見出し画像

フレーベルの第3教育遊具「立方体」

今日からご紹介する第3~6教育遊具は、立方体を様々に分割することによって構成された「積み木」です。 (オンライン研究会の際に使用した動画を写真にしているため、手ブレなどがありすみません。)

今では様々なブランドが色や形に工夫を凝らし、オリジナリティあふれる素敵な積み木を制作していますが、全ての積み木の基本となるのは、世界で一番最初に幼稚園を創設したフレーベルが、世界初の幼稚園の幼児教育で取り入れたこの積み木だと言われています。

第3教育遊具「立方体」のおもちゃ


第3教育遊具まとめ

【第3教育遊具】「積み木(立方体)」

フレーベルの考案した積み木は、第3~6までの教育遊具として世の中に広まりましたが、全てはこの8個の立方体から始まります。

まずは箱から出します。箱から出す時はふたを開けてバラバラ~と出すのではなく、箱をひっくり返してゆっくり上に持ち上げて出します。
こうすることで、中に入っている8個の立方体は1つの立方体に見えますが、これは子どもたちに「1つの立方体は8個の立方体からできている」ことを感じとってもらうためにフレーベルが考えたねらいなのです。

箱をゆっくりと上に持ち上げて出します

保育現場を訪れると、かごの中にバラバラと入っている積み木を見かけることもありますが…。(園の考え方次第なので、そのような保育方法もあるとは思っています。) フレーベルの考え方を知る度に、整然と箱にしまわれている積み木の美しさに心を奪われると同時に、子どもたちにもはじめにどのような形で整理して入っていたかを感じ取ってほしいと思ったりもします。

立方体が出てきたら、前回ご紹介した第2教育遊具の箱に入っている立方体 (ひもを通す部分のない立方体が実はもう1つ入っています)と第3教育遊具の8個の立方体を比較し類似点と相違点を紹介します。ここでは簡単に...。


「この立方体(第2教育遊具)とこの立方体(第3教育遊具)は形が同じ、大きさも同じだね。でも、この立方体(第3教育遊具)には縦と横に線が見えるね」など、縦、横、上下にすじがついていることを見せ、分解できることを示します。また、その後もとに戻ることも伝えます。

前回学んだ遊具を見せてから、新しい遊具を紹介し、関係性について学びます

ちなみに、一片が3㎝の立方体でできた8つの集合体。フレーベルが初めに考案したサイズは2.5㎝でした。(当時は1インチ)ジーナ社はフレーベルと深い関わりのある会社であることから、今でも2.5cmで製造しているようです。 そのため、Gabeをお持ちの方はサイズが異なります。

ジーナ社の第3教育遊具

︎  また、フレーベルの考案した全ての遊具は「生活の形式」「美の形式」「認識の形式」といった3つの遊び方があります。

フレーベルの考えた積み木遊び3つの形式

3つの形式について、簡単に説明をすると、

①生活の形式 
子どもたちにとって身近なもの(建物、乗り物、動物、家具等)に積み木を
見立てて遊んだり、積み木を使ってお話しや歌などを作って遊ぶ

②美の形式
美しい模様を作りながら調和や均斉を知る遊び。パターン遊びなどと呼ばれていることもあります

③認識の形式
並べる、比べる、積むなどの遊びを通して考えることを楽しむ遊び
※積み木遊びを通して、数、高さ、長さ、大きさ、量などを体験する

3つのパターンそれぞれの遊び方を楽しむことも大切ですが、大人が計画した活動ではない自由な空間においては、3つの形式の遊び方を子どもは自然と組み合わせながら創造活動を展開していくと思われます。

子どもに情報(様々な形の積み木を与える、遊び方を簡単に紹介するなど)を与える必要はありますが、子どもの気が向かない時は遊びを強制するのではなく、「やってみたい!」という意欲を大切に、必要に応じて情報を提示していくことが大切ではないかと思います。

この第3教育遊具の箱はあくまでも積み木をしまう箱の役割しかないのですが、童具館のケルンブロックという積み木は箱と積み木が一緒に遊べるような設計になっています。一辺3cmの小さな積み木なので、お出かけに行く時も持ち運びしやすくオススメですよ。


おわりに、『フレーベル教育学の旅』より、一文をご紹介します
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フレーベルは遊具についていろいろ難しい説明を加えています。
しかし彼は遊具に含まれている原理をかつて子どもに説明したことは
ないのです。 原理は子どもに説明するものではないのです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※フレーベルの遊具は1から順に遊ぶと形同士の関係性がよくわかる
ようになっているのですが、「大人が教え込む」にならないように
することがポイントです。 誘導はして良いけれど教えすぎない。
子どもが自ら発見できる要素を残しながら提示したいですね。

次は第4教育遊具についてご紹介します。

いいなと思ったら応援しよう!