フレーベルの第1教育遊具「球」
フレーベルの教育遊具は20種類ありますが、今日は第1遊具である「球」を紹介します。(1〜10までが教育遊具、11〜20までを作業具または手技工作などと呼びます)
【第1教育遊具「球」】
フレーベルが最初に「球」を考案した時は羊の皮に色を塗ってできた直径4cmのものだったと言われていますが、その後、「シンプルで手に取りやすく温かみのあるものに」という理由から、毛糸でくるまれた直径6cmの球になりました。
現在は、タイトル写真にある毛糸素材のものが、フレーベル館で「第1恩物6球」という商品名で販売されています。
どこからみても形成の取れた美しい形に触れることで美的感覚を養ったり、色分けされた6色の球に触れることで色に関心を持つようになることを願ってできました。手に取ることで、「あたたかい」「やわらかい」など、物の性質を感覚的に理解することにもつながります。
元々は乳児と母親がコミュニケーションを取るための遊具として考案されましたが、幼児になってからも転がす、上から落とす、投げる、色当てする、数を数えるなど、発達段階に合わせて多様な遊び方ができます。
フレーベルは、これらをただ遊ばせるのではなく、その遊びにどのような教育的効果が含まれているのかを乳幼児観察を通して明確にした上で母親や教師に指導書を作成して伝えていました。 発達心理学などがまだ発展していなかった時代に、乳児の持つ力に可能性を感じていたこと自体が本当に素晴らしいことだと思います。
下記に『フレーベルの恩物の理論とその実際』の一部をご紹介しますので、よろしければご一読ください
『フレーベルの恩物の理論とその実際』
たとえば母親が、赤色のまりをゆりかごに吊るしてゆり動かしてみせていると、子どもは刺激の強い赤いまりの方へ、瞳を向けるようになる。 これを毎日繰り返してみせているうちに、子どもは動く物に興味を感じて、手を伸ばし、これに触れようと努力する。触れれば握ろうとし、握って放せば動き、自己の力でまりを動かし、また静止させることができる。それに興味を覚えてなんども反復しているうちに、触覚を通して、その物体の性質を感知するようになる。 すなわち、やわらかいとか、暖かいとか、丸いとか、それと明らかに知ることはできなくても、触覚を通して、なんらかの感じを感得することができる。
※毛糸の素材でできた「球」の写真は私が撮影したものです。
その他の写真は、『遊びが子どもを育てる フレーベルの幼稚園と教育遊具』という書籍の引用になります。
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次回は、第2教育遊具をご紹介します