【詩的実験】薔薇
わたしの指から滑り落ちていく薔薇の花弁は
ずたずたに切り刻まれて
もう
花弁とは言えないほどになってしまったのに
切り刻むのをやめないあなたの手
それを見せられるのは
わたしたちを非常に苦しめる
花弁はわたしの指から滑り落ちた時点で
もうわたしのものではなく
誰のものでもないのだから
舞い散る花弁は美しい
しかし
あなたは花弁をみなの手から横取りした
切り刻むという非常に無残な手段で
花弁は希望だった
しかし
あなたが切り刻んだことによって
花弁は自由になった
何もかもから解き放たれた
あなたはみなから糾弾された
そして
みなはあなたに薔薇の棘を刺して刺して
刺した
あなたは疼痛に悶えた
そしてそれは
あなたにとっての楽園への道となった
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