ぐらしあすの「精神科病院入院中に捨て猫を拾ってきた話」
過去記事にもあるように、今から約20年ほど前に、神経症治療のために入院森田療法を受けていた時の話し。
入院中はぐらしあす同様に、神経症をなんとか治したいという気持ちの強い患者さんが全国から集まって、約20名ぐらいの森田療法グループが編成される。
グループの中での役割は過去記事に書いてあるので省略するが、その中のひとつに「病院で飼育している犬(飼育している理由はわからない)」を毎日散歩に連れていくという役割があった。
毎日役割を患者同士交代しながら、同じコースを歩く。
ぐらしあすが散歩に連れていったある日。草むらの中にある小さなダンボール箱から、何かごそごそという音がする。
中を見てみたら、子猫が5匹と使い捨て弁当箱が一つ入っていた。弁当箱の飯やおかずは半分ぐらいが残っていた。
どう考えてもその場に置いて去っていくのが忍びなく、段ボールごと病院に持って帰った。
看護師さんも患者さんもみなびっくり。
ぐらしあすは事情を説明した。
主治医からは「別に気にしなくていいですよ」と。
その後、看護師さんたちが中心になって、窓越しの小さな庭のところに猫たちを置いてくれ、おまけに鳥よけのネットまで張ってくれた。
翌日には副院長が親切にも、小猫用のエサを持ってきてくれた。
ただ、ここは病院なのでずっと飼い続ける訳にはいかない。
それで森田グループで、今後どうするかを話し合い、職員さん対象に「里親さん募集」のポスターを作って、職員が出退勤するときのタイムカードの上方に張らせてもらった。
そしたら次の日から、そのポスターを見た病院職員さんたちが、勤務を終えてその子猫たちを見に来るわ見にくるわ。
いろんな模様の子猫たちだった。
職員さんたちが気に入った子猫の里親になってくれ始めた。
一匹一匹と。しばらくして5匹すべての子猫の里親が見つかった。
振り返って考えてみると、今から考えれば、森田療法的には「恰好の課題」になったのではないかと思う。
思いがけない出来事が起こり、それをグループみんなでどうすればよいかという解決策を練り、話し合いを重ね、職員の協力も得て、問題解決へと向かう。
大原健士郎先生には軽く叱られたが、ぐらしあすのとった行為は良かったと自分で思っている。
そんな懐かしい出来事をふと思い出した。
いいなと思ったら応援しよう!
![ぐらしあす](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/99208496/profile_aef14f365bb28c11e8418b23025ed83f.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)