フリースクール活動日記 2024/01/18-町田
今日は町田リス園へと向かう。昨年度にはまだハラッパラッパがいて、恐怖のリスから逃げまどっていたメンバーが多くいた。あの、おっそろしい、リスたち。それを思えばこそ昨年僕はリスに近づかず、そして今年は脅威を未然に防ぐべく町田リス園案をかたくなに拒み続けてきた。
だが、町田リス園は毎年一回は必ず行く場所。一年たった今、その案を廃止しようとするのは無理がある。なるべく早いうちに終わらせてしまったほうがいい。
そういう目的で、今回の町田リス園案が通ったことに喜びを隠しきれないメンバーを前に、ひっそりと次の目的地を決定させてしまったわけだが、それはまた別の話で。
そうして町田駅に集合する。再度登場したドクロ仮面に行き交う人はみな眼を瞠る。実に面白いヤツだ。さすが、さすがはドクロ仮面。ソースが時間になっても来なかったために置いていくことになったのだが、それ以外はみな集合している。幸い先週のように誰かがうっかり置いていかれるというようなことはなかった。
町田リス園行きのバスに乗る。なんだか昨年と乗り場の位置がずれているような気がしたのだが、拡張工事などがあった形跡はないし、まわりにある店も見たことがあるものばかり。そんななか龍角散とカッパ君、χαοσがコンビニへと入っていくのを見て「こいつらバスに乗りそびれればいいのに」と皆が思ったのだが、残念なことにバスが入ってくるのよりも彼らが来るほうが若干早かった。もし、彼らがあと3分中にいたのならば窓から笑い顔を出し、彼らのもとから離れていくことができたのに。
バスが出る直前でソースが合流、メンバーも全員揃ったものの、リスに対する不信感を募らせるメンバーが幾人か現れる。かくいう僕もその一人だ。昨年度の恐怖は未だに忘れない。
だから、いざリス園に着いたときにその反応が分かれた。思わずしり込みしてしまうメンバーに、喜び勇んで駆け込んでいくメンバー。もちろんぼくは前者であるが、後者はそこまで多いとは言えなかった。そして、そんな数少ないものの中でも今回犠牲者が出た。
それについて語る前に、まずは当日の様子を説明していくことにしよう。この日、参加者は10名ほど。そのうち熱烈に町田リス園を主張していたのはχαοσとマッチ―の2名。彼らは案が通ったことに喜びの色を隠さずに来た。また、彼ら2名はもちろん何回も町田リス園へ来たことがあり、来たことがなかったのは2,3名のみだった。
だから、ほとんどがリスの恐ろしさを知っている。そのためおそるおそる(龍角散やカッパくんなどはまったく恐れずに)向かっていく。そうして僕も、昨年できなかったことをついにやり遂げるよう決心し、リスの餌を購入した。
けれどもやはりりすはこわい。特に僕がなかなか餌にありつけていないような個体にばかり近づくからか、すぐに襤褸が出てしまう。ありていに言えば、そのような個体はそれほど手乗りが上手ではない。飛び乗ったときに餌を蹴飛ばしてしまう。そうして探し回った挙句に何やら物悲しいような横顔をこちらへ向けた後、とぼとぼと走り去ってゆく。
なんだか僕が悪いような気持になってしまうが、向こうの技量が備わっていないことが問題なのだ。よって、これからは手に握りしめた状態で地表付近、もしくは地面にいる個体にのみ、与えることにする。なぜかというと、リスに飛び乗られて体中を走り回られることに言いようのない恐怖を感じたからだ。
そうして今年も被害者が出る。それは手袋もつけずに餌をばらまき続ける龍角散ではなく、もちろん僕でもなく、きちんと手袋をつけていたカッパくんだった。
たしかに、ここでけがをするのはどちらかと言えばきちんと準備をしている人ばかり。昨年度はいちごあめが袖口から入り込まれ、まるでリストカットの痕のようになってしまっていた。もちろん、油断していたわけではないだろう。けれどもやはり重装備をすれば安全という考え方がどこかにあるようで、今回のカッパくんの場合もそうだったのかもしれない。
ミトンをつけていたことで、心配ないとでも思ったか。まさか、ミトンの上からの攻撃などが起こるとは考えないし、ミトンの中に入り込まれることも普通は考えない。だからカッパくんが手を切り裂かれたのも、なにぶんしかたのないことなのかもしれない。
そんな目にあってもカッパくんは対して動揺しなかったが、それを見て怯えだした者がいた。それが、今回頑なに町田リス園案を唱え続けたχαοσであったことに皆は驚きの色を隠しきることができなかった。
なんてったって彼は昨年もここへきて、思う存分楽しんでいたのだから。いまになって急に怖がり始めるとはなんたることだ。彼は結局リスに餌をやることができずに泣きながら遁走していった。
昨日はとても寒かったのに、今日は異様に暑い。だが、少なくとも昨年よりは寒いようで、昨年はのそのそと出てきたケヅメリクガメが、なんと一歩も出てこなかった。この分では御岳山に上った日には幾人かが動けなくなってしまう。まあ、もしそうなったならばスタッフ1名を残して皆は先に進んでしまうのだろうが。
あまりの暑さに、冬だというのにアイスをうまそうに食べるメンバーたち。だが、それにもかかわらずχαοσたちリスの恐怖を身をもって知った数名は、いつもならば喜んで食べるアイスにも手を出さず、ただ呆然とするのみ。
皆がリスの脅威を思い知り、足早に園を出ることとなる。毎年恒例のこの行き先。いつも「もう来たくない」と思うのだが、一年たてばさっぱり忘れてまた来たくなる。
そんな感傷的な気分に浸っているなか、いつの間にか足が動き次の目的地へ。リス園の目の前にある薬師池公園へと、足を運んでいく。
昨年は「仮面ライダーの墓」なるものを作っていたり、はたまたハラッパラッパに挑みかかったり、福王寺薬師堂へ向かったりと三々五々に活動をしていた。しかし。公園は広いわけだし、昨年のようにされては何人かが迷子になるかもしれない。そしてなにより、遊びたい!
そんなみんなの意見が1つになり、御嬢やイマンモが汁粉を食べ終わると公園の一部を使った缶蹴りが開始される。使うのは、ブラックコーヒーの缶、そしていろいろな装備品。ある人は背の高い龍角散を盾に艦に近づこうと画策し、またある人は自分のトレードマークともなっている仮面を外して行動し、またある人は落ち葉で自分の姿を偽装したり、ドクロ仮面を借り受けたりと行動的だけれども、結局役には立たないものもある。
一戦一戦が制限時間ギリギリのため、たった4,5戦だけで3,40分も時間が経過。こんなことではいかん、僕はもっと遊びたいんだ!もっと動き回りたいんだ!と主張するメンバーもいたため、缶蹴りはやめることになる。
けれどもやはり隠れながら近づくのが楽しいという人への妥協案も併せて鬼2人でのドロケイが始まる。2人といえどもばかにはできない。メンバーの大半が一網打尽にされたことも、何度かあった。なんせそれだけ、この公園は広くて隠れる場所が多く、取れる選択肢が多い!遊ぶには最高の場所だ。(もちろん景色も最高)
そして、中には伐採されたであろう木々を盾にして行方をくらますものも出てくる。そんな彼らを見て、幾人かはふと気が付いた。木々が多いこの地形、家を作るのには格好の地だと。毎度毎度時間が足りずに終わってしまうが、それでも作っていくのは非常に楽しい。
そんなこんなでドロケイの傍ら資材集めに奔走する。時折勢いを殺せずに龍角散が突っ込んでくるため死ぬ気で応戦する。最初は10人ほどが参加していたドロケイも、だんだん戦意喪失するメンバーが出てきて規模が縮小されていった。
来週の行き先はもう決まっている。では、再来週はどうか。来月はどうか。御岳山、因縁のたばこと塩の博物館、狭山湖。行きたいところが多すぎる。そしてなにより、野川沿いを散歩したい。ことに前回持ち帰った野草を料理に使えなかったのだから、と意気込んでいるもののこの意見が通るのかはわからない。
結局今週はカッパくんがリスの攻撃を受け、皆からわなを仕掛けられ、挙句の果てには帰りのバス停に手袋までをも置いてきてしまった。踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂とはまさにこのことだが、落ち込まずに元気を出せ!
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