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楽器と個性

箏弾きのAmiです。

明日の本番に向け楽器の準備をしております。この楽器との付き合いも早五年あまり。「良い箏ほど、技術がないと音が出ない」もので、当初はまったく楽器が鳴らず悩みましたが、最近になってようやく馴染んできてくれました。

箏の寿命は数十年単位と言われております。経年によって音が変化するのも箏の特徴です。

新しい楽器は水を多く含みますが、時間とともに水分が抜け、やがては朽ちていきます。若い楽器の瑞々しい音、朽ちゆく過程の暖かい音...。決して劣化していくのではなく、次から次へと異なる美しさを発現してくれます。

また職人の手で作られる箏は、一つとして同じかたちはありません。音色も然り。華やかに響く楽器もあれば、深く澄み渡る余韻を残す楽器もあります。

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思えば現代社会において、私たちの生活は、規格化された「もの」に満ちています。家具、食器、洋服…。

大量生産の世界では、色やかたちの均整さが、品質の絶対条件であり、少しでも基準から外れようものなら、不良品として排除されます。標準化が当たり前となった世の中では、「もの」の個性に向き合う機会がほとんどないのかもしれません。

箏は上述のとおり、自然素材 x 手工業というアナログ的な工程で製造されます。
楽器のひとつひとつに個性が生まれますし、様々な楽器があるからこそ、表現できる音楽の幅が拡がるのだと思います。

常に楽器に寄り添い、それぞれの良さを活かした演奏ができるよう、感覚を磨いていきたいです。

明日、上手くいきますように。
おやすみなさい。

Ami

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