挫折から学んだこと。
私は、大学の4年間ラクロスという球技に一所懸命に取り組んでいました。
1年生の頃、レギュラーになれそうだし、先輩たちが楽しい人たちだからというなんとも軽い気持ちで入部を決めてしまった私(笑)
元々バスケ部だったことが幸いして、早い段階で先輩から練習に混ざるよう声がかかりました。
4年生の夏の大会には、有難いことにベンチ入りさせてもらい、たまに公式戦にも出してもらっていました。
そこからベンチ入りを落とすこともなく、もちろんレギュラーのまま2年生が終わりました。
大学のラクロス人生が半分終わった頃には、試合に出ることが当たり前になっている自分がいました。
そんな私のことはお構いなく、私の所属しているラクロス部の戦績は負け続きでした。
同期は皆元気がよく、常に目標に向かって努力しているメンバーばかりでした。
さすがの同期たちもこの頃には戦績に落ち込み始めました。
ですが、遂に私たちにもリーダーの役目が回ってきました。
私のポジションは、元から人数が少ないこともあり、リーダーが出来そうな人が限られていました。
そのため、私が立候補してやることになりました。
正直、やるしかないという気持ちでした。
みんなと目標を目指して、少しずつ形を作るところから始めました。
そして、迎えた3年の夏。
1戦目、勝利。
2戦目、敗北。
3戦目、勝利。
一進一退の試合が過ぎていきました。
そんな4戦目前のこと。
私は、リーダーとして周りに指示を出すばかりで、自分の技術アップが思うようにできず、伸び悩んでいました。
自分のことだけを見つめ直す時間もなく、時間はすぎていきました。
4戦目の1週間前。
練習前に、先輩のリーダーたちから呼び出されました。
「次の試合は、レギュラーで出さないから。あと1週間あるから、レギュラー取り戻すつもりで頑張って欲しい。」
と先輩から言われ、頭が真っ白になりました。
もちろん、自分の技術不足が最近は顕著に出てきていたことも分かっていました。
しかし、1週間でどうこうならないことも理解はしていました。
その上で、その現実を突きつけてきた先輩たちの言葉に、戦力外通告ということだと愕然としました。
なによりも、リーダーの立場である自分を外したところで、話し合いが行われていたことに悔しい気持ちが溢れました。
頑張って欲しいと言われて、すぐさま気持ちを切り替えられるようなメンタルは持ち合わせていなかったため、その日の練習は涙が止まらず、不安定なまま終わりました。
そこからの1週間は、泣いても泣いても涙が止まらない状態で、頭の中は先輩たちからの言葉が常にしめていました。
もちろん、練習中はリーダーとして役目を果たさねばならないことは、分かっていました。
前向きに、周りに声をかけ続けました。
正直、苦しかったです。
リーダーとしての自分と1人のラクロッサーとしての自分が常にせめぎ合っていました。
役目なんか投げ出そうかと何度も考えていました。
そんな時、私の声を聞き続けて、味方でいてくれた仲間がいました。
「自分のことに集中して、チームのことを任せていいよ。」
と言ってくれた同期に救われました。
なにか結果を残せるわけでもなく、あっという間に1週間が過ぎ、試合前日。
レギュラーとベンチメンバーの発表がありました。
当然、自分がレギュラーを取り戻すことは叶いませんでした。
仕方ないと諦められるほど、適当な想いで向き合っていなかったこともあり、試合は休もうかとも考えました。
当日、試合に出もしないリーダーが目標ややるべき事を伝えることがどれほど滑稽なことか。
プライドばかりが先行して、自分のことばかりを考えていました。
当日。
休む勇気もなかった私は、結局そんな滑稽さを感じながらも試合を迎えました。
私のポジションは、レギュラーで出ないと交代も殆どないことは理解していました。
そのため、ベンチから試合を応援しつつも悔しさは消えませんでした。
後から、
あの試合は途中から出すつもりでいた
と伝えられた時ほど悲しいことはありませんでした。
悔しさを抱えたまま、試合は進み、残り時間も少なくなってきました。
前半調子が良かったオフェンス陣が途端に崩れ、後半になって全然点が取れなくなりました。
ディフェンス陣は、守っても守っても攻められる時間が続きました。
結果、試合には敗北。
下入れ替え戦が決定してしまいました。
コート中央で挨拶を終えた選手がベンチに戻ってきました。
なかには、涙が溢れている選手や悔しさに顔を曇らせている選手がいました。
私は、この時泣くことができませんでした。チームの一員として、悔しがるべきなのかもしれません。
しかし、ざまあみろと思う自分がいました。
ベンチで応援しかできず、コートにすら立てなかった自分。
この時初めて、ベンチにいる選手の思いを知りました。全員が私と同じでは無いかもしれません。
しかし、なにもできず、やりきれない思いを抱えながら、試合の行く末を見守ることがこんなにも悔しいのだということを私は知りませんでした。
当たり前のように、泣いてベンチに帰ってくる選手たちに、
「お前らが泣くな!」
と怒鳴りたい気持ちを抑えて、その日を終えました。
この挫折の日から、私は自信をなくし、リーダーの座を降りようとしましたが、同期からの気持ちを聞いて、もう少しだけ頑張ろうと続けることにしました。
今になって、振り返ってみると、あの挫折の日があったから、気持ちもラクロスも1段階上に上がれたと思います。
また、自分のことだけではなく、他者の目線から見ることの大切さについて考えさせられました。
自分の行動の裏側で、どれだけの人の思いが動いているのか。
どれだけの人のおかげで自分がいるのか。
気づかせてくれた大切な思い出です。
今となっては、全ての出来事に感謝の気持ちしかありません。
長々とお読みいただきありがとうございます✨