スイミング・プール
金沢21世紀美術館の恒久展示作品の一つである、レアンドロ・エルリッヒのスイミング・プール。
この作品は、地上から見下ろしている時には、水で満たされた普通のプールのように見えます。ライムカラーもとても綺麗。
しかし、地下へ潜り、プール内部に入ると…水が張られているのは表面だけなのだということがわかります。そして、そんな自分達の姿を、もし地上から見ている人がいたら、その人達からは、ゆらゆら揺れる水面の中に私達が見えている。
レアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》2004年、コンクリート・ガラス・水、金沢21世紀美術館
そういうわけで、フォトスポットとしての面白さも感じられる、コミュニケーションをテーマにした人気の作品です。
実際に、私は金沢へ旅行に行った際、軽い気持ちで鑑賞したのですが、とても楽しく良い経験ができました。
このスイミング・プールの地下部を鑑賞するには、制限時間があります。(※事前予約も必要です。)
私と友人は、限られた時間の中で、お互いを撮影するのと、他の鑑賞者が映らないようにプールを撮影するのとでほぼ手一杯になってしまい、同じグループで後ろにいらした親子連れに、1枚だけ、2ショットの撮影をお願いしました。
その後、私と友人がのんびりと地上へ戻ると、なんとその親子連れのお二人は、分担して一人が早めに地上に戻り、カメラを持ってスタンバイしていたとのこと。地上から見た私達の写真も数枚撮ってくれていたそうで、その場でAir Dropでシェアしてくれました。
この作品に貰った、見ず知らずの方の親切な気遣いと、一期一会の出会いに、心が温かくなりました。