日舞迷走記


日舞を習い始めて1年近く。

完全に煮詰まってしまった。
煮詰まるというのは踊れる人が使う台詞で、ズブの素人が言うにはおこがましいのだが、あえて使わせてもらう。

つまりまったく踊っていて楽しくないのである。
先生の踊りと自分の踊りが乖離し過ぎていて、稽古すればするほどロボットダンスのような動きにしか見えない、そもそもなんでわたしはこれをしているんだろうとさえ思えてくる。

というか、一体どこを目指しているのだろうか?

わたしはきれいな踊りをして「きれいねえ」と言われるより、
愉快なドジョウすくいかなんか踊って、腹抱えて笑ってもらいたい、なんて願いが強い。大方笑いよりです。

民衆の踊りが好きだ。
もっと言うと、老若男女みんなで踊って笑いたい。




木梨 :次から次へこうしようああしようっていうアイデアは?


細川:考えすぎても、迷子になりすぎたデザインになることもあるんですよね。


木梨:気持ちよく分かりますが、迷子はどの辺?
ワンポイントが迷子なのか、全体なのか。この線なのか、この生地なのか、どこが迷子になるの?


細川:細かいことで言ったらステッチ1本でも迷子になるし…全部ですね。ポケットの形も、首の開き具合とかも。全部、迷子になるっす。笑


木梨:納得いかなくなっちゃうと、結局迷子だらけになって「一回無し!」って。


細川:「こんなん作りたい」っていうのが50%ぐらいまでは前に進むときもあったり、後は曇っていて、とりあえず置いといて違うできるやつをやったりとか、そんな感じなんですよね。

1か月2か月考えて「やっとできた」より、パッて3秒ぐらいで考えて「こんなのでいいんじゃない」って作ったやつの方が売れるとか。笑


木梨:そうなんですよ!だから面白いんですよ!かといって、こっちはいい加減にやったわけじゃないし。練って練ったものと、パン!と思いついてひらめいたものと、それがこうダブルであると。


細川:そうなんですよね。


木梨:迷子って何でなるんだろうね。何にも発想なくいくからかな


細川:考えるからじゃないですか。笑


木梨:考えたら迷子になる!


細川:そうですそうです。

2022/12/5スイッチインタビュー「木梨憲武×細川雄太」EP1より




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