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ピーナッツに媚を売るベーシスト②

ピーナッツさん(ピーナッツに媚を売るベーシスト①を参照)にどうやって機嫌よくしてもらうか、どうやってここに居残ってもらうか、実際の楽器練習と同じくらいに注意を払う。


ピーナッツさんは、基礎練とか嫌いだ。ピック(ギターでよく使う小さな三角のプラスチック)を使うのも嫌いだ。ロック系の曲にも塩対応なことが多い。一方、やたらと小難しい手数の多いベースラインは好きだ。ジャズっぽい運指も好きだ。ピーナッツさんの嗜好を知っているわたしは、彼の気に入りそうなベースラインをYoutubeで探すのにかなりの時間を投資する。彼氏にぞっこんの彼女が、あれやこれや家の周りのお手伝いを甲斐甲斐しくするのと似ている。


「好きなことだけやって、お前、それで上手くなれると思ってんのか?そんなの大間違いだからな!(誰、この意地悪な人w)」と言う人もいるだろう。それはそれで間違っていない。でも、私はピーナッツさんを甘やかす自分のやり方を変えない。モーチベーションが落ちて練習時間が減ってしまえば、元も子もないからだ。なにせ、こちとらプロになろうっていうんじゃないんっすよ。趣味の範疇ですから、好きなようにやらせてくださいよ。


曲の練習も美味しいとこだけ1分間練習する。楽しくなくなったらやめて次の曲に行く。飽きたら途中でもやめる。でも、そうやって楽しいことだけやるからこそ、結構な練習量をこなしていると思う(いや奥さん、自慢じゃあないんですけどね~笑)。


「食べて、祈って、恋をして(原題:Eat, Pray, Love)」の著者である人気作家のエリザベス・ギルバートさんは、著書『BIG MAGIC「夢中になる」ことからはじよう』にて、創作活動について以下のように話している。


『不満を言うとインスピレーションが逃げていきます。創造表現がいかに難しく、疲れるものであるか、 というあなたの不満を聞くたびに、インスピレーションは気を悪くしてあなたから一歩離れてしまいます。』


彼女の言うインスピレーションとは創作活動におけるアイデア等のはなしだが、モーチベーションもこれに似ている。こちらの都合で、あれをやらなきゃ、これで生活費を稼がなきゃ、立派な意義をもたせなきゃ、とか負担を負わせると、インスピレーションやモーチベーションは逃げていく。


自由に遊ばせてやれる遊技場を作ってあげるのが、彼らに長居してもらう最善の方法なのかもね。メディアルームにNetflixとかポップコーンも用意して(笑)。


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