るとなると途端にチワワになって震えてしまう方はたくさんいます。
会社での業務で抵抗なく大きなお金を扱っているのに、自分のサービスはワンコインしか取れない、と相談してくださる方もいっぱいいます。
私も結局事務員として就職したわけですが、数千万円の手形や数百万円の小切手を当たり前のように触るのに、自分のコーチングを提供しようと決めた時には1,000円のご提案でも脇汗がナイアガラの滝になり、あやうく観光名所になりかけました。
これらは「稼ぐ資質がない」「起業に向いてない」わけではなく、単に「苦手意識のある働きかたに挑戦した」という話だと今ならわかります。(でも当時は「向いてないんだ〜〜〜!!」と半泣きでした)
それでは、その苦手な挑戦に片足突っ込んだ駆け出しコーチ大高はどのようにして値付けをし、単価を上げていったのでしょうか。
「いくらで売る」「どうやって売る」に悩む日々
産後の復帰に失敗し、はたらき方もはたらく仲間も子育ても夫婦関係も何が何だかわからなくなっていた私。
ギリギリの状態でなんとか食いしばって握りしめて頑張っていた仕事も、忘年会で殴られた新人くんを庇ったことで逆上したオジに何時間も説教ぶちかまされてプツンと糸が切れました。この時パニック障害になりました。
仕事も上手くいかない。時短社員でお金も稼げない。早く帰れない。家のことも子供のことも全然思うようにできない。何も上手くいかない。
もう辞めよう。コーチングを仕事にしよう。そう決めて体験セッションを受けてくださる方を募集しました。二週間で40人ほどやったと思います。
会社を辞める(希望)にあたり、それ相応の収入をコーチングで確保したいと思うのは当然の流れでした。
そうなると、まずはいくらで売るのか、どれくらいの頻度でセッションするのか、どんなふうに売っていくのか、を考えなくてはなりません。なりませんが、わかりません。わかりませんでした。
いくらが妥当なのか。
どれくらいの頻度ならクライアントの期待する成果が出るのか。
自分の売りはなんなのか。
商品作りのことを1ミリもわからないまま、とにかく焦燥感にヒリヒリするばかり。
とにかく最初は、「半年で売ってる人が多いっぽい」「相場は5,000〜10,000円くらいっぽい」という子供用プールくらいの浅いリサーチをもとに、期間は半年、金額は相場の5分の1くらいにしようと1,000円くらいからご提案(半年6回で6,000円)しはじめたと思います。
とにかく体験セッションをして、最後にご提案する。
しかし、思っていたよりも継続して受けたいとは言っていただけない。
想像していた以上に買っていただけなかったのです。朝から晩まで、2時間おきに体験セッションをしているのに、です。
この時の私は、「大高あみ」という人物像や情熱を発信せずに「コーチングってやつを受けてみたい人はおらんか」という募集の仕方をしていたのが良くありませんでした。
もちろん素晴らしいコーチングスキルを持っていれば、私のことを全く知らなくても、セッションを継続していただけた可能性はあります。
けれど、自己開示もろくにせず、クライアントにビビり、提案にビビり、虚勢を張っていた私と私のセッションには、継続する価値を感じていただくことはなかなか難しいものでした。
中にはフィーリングや興味のアンテナや生い立ちがリンクして、いいセッションになった方もいらっしゃいます。そういう方達が買ってくださり、本当に救われました。あの時のクライアントさんたち、本当にありがとうございます。
一回1,000円ほどで売りはじめた私ですが、本音をさらけ出すことを怖がりカッコつけていた私にとって、セッションは「本当のダサくて弱い自分がバレる」可能性を孕む緊張感のある時間でした。
質問に詰まったら、的を射ていないフィードバックをしてしまったら、買ったことを後悔させてしまうのではないか。
ずっと張り詰めていました。
これは、セッションの間も私は私を見ていたということです。クライアントに集中していない、失礼なセッションです。
もちろん、あの時の私に出来得る限りでクライアントのことをとても大切に考えて考えて考えまくってはいました。
相手に集中しながら、自分にも注目する。自分のハリボテをバレないように立ち振る舞う。あの頃の私にとって、私のことを知らない人たちに提供し続けるセッションは神経をすり減らす、負担の大きい時間で。
そうやって必死こいてるうちに、「受注率を考えると集客はずっと苦しいものになるかもしれない。一生集客しながらクライアントにセッションをし続けても月に数万円しか稼げないのは時間的にも金銭的にもキツい」ということを実感しはじめます。
要するに「コーチングって割に合わない仕事なのでは!?!?!?」と打ちひしがれはじめたってことです。
この時、ようやく値上げする選択肢が浮かびました。
脇汗ナイアガラ状態で少しずつ、2,000円にし、3,000円にし、5,000円……と値上げしていきました。毎回胃が雑巾搾りされてるのではないか、心臓が肋骨ぶち破ってピョン吉みたいに出てきてしまうのではないか、と緊張しながら。
半年6,000円だった契約は、半年3万円ほどでの契約になりました。
それでも、100人近く体験セッションをした時に稼げたのは12万円くらいだったと記憶しています。
すごかった、よくやってたぜ、と思っています。
何もなかった私が、身一つで10万円以上を稼ぐことができたのですから。
けれど、12万円を稼ぐために、走り続けていました。もうとっくに息切れしていて、転んで膝は傷だらけで、ずっと焦っていて、断られるたびに傷ついて、セッションも提案もずっと怖くて慣れなくて。
その状況を「コーチには向いてないのかなあ」と捉えました。「私はこのくらいの価値なんだ」と捉えました。10万円の女。仕事も時短では10万円くらいの手取りで、コーチングに私生活全部BETしても生み出せた売り上げは10万円くらい。
私という人間の最大値が、全私を捧げても10万円ならば。私は10万円の価値……ってコト!?と。
真面目に生きてきて、いい子にしてきて、結果は10万円。なんだかなぁ。切ねえなぁ。会社で耐えるしかないのかな。
当時転職サイトにも登録していたのですが、働きたい会社はことごとく学歴で応募すらできず、妥協で応募したはずの企業には面接すらできずに断られました。転職ってこっちが選ぶんじゃなかったんや、向こうに選ばれるんやな!
そんなこんなで自己効力感がマントルにめり込んでいた私ですが、この時、後にコーチになってくれるおはなし屋なおとに出会い、発信を丁寧にして「好きになってくれた人しか来ない集客」という概念を知ることになります。
売る前に徹底的に自己開示して、画面の向こうの方と、友達になっていくように人間関係を築く。合わない人は去っていてしまうけれど、合っている人はずっと残ってくれる。まさに人間関係なんです。
頑張りかたを変えたら、結果も変わるかもしれない。向いていない方法に全振りしちゃってた!?と気がついたのがこの時です。
「幅」からお金を考える
時間の幅について
私たちが人と関わるとき、知らず知らずのうちにこれまでの経験や教育が反映されます。
あいさつを知らない人はあいさつしないんです。コミュニケーションは、その人の経験してきたことによって変わります。成功体験も失敗も、勝ちパターンも、こころの武装されていない弱いポイントも、人によって違う。
人は人と関わる時、必ず自分の体験や経験をもとにしています。
つまり、自分のサービスには、自分のこれまで生きてきた年数の計り知れない価値が上乗せされるんです。
会社の中で行う接客でも営業でも、この価値は乗っています。
けれど会社という場所の特性上、その価値にまでお金を払うことは難しい。それが当たり前です。
いい人だから年収数百万UP、というのはなかなかないのです。いい人で、それが「お客様みんなから愛されて売り上げがバチくそ高いから年収UP」はあるかもしれないけれど、人柄そのもので計算されることはまずない、稀有なことでしょう。
けれど、私たち個人でのサービスには、その価値にもお金を払ってくださることは珍しくありません。
売り物に含まれる「時間の幅」の価値が違うんです。さけるグミとでっかいさけるグミくらい違います。
会社は決められた期間内での労働力や成果に対してという、比較的短期な時間の幅。個人起業は、これまでの経験や体験、教訓や人柄などの長期的な価値も含めることができます。
これは野球では手でボールを持っていいけどサッカーではダメ、というのと同じ。だから会社員はダメとか、だから起業はいいとか、そういうことが言いたいのではなく、売り物に適応される時間の幅がそもそも違うものだということ。
プロセスの幅
セールス方法についても、幅があります。
セールスについて苦手意識があるのは、慎重だったり優しい方が多いです。売った後の先がわからない未来まで考えすぎてしまったり、これまで自分が受けてきた強引なセールスを思い出して「あんな強引にはしたくない」と感じたり。
私もセールスが(するのもされるのも)怖くて嫌いでした。強引でこそなかったものの、毎回体験後に資料を出して提案していた頃は自分で話しながら嫌な気持ちになっていましたから。それでもやらないといけない、起業するとはそういうものだ、と思っていました。
ある日、体験セッションを終えたクライアントさんからのアンケートに「資料を出してからの大高さんが冷たく感じた」とありました。冷たくするつもりなんてもちろんなくて、多分ビビって声が小さく低くなったり、断られてばかりの毎回の提案が怖すぎて表情が強張ったり、という私の変化がそう見えたのだと思います。
そんなに苦手だったのに。
その後やり方を変え、発信を通じて売れるようになってからは、むしろセールスの機会が楽しみに変わりました。
買うか買わないかはもちろん相手も選ぶことなので断られることもありますが、それでも少なくとも検討してくれている方しか来ないし、本気で相手を思ったご提案ができるからです。
売れるかどうかは毎回わからないです、でも私が楽しいのは目の前の方にどう自分が貢献できるかをひらめき、それをお伝えできること。あなたは素晴らしい、あなたにならできる、あなたなら大丈夫、だからこれを伝えるね、というメッセージに近い位置付けです。
「ご飯を食べる」でも、コンビニでさっと買ってもいいし、じっくり作ってもいいし、友達を誘って居酒屋でワイワイ話しながら食べてもいい。
そんな幅と同じように、セールスのプロセスにも幅があります。セールスの代行を使っている人も知っているし、自分でガンガンできる人も知っているし、売ろうとしなくても順番待ちの列ができている人も知っているし、私みたいに発信から出会った人がコンタクトをとってくれて、そこからご提案する“こともある”セールスもあります。
私が辛いと感じていた時代のセールスは、自分がお家から出て、知らない人の集まる部屋に行き、声をかけ続けるような孤独なものでした。
今は私の部屋に、会いたいと思ってくださる人が来て、その方に選択肢の一つとして私が関わる手段があることをプレゼントさせていただく。そんな感じです。随分とやわらかくあたたかいものに変わりました。
サービスをつくる時の苦労
商品を売っていくためには、そもそもまず自分のサービスを作らなくては売る物がありません。
サービス作りには自分の価値観が色濃く反映されます。価値観をアップデートしながら、ブラッシュアップしていくことでだんだんと良い商品に成長していくのを実感しています。いつだって成長期。
お金の価値観のアップデート
そもそも私たちには、それぞれに持っているお金への価値観があります。これは、ひとりでには育たないものです。
お金についてなんと言って育てられてきたか。自分の育った家庭の経済状況はどうだったか。自分の憧れる世界のお金の当たり前はどんなものか。自分の行動に対してどんな言葉をかけられてきたか。
色々な背景によって、お金に対する考え方は変わります。
私は自己犠牲的な動きを褒められることが多かったので、そもそも自分の行動に対価を求めることはよくないことだという思い込みがありました。
私に使ったお金を「ドブに捨てるのと同じ」と言われてきました。
高卒の世界も事務員の世界も稼ぐことは難しいと言われる世界でした。
私が参入した当時、コーチングの世界も一部の方を除いて「稼ぎたいというのはよくない」という雰囲気がありました。
そこに前述した、「私生活すべてBETしても10万円!」という出来事もあり、マインドが“私は貧しくて当然”というところにセットされて。そうやって価値観を強固にしてしまったので、そこからの脱却はなかなかに苦しいものでした。
まず、お金をいただくことに罪悪感がとんでもないのです。こんな私に、こんな私のサービスに、ごめんなさい。そんな気持ちが消えませんでした。
買い手の経験が、売り手を育てる
大きくお金の価値観がアップデートされたことに、買い手になってみたことが挙げられます。それまでは「コーチングが売れるようになったら高額のコーチングを買おう」だったのを、「先に高額のコーチングを買おう」となり投資してみたんです。
おにぎりを食べたことがないのにおにぎり屋さんになろうとしていました。まずは美味しいおにぎりを買って食べてみよう!と。
そして、「こんな大きな金額なのに、買って良かったって思える!」
その経験は衝撃でした。
お金はよくないものだと知らず知らずに感じてしまっていた私にとっては、よくないものなのに、払って良かったと思えることは矛盾でしかありません。もしかして、お金そのものが悪いものだったり、お金をもらうことが悪いことじゃないのかもしれない。そう疑えるようになりました。
売る前に完全アップデートは無理だとあきらめる
そして大切なのが、価値観のアップデートは経験後に訪れる、と知っておくことです。
今の価値観に疑いを持つことは、経験前にもできます。「これって本当に世界共通なのかな」「思い込みかもしれない」というような。私も高額のコーチングを買ってみて、「お金をいただくってもしかして悪いことじゃないのか?」と思い始めるところまでは辿り着けました。
しかし、この既存の価値観への疑いを確信に変えてアップデートするには、それに対応する出来事を経験することが必要なんです。
つまり、売る前に売ることへの恐怖や不安は消えないし、心から「高額でも売っていいんだ!」と感じることはできないということ。
値上げの経緯や葛藤については後述しますが、私も初めて10万円30万円と売ってみてようやく、「本当にいいんだ」と納得できるようになりました。
単価を設定した時、値上げする時、不安だと思います。その不安はゼロになることはありません。なぜなら売れるまで、それが良かったのかどうか確かめることができない状況だからです。
売れて、買ってくれた人が喜んでくださる顔を見て、そしてセッションを通して変化していくクライアントを見て、ようやく「よかったっぽい」と確信に変わっていきます。
私たちの刷り込まれた価値観は、昔ながらの町中華の厨房の油汚れのように年月を経て強固になったもの。ピカピカにするには、少しずつ焦げやホコリを剥がしていくしかないのです。そして、焦げを剥がし切るまでは心のどこかで「本当に綺麗になるのか」「綺麗にならなかったらどうしよう」と思うものなのです。
それでも未来を信じて掃除を続けた人だけが、綺麗になった厨房を見て、心から「やってよかった」と思えるのです。
指名買いと値上げ
さて、商品作りをしようと思うと、ターゲット、コンセプト、ポジション、ブランディング、手段や才能の分析をして内容を詰めて……と、考えることはたくさんあります。
そして、できた商品に値段をつけることも避けられません。1,000円程度から売り始めた私ですが、発信からの集客に取り組み始めてから単価の見直しも行いました。
発信からお客様に出会うというのは、単純に言えば指名買いしてもらう状況を整えるということです。
これまでは「コーチングを売っている大高あみ」だったのが、「大高あみの売っているコーチング」という構造になりました。
私という人間を入り口にしたことで、私の提供するサービスに価値を感じてくれる人が増え、商品を入り口にしているときに比べて単価を上げることができるようになりました。
とはいえもちろんすんなりと値付けができたわけもなく。
自力で単価を上げていた時には、1ヶ月1万円くらいが値上げの限界でした。半年で6万円。自分にそれ以上の値段をいただく許可をなかなか出せずにいたのです。
自分が買い手の経験をしたことと、一緒に考えて指示してくれるコーチがいたことで、やっとそこを脱却できました。
最初は10万円くらいだったかな(10万円の女だったので……)。それでもこれまでは複数人に頑張ってたくさん提案して、100人近く体験セッションをしてやっとこさ稼いだ10万円。
そんな苦労していた10万円という値段の商品が、発信を見てくださっていた方が「あみさんと話せてこの値段は安い!いいんですか!?」と言ってスッと買っていただけた時には本当にびっくりしました。
何人か10万円で買ってくださり、クライアントの枠が減ってきた時に退職の日付が決まりました。その頃くらいから30万円ほどで売れるようになりました。
「値上げ怖くなかった?」とよく聞かれます
値上げをして一発目のご提案は怖いものです。怖かったです!
だからこの頃は自分の中では商品の価値を50万円と決めて作り込み、それを30万円でご提案する、という考え方をしていました。
この作り込んだ50万円の商品を20万円も安く売るんだから!と、自分に対してセールスの不安を払拭しようとしていたのを思い出します。
1万円も10万円も100万円も、どれも安くなんてない、といまだに思います。
人生のようなゲーム『ゼルダの伝説』が1万円以下で買えるこの世の中で、ひとときの対話に数十万円をいただくことは、決して安いものではないです。
だから、商品の内容を充実させるんです。10万円の商品を1万円で売る、100万円の商品を60万円で売る。実際には、お相手に感じていただける価値をこちらが約束することはできませんが、せめて売り手である自分が信じられる価値を高めれば、セールスへの不安は少しやわらぎます。
自分でもこの値段なら欲しい!と思える商品を作るのはどのフェーズでも必要なことだと思っています。
値段の付け方に迷ったら
例えば私のクライアントさんなら、セッションで一緒に商品作りから値付けまで一緒に考えることができます。
ただ、今コーチをつけずにお一人で頑張ろうとされている方もいるはずです。
もし値段のつけ方に迷ったら、考えて欲しいことが二つあります。
①自分が生きたい世界を定義する
値付けでも対人関係でもそうなのですが、理想を出すときに「自分はふさわしいのか」を考えてしまうとのびのび考えることが難しいです。
潜在意識では100万円以上の商品を売りたいと思っても、それを認識しようとすると「できるわけない」「実力が伴っていないのに恥ずかしい」と批判する自分が出てきてしまう。その結果、目標が下方修正されてしまう人をたくさん見てきました。
なので、まずは自分と切り離してただただ理想の世界を定義するのがおすすめです。この時、「自分が100万円稼げる世界」ではなく、「対人関係を志すみんなが100万円なんて当たり前に稼げる世界」というように自分から遠く広いところに理想を設定する方が考えやすいと思います。
その理想はいつでも、何度でも修正してOKなのでとらわれすぎないように気をつけてください。
一旦理想の世界を描いたら、すでにそこに近い人を思い浮かべたり、自分の現状と照らし合わせて、何があれば一歩でも近づくのか、という案をたくさん出します。自分がふさわしいかで出せた選択肢より、理想をまず描いてからの選択肢の方が、自由度もプロセスも幅広くなっているはずです。
値段が安すぎると起きる弊害
サービスの値段を高くすることに罪悪感を感じる方は多いと思います。けれど、安いことが必ずしもいいわけではない、というお話をさせてください。
前述したように、私たち個人起業家が提供するサービスには、私たちのこれまでの人生の時間が丸ごと乗ります。安すぎる値段は、私たちそのものの価値を安く見せるということ。他人からどう見られるかは置いておいて、怖いのは私たち自身が私たちの人生を軽んじて価値を値踏みしてしまうこと。
そして、商品の値段はクライアントがその商品を通して得る未来の値段・今の悩み苦しみを解消するための値段でもあります。
もちろんテーマにもよるけれど、なんでもかんでも安くするのは、クライアントの未来や悩みを安く見積もることになりかねないんです。
自分にもクライアントにも失礼じゃない値付けをしてこそ、本気度の高いいいセッションになると感じています。自分の価値も、クライアントの未来も信じてみてください。
伝えたいこと
私は、コーチング業界で稼ぐことについてかなりの時間を費やして発信している珍しいタイプの人間です。
その裏には、かつて貧困に苦労した過去やあきらめた経験があります。
そしてこの業界にきて、人間性もスキルも素晴らしい方々が、稼ぐことへの罪悪感や、ビジネス化する様々なプロセスや手段の疑問が解消できずに消えていってしまうことへの悔しさがあります。
お金にしろ、人間関係にしろ、私たちは様々な価値観を知らないうちに吸収しています。好き好んで得たものではないことも多いです。あなたをそうさせた、あなたにそう思うように仕向けた、誰かや何かがあったと思うんです。
でも、人によって作られた価値観なら、人の手によって変えることができる。私はそう確信しています。
自分人生や経験に自信がなくて動けないなら、まず必要なのはビジネスづくりより土台作りになるかもしれません。土台を整えることなしに、理想の収入はなくて。土台を整えるのが先だということを、まどろっこしく遠回りに思えるかもしれません。今欲しくて欲しくて仕方ない売り上げは、来月いただけるかもしれないし、もっと先になるかもしれません。
そのきっと不安なことも多い道のりに、私が一緒にいることができたらな、と思います。いつも言っているのだけれど、もちろん私じゃなくてもいいです。あなたが一人で孤独にあきらめてしまうことさえ避けられるなら、手段や相手はなんだっていいと思っています。
お金は大きいテーマです。一生ついて回るテーマです。一度指針を決めたって、ライフイベントによって変化することもあります。いつも今や少し未来のフェーズに合わせて仕事を作っていくことができれば、私たちはずっとずっと自由に生きていけるのではないか、と思っています。
「もう無理」と私のところにきてくれたクライアントさんが、一年後には120万円以上稼いでいたこともありました。「もう何をどうしたらいいか」と言っていたクライアントさんが、3ヶ月と経たずに数十万円の売り上げを上げていたこともありました。「あみさんと一緒なら」とズンズン進んでいったクライアントさんが、2ヶ月目に約20万円の商品を買ってもらえた!と伝えてくれたこともありました。もちろん、思うように稼げなかった、時間がかかった、途中で夢が変わってそちらへ進んだ、という方もいます。
世の中には素晴らしいコーチやカウンセラー、対人支援を志す方達がいます。全ての仕事で、人と関わらない仕事はありません。そこに課題感を持って改善されようとしている、真面目で頑張り屋さんがたくさんいます。
きっと、こんな長いnoteを最後まで読んでくださるあなたも、素敵な方だろうと思います。
私は、その方達が、発信を通じて「本当の自分に似合う」収入を作れるようなサポートをしていきたい。みんな自分で見積もるよりずっと素敵なんだもの。だから、報われて欲しいんです。だから、お金の話も発信の話も積極的にしていきます。しています。
あなたの心のずっしりとした黒いものの、その重さを軽くできるように。一緒に取り除けるように。あなたが稼げるように。あなたがこの世界から消えずに済むように。あきらめて去る前に。私が、今ここにいます。
もし、この記事を読んで少しでも疑問に思ったことや、感想があれば、公式ラインから教えてくれませんか?久しぶりに長いnoteを書いたので、反応をいただけるととっても嬉しいのです。よく「質問するのは申し訳ない」と言っていただくのですが、いただいた疑問は、私の次の発信のタネにもなるので助かります。
体験セッションのお申し込みもいつでもお待ちしています。公式ラインからご連絡ください。無理に売り込むことはしませんし、全てのサービスが高額なわけでもありません。全てに対応できるわけではありませんが、可能な限りお伝えいただいた予算でプランを組むこともしています。
お金も時間もなく自己評価も地に落ちて、絶望していたかつての私のような方が、少しでも減りますように。時間もお金も自由を感じて過ごせる人が、もっと増えますように。
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【自己紹介】
大学中退⇒ただの事務員⇒独立⇒第二子臨月に月収100万円達成。起業5年目。クライアントさんたちが0から高単価コーチに!
難しいことを、おもしろくやっていくのがだいすきです。起業するなら、たのしくなくちゃ。
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サポートしてもらえたら嬉しいです。なにに使おうかな。ジェネリックそうめんじゃなくて、揖保乃糸を買えます。