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他人がいるから「悩み」は生まれるけど、 他人がいないと「楽しい」も生まれない


私たちが抱える「悩み」は全て、「他人」という存在から生まれるものだと、私は思っています。

じゃあ、「他人」という存在を完全排除して一人で生きれば、究極的に幸せになれるんじゃないか?と思い、生活の中で実験をしてみました。

でも、答えは全く違いました。


他人がいるからこそ、日々当たり前に感じている「楽しい」が生まれることに気づきました。


言葉にすると、なんだか普通なことを言ってるように聞こえるかもしれないです。
ですが、人って一人じゃ生きていけないんだなぁ、人が生きていくにあたって「他人」って大切なんだなぁと、自分なりに思ったことを書いてみます。


1. 「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」

私の価値観にものすごく大きな変化をもたらしてくれた本、『嫌われる勇気』で扱っているアドラー心理学には、こんな言葉があります。

「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである。」

この言葉を見て、私は最初「???」となりました。
だって、これ、すごく極論ですよね。
自分が抱えている色んな悩みがすべて「人間関係」から出てくるなんて、そんなことあるの・・・?
対人関係でそこまで頭を抱えている意識は自分はないけどな〜、と思ったのです。

でも、もしこの理論が本当なら、日々生まれる大小さまざまな悩みが無くなるのだろうか?悩みが無くなったら、毎日めっちゃハッピーじゃん!最高じゃん!と思ったら、実験せずにはいられなくなりました。

そんな矢先、新しいバイトを始めるタイミングがあったので、私はそこでとある検証を始めました。


2. ”人”がいないと悩みって生まれないんだな

新しいアルバイトで行なった実験、それは、
「バイト先で一切の人間関係を作らない」ことです。

奇遇なことに、
・朝から夜までデスクに座ってパソコンをカチカチ動かしている作業
・かなりの大人数(100人以上)がワンフロアに集まって個人で黙々と仕事をする形
ということもあって、仕事をする上では必要最低限しか会話をする必要がなかったんです。

周りにはもちろん、バイト先の人間関係を作って「ランチ行こ〜」とか「飲み行こ〜」とか、他人との交流を楽しんでいる人もたくさんいます。

ですが私は、ひっそりと一人で出勤して、1日誰とも会話せずひたすらに存在を消して、黙々と作業をしては風のように消える、という仕事生活を送ってみたのです。(現在進行形)


結論、バイトに対してマイナスな感情を抱く瞬間が全くありません。


自分が今までやっていたバイトに対しては、悩みの大きさは様々ですが「何か行きたくないな〜」とか「だるいな〜」とか思う瞬間がよくあったのです。
バイトだけじゃなく所属してるコミュニティとかで、皆さんも心当たりありませんか?

でも、今のアルバイトは、そういう気持ちが一切芽生えないのです。
「別に行きたいわけでもないし、行きたくないわけでもない。普通に行ってお金稼いで帰るか〜。」みたいなノリ。

これはすごく大きな発見でした。
自分の気持ちを必要以上に消費することもなく、常に平常心で、落ち着いて生活することができます。正直・・・ものすごく楽です。

別に私のことなんか誰も見てないし意識もしてないので、「ああ!今日アイライン上手く引けなかった!もう!行きたくない!!!」とかならない。

人間関係を構築してないので、「〇〇さんからランチ誘われるかな…今日は何か一人で食べたい気分なんだよな〜」とかも思わない。

ずっと平常心。「悩む」「嫌」とかいう感情が、私の生活から一切なくなりました。


3. ”悩み”を分解してみる

人間関係を絶ったら、あらゆる悩みが消え去ってしまったのです。

「アドラー心理学めっちゃ当たってるやん...」となった私は、色んな悩みをとことん因数分解してみました。
「これはなぜ?なぜ?」と深掘りしてみました。
そうすると確かに、全ての根源に”他人”がいることに気づいたのです。
(皆さんも、今ふと頭に浮かんだ”悩み”を分解してみてください。)


①「大学の研究活動を考えると何だかモヤモヤする」という悩み
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Q. どうして研究活動が嫌なのか?
ー扱っている研究の内容がちゃんと理解できてなく、上手く前に進めないからモヤモヤする。

Q. 研究が前に進まない事がどうしてモヤモヤするのか?
ー自分がその週で出せた成果の量が少なくなってしまう事が嫌だから。

Q. 成果の量が少なくなる事がどうして嫌なのか?
ー毎週の進捗報告のときに共有する内容が薄くなるから。

Q. 進捗報告で共有する内容が薄いとどうして嫌なのか?
ー上司に「進捗それだけ?」と言われるのが嫌だから。

結論:
上司からの見られ方が気になってしまうことでモヤモヤしている。


②「電話営業バイトを辞めたいのに辞められない」という悩み
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Q.ストレスがかかる仕事なのに、どうしてバイトを潔く辞められないのか?
ーバイトを辞めたらお金がぐっと減ってしまうから。

Q. お金が急激に減ることがどうして嫌なのか?
ー自分の身の回り・生活に使うお金が減ってしまうから。

Q. 自分で使えるお金が減る事がどうして嫌なのか?
ー友人や彼氏と遊ぶお金が極端に減ってしまうかもしれないから。

Q.どうして他人に使うお金が減るのが嫌なのか?
ー遊ぶ機会や使うお金が減ることで、相手に「この人付き合い悪いな」と思われるのではないか、という妄想をしている。

結論:
本当はバイトを辞めたいのに、友人や彼氏に使えるお金が減ることで、「付き合いが悪い」と嫌われてしまうのではないかと不安になり、辞められない。
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上に出したのは私の一例ですが、少なくとも私の場合は、全ての悩みの一番深いところには「人」がいました。

嫌われたくない
どんな風に見られるのか怖い

こういった普段から強く意識もしない感情が、思わぬ悩みを生み出しているんだなと気づきました。


4. 原因が分かれば気分がちょっと軽くなる

もっと些細な悩みや、パッと浮かんではその日に消えてしまうくらいのものなら、上のように分解して考えなくても、特に困ることはないのだと思います。

カフェ行ったり、友達と話したりして、上手に気分転換すれば、大体の壁は上手く乗り越えられます。

でも、
「ダメって分かってるのに、でもどうしても元気が出ない」
「悩む時間があるなら今すぐ研究を進めるべきなのに、何か頭が働かない」「新しいアルバイトをさっさと探せばいいのに、その元気がない」

ってくらい考えすぎてしまったり、頭でっかちになる悩みが、私には時々あります。

いつまでもモヤモヤして、結局目の前の作業は進まなくて、それで余計に自分が嫌になる。悪循環。

そういう時は、

【根本的な原因に目を向けて解決する・見方や考え方を変える】

ことが、モヤモヤを無くす最短経路だと思います。

少し想像してみて欲しいのですが、漠然と抱えている悩みの根本的な原因が分かれば、「そっか、自分はここで悩んでたのか〜。」と、ほんの少し気分が軽くなりませんか?

「私は研究自体が嫌なんじゃなくて、上司の評価を気にしてモヤモヤしてたんだな。でもずっと一緒にいるわけじゃないし、別にどう思われても良くない?」

と、自分の中での考え方を少し変えるだけで、その悩みを少しでも軽くすることが出来ると思います。


5. じゃあ一人で生きていきたいか?

人間関係を経つと、悩みやマイナスな感情が消えることを私は学びました。
正直、本当に気楽で、悪くないなーと思っていました。
最初の頃は。

アルバイトを続ける中で、ふとこう思いました。

悩みもないけど、楽しいとか嬉しいとか、そういうプラスな感情も一切生まれないんだな。

そう、「楽しい」とか「嬉しい」とか、そういう瞬間も皆無なんですね。

「別に悩むこともなければ、楽しいこともない」
人間関係を断つって、こういうことなんですね。

何気なく人と会話をする、一緒に仕事をする、感情を共有する。
人の話を聞いてたり、自分の話を聞いてもらったりして、満足感を得る。

無意識に行なっている「人間関係を築く」ことが、自分のプラスの感情の元になっている、という事実に気づきました。

他人がいたら、色々な悩みが生まれるけれど、
でも他人がいないと、嬉しい気持ちにもならない。

そう思ったら私は、
誰かと人間関係を築く中で、時には悩んだりしながらも、
色んなプラスな気持ちを感じながら生きていきたいなぁと思いました。


それと同時に、身の回りにいる人たちの存在や、その人たちと過ごす何気ない時間を、もっともっと大切にしようと思いました。


今年も健やかに生きていこうと思います。



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