おばちゃんであると言うことをちゃんと受け入れた方がいい


息子は先月11歳になったばかりだ。
11歳て!
まだ11年しか生きてへんの?と普通に思う。

それと同時に、自分も11歳年をとってると言うことだ。
どこかで誰かが「今の40代って若いやん。でも昔の40過ぎた人って、おじさんおばさんが着るような服売り場に行ってたし、ちゃんと大人を引き受けてたよね」と言っているのを聞いて、ハッとした。
母が今の自分の年齢の時、服装も、髪型も、存在も全て「ちゃんとおばちゃん」だった。
今は40代でも、カジュアルなブランドの服を着ているのは割と普通だし、自分もそうだ。スーパーのミセスコーナーの服には手を出さないし、フワッフワのおばちゃんパーマをかけたりしない。

だが、確実に年は取っている。

息子がその気配に薄々気付いたのか、ある日真顔でこう言ってきた。
「お母さん、自分がおばちゃんであると言うことを、’ちゃんと’受け入れた方がいいよ?」
静かなトーンで。大人が子供に諭す時のトーン。

漫画みたいにワナワナと震えた私は「ふんっ!」と馬鹿みたいに突っぱねてしまう。本当のことを真顔で言われると、人間ってワナワナしちゃうんだ。
そうしてシミやシワ、白髪を発見するたびに、息子の言葉がリフレインする。

おばちゃんと言われたくないと思う反面、今日も会話の中に「あれやったら」とか「あれでなあ」とか「あれってあれっやったけ?」と、「あれ」が5割を占めている。
その度に息子に「だから、あれって何?」とイラつかれる。




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たみい
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