轢
「おーい」
「おーい」
私は何度でも呼べるわ
私は歌を毎日歌っているから
ね、何度でも私の名前を呼べるんでしょう?
そう言ったじゃない
綺麗事で終わらせるの?
お願いだから終わらせないでよ
聞こえるの
聞こえるから
ううん、いいの
呼ばなくてもいいの
ただ
死ぬまで叫んで
私を叫んで
色が消えていくこの耳に擦り付けて
まだ私は叫べるから
こんなものを感じたくない
どうして
目に写したいものは写せなくて
嫌なものほど目に写すの?
どうして
となって私の前に現れてくるの?
一つ一つ失っていく感覚が
何度も轢かれ形を失っていく蛙に思えた
end
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