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たのしい、働きかた


むかし、あるママ友がインド料理屋でバイトして非常に驚いた、ということを話してくれた。12時過ぎて店が混み合う時間になると、厨房が慌ただしくなると思いきや、彼らは踊りだすのだという。楽しげに。なにも焦らないし、みんな笑ってる。彼女はポカンとしたという。

以前ニュージーランドで働いていたことのある知り合いが教えてくれた。彼女が日本モードで一生懸命働いていると、「がんばりすぎやで、コーヒーでも飲んでリラックスしいや」と、ちょこちょこコーヒーブレイクが入るのだという。とにかくがんばりすぎない、自分たちが無理せずしあわせに働く。

以前働いていたある店は、みんな大人としてちゃんと働いてるけど、一生懸命、という切羽詰まった感じでもなく、なにかおもしろいことを自分たちで仕掛けてつくったり、仕事のなかに遊びを盛り込んで楽しもう、という遊び心が溢れていてびっくりした。仕事は楽しくするもの、はたらいてるわたしたちが楽しもう!という主体的なムードだった。社長でさえ、毎月各店舗を回って嬉しそうにうなぎの差し入れをしてくれたり、新店舗のロゴデザインをバイトに突然「考えてみる??」と気楽に振るような人だったし、そのもうひとりのオーナーに至っては、完全に会社を任せて、自分の好きな自転車屋をして、趣味でまかない飯をつくり、訪れる人に振る舞い、そんな自由な気風のオーナーにまいにち多方面から人が会いにきていた。某広告代理店の人から某芥川賞作家、バンドマン、学生、自称官能小説家、まで、幅広く。そのなかに混じって「おもしろい」と観察していた。友達もできた。

こういう世界ってあるんやな、と開眼した瞬間だった。

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たみい
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