19.10.26 箱根駅伝予選会 観戦備忘録
秋になり、本格的にロードシーズンが始まりました。
10月14日に行われた三大駅伝初戦の出雲駅伝では國學院大學が初優勝を飾り、11月3日に行われた全日本大学駅伝では東海大学が青学の連覇を止めました。
学生三大駅伝も、残るは2020年1月2・3日に行われる箱根駅伝。
出場できるのは、関東の大学わずか20校のみ。
ちょうど全日本大学駅伝の前週に行われた箱根駅伝予選会は現地観戦に行ってまいりましたので、遅くなってしまいましたが備忘録を書き連ねていこうと思います。
【箱根駅伝予選会とは】
毎年1月2日・3日に行われる箱根駅伝出場チームを決めるためのレース。出場チーム20校のうち、本選で上位10チームに入るとシード権を獲得することができますが、残りの10チームは予選会を勝ち抜いた大学が出場権を得られます。立川にある国営昭和記念公園のハーフマラソンコースを各チーム12名で走り、その中の上位10人のタイムを計測、上位10校が本選に出場。自衛隊駐屯地からスタートし、立川市街地を出て国営昭和記念公園に戻ってくる21.0975kmのコースを走ります。
つまり、箱根駅伝に出場できる20校の中の10校を決めるレース!
今年は43校で10枚の本選への切符を争うかたちとなりました。
各チーム箱根駅伝の出場権が懸っていることもあり、予選会も大学のOB・OG総出で応援に来ますし、最も盛り上がるレースの1つといっても過言ではないでしょう。
観客数も他のレースと比較するとめちゃくちゃ多いです。
…と、言うこともふまえて今回の総評です。
*さいとーあやみ総評 ※あくまでも主観
・追っかけやすさ ★★★☆☆
・混雑度 ★★★★☆
・インスタ映え度 ★★☆☆☆
追っかけやすさについては、旧コースであれば★3.5くらいかなー?と思ったのですが、ハーフマラソンの距離に変更されてから少々追いかけづらいコースになったな…と個人的には思っているので★3にしました。
あと、初めにレーススタート地点の自衛隊駐屯地で観戦すると、観戦者が同じタイミングで一気に移動するため大混雑が発生します。混雑度合いも考えて★3…いや2.5くらいかな。。
追っかけやすさのところでも言及しましたが、やはり駅伝の中でも知名度No.1レースの予選会。会場の昭和記念公園がだだっ広いのでそこまで、人混み!死ぬ!とはならないのですが、それでも人口密度は高いです。集団大移動すると結構大変です。
レース終了後に結果発表がみんなの原っぱというところであるのですが、選手応援団が大集合するので、そこではスマホの電波がマジで通じません。SNSに投稿したい人、通信したい人はWi-Fiルーター持参必須です。
動けないほどの辛さではないのですが、それでも混雑するので★4としています。
最後にインスタ映え度。こちらは★2にしています。完全に独断と偏見なのですが、あんまりいい写真が撮れない(私は)。
でも他の方も昭和記念公園は結構失敗しやすいと聞くので難易度高いんだろうなーと思い、★2にしています。
理由は2つほどあるかと。
1.単純に人が多い
人が多いと必然的に写真は撮りづらくなります。みんな一斉に身を乗り出して選手を応援するので当然といえば当然です。
2.カメラクラスタの標的、旗。
各大学ののぼりではなく、応援用の小旗です。これ。↓
(写真は第92回大会予選会で配布された旗です)
当日、昭和記念公園に行くと主催の方が配布しているのですが、まあこれが結構写真に写りこみます。旗を振らないで!とも言えないですし、応援の仕方は自由なのですが、写真撮りたい勢にとっては宿敵といえるでしょう。
ただ、そんな難易度の高い状況で奇跡の1枚が撮れたりすると嬉しかったりしますよね。
***
レース前はいつもそれなりに観戦計画を立てる私ですが、箱根駅伝予選会と3月に行われる学生ハーフ(通称立川ハーフ、箱根駅伝予選会とほぼコース同じ)に関しては観戦計画を立てません。
まあ、立てないと言ってもある程度ルートは決めており、あとはその場の流れに任せて動く感じです。
近年は大体いつも下記のような感じです。
自衛隊駐屯地で観戦(5km~7km地点くらい)
⇒ 昭和記念公園内に入り、17km~20km地点で観戦(年によってバラバラ)
⇒結果発表会場のみんなの原っぱへ
なぜ観戦計画を立てないのか?
完全に個人的理由なのですが、昭和記念公園の道が覚えられない&地図見ても迷うからです。(ただの方向音痴)
計画通りに回れるかは別として、コースマップも配布しているので地図が読める・公園内で迷わない方は観戦計画を立てても良いと思います。
ただ混雑具合上、回れて2〜3スポットでの観戦な気がしています。
あと、もう1点理由があるとすると箱根駅伝予選会は大学OB・OGや応援団、途中のタイム計測でチームメンバーがたくさん来ています。なので、
大学関係者っぽい人についていけば、大体いい感じのところで観れる。
というズボラな観戦スタイルをとっております。地図見て考えるより、こっちのが楽なんです。。許せ…。
ですので、今回の観戦備忘録もだいぶアバウトなものになりますが、以下時系列にて書いていきたいと思います。
***
*9:00頃 西立川駅着 自衛隊駐屯地へ移動
雨が心配されておりましたが、天気は曇り。
私は自宅の関係でいつも西立川口から昭和記念公園に入園し、自衛隊駐屯地まで10分ほど歩くのですが、この時点で大学関係者やのぼりをもったOB・OGっぽい方がたくさん。ぞくぞくと人が集まっており、プログラムも販売されておりました。
*9:10頃 自衛隊駐屯地着 位置取り
少し行くのが遅くなってしまったのでいい観戦場所が取れなかったのですが、7~8kmの間付近でまずは観戦することにしました。近くには武蔵野学院大学の応援の方々がいらっしゃいました。
選手たちもアップを始めており、目の前のコースでも留学生選手たちが大学関係なく仲良くアップしていました。
各大学、応援もヒートアップしています。
*9:35 スタート
ピストルが鳴ると、500名以上の選手が一斉にスタートします。ここはもう録画で見ていただいたほうが良いと思うのですが、めちゃくちゃ圧巻です。初めて見る方は、こんなにたくさんの人が一斉に走ってるの!?ってなると思います。
最初は自衛隊駐屯地を2周するので選手はすぐには来ません。
ワンセグの中継などを見ながら気長に待ちます。
*9:56頃 先頭ランナーやってくる
スタートから約15分経過し、先頭のランナーがやってきます。例年は、この時点で先頭を走っているのは大体外国人留学生だったのですが、今年も去年と同様、桜美林大学のレダマ・キサイサ選手が先頭ランナーでやってきました。
キサイサ選手が通過したあと、日大、国士館、東京国際などの外国人留学生も通過。日本人トップ集団はそのあとに続きます。誰が先頭でやってくるのかわくわくして待っていたところ…
明治大学・手嶋選手!!!
実は明治大学、阿部選手や中島選手、三輪選手など有力選手がエントリーから外れていたり出走していなかったこともあり前評判よりも少々戦力が落ちているという噂だったので若干心配していました。(あと母校ですし)
ところがそんな評判を覆すかのような手嶋選手の攻めの走り!
母校の選手(しかも出身学部も一緒)が活躍していて本当に嬉しくなりました。
手嶋選手が通過したあとも、箱根初出場を狙う麗澤大学の集団走など見つつ、次のポイントへ移動します。
*10:00頃 移動開始、次のポイントへ
と、いっても全ランナー通過するまでは動けないので(私が観戦していたところは、全ランナー通過するまで移動規制がかかっている場所でした)ランナー通過後に移動を開始。
各大学応援団や関係者、一斉に昭和記念公園方面に大移動するので民族大移動レベルですしなかなか進みません。ですので、次の観戦ポイントに早めに移動したい方は、最初の観戦ポイントを選手が通るコースの外側にしておくとよいかもしれません。(選手が通るコースの内側だと移動規制かかってしまうため)
人の荒波にもまれながら、次のポイントへ。
*10:15頃 昭和記念公園内の観戦ポイントへ到着
大学関係者についていき、空いていたところで待機。結構どこまで歩いて行っても人だらけで空いているところが少なく場所を探すのが大変でした。
おそらく19~20kmの間あたりで観戦していたはず、です。
*10:27頃 先頭ランナーやってくる
またしても、先頭でやってきたのは桜美林大・キサイサ。
最初から最後までぶっちぎりで、このままゴールしたようなので予選会三冠。素晴らしい快挙です。
圧倒的速さ。キサイサが通過してからしばらく誰もやってきませんでした。
留学生ランナーが続々通過し、日本人1位は…
東京国際大・伊藤達彦選手!!
3月の学生ハーフでも東洋大相澤選手、駒澤大山下選手に続き3位に入賞していましたが、彼の実力は本物だなと。
翌週の全日本大学駅伝でも激走を見せてくれましたし、本当に他校にもひけをとらないエースの走り…!と思いました。
彼は本選でも走りを見るのが楽しみです。上位を狙えるレース展開にもなるんじゃないかと期待しています。
それ以外に、私が注意深くみていたのが中央大学の選手です。
▲中央大学 左:三須健之介 選手 右:大森太楽 選手
▲ 中央大学 矢野郁人 選手
なぜ注目していたかというと、みんな腕にメッセージ書いているんですよね。しかも一人ひとり違うっぽい。なかなか面白いなあと思いました。(読み取れなかった選手もいましたが)
腕に文字を書く、といえば東洋大の「その1秒を削り出せ」。
87回大会で早稲田大学に敗れ、三連覇を逃した際に新しく決められたスローガンですが、現在でもこのスローガンは受け継がれ、東洋大学の選手は駅伝を走る際、このスローガンを腕に書く人が多いです。
腕にスローガンを書く、という伝統はおそらく東洋大学から始まったのでは?と思っているのですが、それが他の大学にも伝播しているのは面白いなあと個人的に思っています。
もし中大関係者の方読んでいたら、腕になんて書いていたのかぜひ教えてください笑
*10:40頃 みんなの原っぱへ移動
一通り観戦も終わったので、結果発表が行われるみんなの原っぱへ。
既に選手や大学関係者が一堂に集い、混雑にともなってスマホの電波も立たなくなってきました。
ここでのミソ、というかポイントはどの大学の近くで結果を聞くのかということ。
私は母校明治大学の出場がかかっているので、明治大学陣営に向かいましたが特にこだわりがない方は色々な大学のチームの前で結果発表を聞いてみるのも面白いかもしれません。
初出場に胸を沸かせる大学や、出場を逃し、涙ながらの挨拶をする主将の様子など、結果発表の一瞬だけでも本当に様々なドラマが待っています。
あの読み上げの瞬間も選手や大学関係者のみんなでドキドキしながら聞いて、まるで受験の発表の瞬間のよう。
これは現地でしか味わえない楽しさなので、ぜひ観戦に来た方は結果発表まで体験してみてください。
*11:10頃 結果発表
レースも落ち着き、遂に結果発表です。
関東学生陸上競技連盟会長から、予選会1位通過から順に大学名が発表されます。
各大学、ある程度タイムを計測したりしているのでよほどのボーダーライン上にいなければ通過したかしていないかくらいは事前にわかります。
チームの雰囲気からもなんとなくわかります。笑
ちなみに、明治の山本監督は発表前はこんな表情でした。
大学関係者の雰囲気的にも「通ったと思うけど、通過順位は何位だろう?」くらいな感じでしたね。
これが当落ボーダーライン上の大学だったりすると、選手や監督の表情は本当に不安げです。
続々大学名が呼ばれていきますが、結果として明治大学は4位通過。
▲明治大学 喜ぶ選手たち
最終結果はこうなりました。
これも結果発表の醍醐味の一つなのですが、自校はもちろん、他校で伝統校がなかなか呼ばれなかったりすると、あれ…?まだあの大学呼ばれてない…?と周りもざわついてきます。
今回は実際に名門、早稲田大学、中央大学がなかなか呼ばれず、明治大学の関係者も少しひやひやしていた気がします(空気的に)
また、6位通過の筑波大学は26年ぶりに本選出場!国公立大学が1チームとして出場するのも久しぶりで、周りからはおおっ!という驚きの声と筑波大学周辺からは歓喜の声が上がっていました。
▲ 歓喜にわく筑波大学
昨年の出場校で10位以内に入れなかった山梨学院大学、上武大学や初出場を狙っていた麗澤大学などは悔しい結果になりました。
当たり前なんですけれども、箱根駅伝って学生スポーツなのでチームメンバーが毎年変わってしまうんですよね。
だから毎年、どのチームも本気で練習して箱根駅伝の出場を目指している。選手一人ひとりがそれぞれ思いを持って走っている、戦っている。
でも出場枠は10つのみ。
毎年、歓喜の声を聞くたび、悔し泣きする選手の姿を見るたび、箱根駅伝は出場するまででもこんなにドラマがあると、悲しくも美しいスポーツだと思います。
***
長々書いていきましたが、結果発表をもって観戦は終了です。
箱根駅伝予選会に至っては、レースもそうなんですが結果発表の瞬間にドラマがあり、醍醐味があります。
ぜひ観戦に行かれる方は、みんなの原っぱで選手と応援しているチームと一喜一憂する体験を味わってほしいなと思います、いろんな意味でめっちゃ楽しいので。
少しでも現地観戦に興味を持ってくれる人が増えますように。
さいとーあやみ