2-1 つかの間の休息
入院期間中、いろんな人が見舞いに来てくれた。学校のクラスメート、先生、友達。そして親族。これに加えて、ごく一部のエホバの証人たち。
ちなみに、見舞いに来たエホバの証人がほんの少数であったことには理由があった。
実は、親が気を効かせて会衆に知らせなかったのだ。詳しく話さなかったが、医者にもストレスは避けるように言われていたらしい。
このため、あの時一緒にいた友人の家族と、それ以外に本当に信頼できるクリスチャン家族数名にしか私の入院について知らせなかったそうだ。
おかげで、私はしばらくの間、余計なことを考えずに過ごすことができた。
詮索好きで自己顕示欲の塊のような塩田たちでも、すぐに嗅ぎつけてやってくる可能性は低い。
そう考えただけで、不思議な解放感に包まれた。