【詩的実験】ナチュラル・ビーナス
曇天の空がひろがる広場に
たくさんの人がはしゃいでいるなかに
わたしとあなただけの舞台が設置された
足下に 淡いスポットライトが照らす会話劇
暗闇のなか 二人で微笑み合う黙劇
わたしはあなたに
何か伝えたいことがあるはずなのに
言葉にできずにいる
一滴の雫のあなたが
わたしの海に落とされる
夜 永遠で一瞬のときを
あなたはわたしに差し出す
わたしはあなたの掌に触れようとするが
どうしてもできない
幽霊のようなあなたは
わたしをずっとわらい続ける
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?