![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/137013983/rectangle_large_type_2_2410aafe8fb5dd7607a7fcced83261a1.png?width=1200)
読書感想文「オリバー・ツイスト 上」チャールズ・ディケンズ、山本史郎・斎藤兆史(偕成社)
N予備校でシナリオの例に挙げられていたので、滞った思考を活性化できるかもしれないと思い読み始めました。
イギリスの古典です。すっぱい埃のにおいがしないこともないですが、概しておもしろく読めました。
救貧院という施設でオリバーがおかわりを要求したときの、「おかわりだって?!」という大人たちの狼狽のしようがすごかったです。
救貧院の委員たちが、経費削減のためか、施設で提供する食事をとても少なくしていて、おかわりなどもってのほかだったとはいえ、「おかわり」という幼い子供のような言葉に本気で度を失うさまを、一度本でお読みになってみてください。
「すいません、おかわりください。」
料理長はまるまると太った健康な男だったが、その顔がまっ青になった。料理長はしばし茫然自失の面持ちで目の前の小さな反逆児を見つめ、よろめいてかまどにしっかりとつかまった。
「失礼します、リムキンズさま! オリバー・ツイストがおかわりを要求しました!」
みんないっせいにとびあがった。全員の顔に嫌悪の色がうかんでいた。
「おかわりだと!」とリムキンズ氏がいった。「いいかバンブル、おちついてはっきり答えてくれ。規定によってあたえられた一食分を食べおえてから、さらにおかわりを要求したということなのか?」