燐葉

フリースクールに通っている中学生男子

燐葉

フリースクールに通っている中学生男子

マガジン

  • フリースクール活動日記

    僕の通っているフリースクールでの活動記録をまとめた 12月11日に其の一、二統合 2023年3月から

  • 読書旅行

    読書に関する旅行の記録

  • 解剖等記録

    冬に行った解剖教室など、関連する記録をまとめてある

  • 読書記録

    最近読んだ本の感想 谷崎潤一郎、吉村昭など

  • 奥多摩珊瑚荘活動記録

    フリースクールなどによる奥多摩での活動記録

最近の記事

フリースクール活動日記 2024/11/16-御岳山

 今回の行き先は奥多摩。皆が待ち望んでいた「御岳山」へと行くこととなったのだ。皆、喜び勇んでこの日を迎えた。しかしながら、なかなか御岳山へは到着しない。よって、ここからしばらくは「前振り」が続いてゆく。別に読まずともよいのだが、今回の計画が完全に破綻した原因として、一読する価値はあるかもしれない。以下、いささか長い「前振り」。  この日、満場一致で決定した行き先は「武蔵御嶽神社」。年少メンバーが多数来ると予想されていたため、山の麓、御嶽登山鉄道の滝本駅から歩いて頂上まで向かい

    • フリースクール活動日記 2024/11/08-つくし野

       昨年度、ここに来たことのあるメンバーらに聞きこんでみたところ、池ポチャする可能性が一番高いと予想されるメンバーは、4名ほど。そしてその大部分は、未だにこの場所へ来たことのない、活発な新人メンバーによって構成されていた。彼らは、記憶にも新しいあの「池ポチャ」を何一つとして知らない。氷の張った池に落ちた者、水車に振り回されて落ちた者、横転した盥から放り出されたものなど、数えれば枚挙にいとまがない。そんな池ポチャ列伝とも呼ぶべき代物を、彼らは一度たりとも見たことがないのだ。  1

      • フリースクール活動日記 2024/11/01-浅草

         十時三十分、浅草駅に集合。メンバー全員の到着を確認し、浅草寺へと向かって歩き出した。  この日、紆余曲折の末行き先が浅草に決定、中央線の遅延によって年長メンバー一人がたどり着かぬ以外は、これといった問題もないという幸先の良いスタートを切った。遅れている彼は、高校生。置いていっても、何の問題もないだろうと皆が同意、憐れなことに彼は置き去りにされ、合流まで3時間ほどかかることになる。  このフリースクールで浅草に来るのはもう何年振りにもなるはずだ。そのころは全体的に人気がないと

        • フリースクール活動日記 2024/10/18- 世田谷文学館

           この日は雨が降るとの予報がなされ、既に決まっていた予定が大幅に変更された。が、一か月以上も前から確定していたものを、いまさら覆すというのは嫌だと反対の意見も多く、議論が白熱していた。そこで、午前中を別の場所で過ごすが午後は予定通りに動くという折衷案が、議論の長期化を嫌った私やチーくん、ハヌマーン等中高生メンバーによって提出され、満場一致で可決された。これまで行ったこともないところが目的地となった。行き先に決まったのは、世田谷文学館。  年少メンバーにとって文学館は退屈である

        マガジン

        • フリースクール活動日記
          75本
        • 読書旅行
          14本
        • 解剖等記録
          8本
        • 読書記録
          7本
        • 奥多摩珊瑚荘活動記録
          23本
        • 製作記録
          6本

        記事

          旅行記録 2024/08/30-京都

           さてさて困ったことになってしまった。東海道新幹線の運休によって、代替案としてサンダーバードで敦賀、そこから北陸新幹線にて東京へと向かうことに変更となったが、果たしてこれは上手くいくのだろうか。もしかすると人混みによって席に座れないかもしれない。それよりひどければ、群馬の山中あたりで新幹線が止まるかもしれない。そうなっては大惨事、車内にいるしかなくなる。おそらく、そのころには外は豪雨。東京の何か所かには大雨や土砂崩れの警戒警報が出ているというし、おそらくは、中央線は遅延するだ

          旅行記録 2024/08/30-京都

          旅行記録 2024/08/29-京都

          これは旅行記録 2024/08/29-大原の続きです  階段を駆け下り、居間に入った僕は思わず瞠目した。今しがた告げられた「明日、東海道新幹線、運休」の言葉が頭の中でぐるぐると回っている。どこか実感がわかない。明日は東海道新幹線で家に帰るつもりではなかったか。それが止まればどうやって帰るのだ。  呆然としているところへ第二報が入った。父が急遽最寄りの駅に駆け込み、本日午後6時ごろ京都発の新幹線を急遽予約したとのこと。よって、5時過ぎには京都駅に着かねばならず、いまから30分

          旅行記録 2024/08/29-京都

          旅行記録 2024/08/29-大原

           今年もここへとやって来ることは、前から決まっていた。ただし、予定では本当は三千院へも行くつもりだったのだ。しかしながら、予想に反して国際会館前のバス停に集まった人々の数は10数人、そのうち半分ほどは外国人。外国人は台風接近の情報を聞いて既に避難もしくは外出を自粛していると思っていただけに、衝撃も大きかった。清水寺の事を思い返しても、やはり不自然ではないか。  これほどまでに人がいるのであれば、三千院はやはり混んでいるはずだ。それならば、昨年と同じく大原の寂光院にのみ、向かえ

          旅行記録 2024/08/29-大原

          旅行記録 2024/08/28-上賀茂神社

           さて。この日は遅れるわけにはいかない。予定通りにバスに乗り、上賀茂神社へ向かう。正直言って、これまで上賀茂神社という名前を聞いたことはほとんどなかった。知っているのは殆どが下鴨神社について、加茂建角身神についての数少ない情報だけ。よって、この日向かうときも現地の情報について僕はそこまで知らないというのに、楽観視していた。予定通りにいかなかった場合の対策を、微塵も考えていなかった。  けれども、それが足を引っ張るのはもっとあとのこと。ひとまずは、上賀茂神社に到着したあたりに話

          旅行記録 2024/08/28-上賀茂神社

          旅行記録 2024/08/27-太郎坊宮

           この日は上手く起床することができた。家族全員体調は万全だ。この日の天気予報を見ても、雨が降ることはない。念のため篠笛は家において、準備を整える。片道一時間半かけて、太郎坊宮に向かうとしよう。まずは昨日と同じ電車を用いて山科へ、そこで琵琶湖線へと乗り換える。この日、僕が期待していたものの一つが琵琶湖の景色であった。道中、湖は見ることができるのだろうか。竹生島はさすがに難しいであろうが、もしかすると沖ノ島までであれば見ることができるかもしれぬ。そう期待を持って左手の窓を見つめて

          旅行記録 2024/08/27-太郎坊宮

          旅行記録 2024/08/26-山科

           朝起きて、台風が九州方面に逸れたことを聞かされる。なんと。それでは鈴鹿のほうへと泊まることができたではないか。旅館に連絡するのが一日遅ければ、あるいは予定通りに鈴鹿の山々を巡ることができたのかもしれない。そのことを悔やみつつ、ふと脳裏に閃いたものがあった。そうか。全てを巡る必要などない。どれか一つだけならば、一日で行って帰ってこられる。そんな丁度いい場所がひとつあった。それは、阿賀神社。別名は太郎坊宮ともいう。山科駅から琵琶湖線で近江八幡駅まで移動後、近江鉄道で太郎坊宮前駅

          旅行記録 2024/08/26-山科

          旅行記録 2024/08/25-京都

           7時ごろに起床した。昨日の夜は寝入るころになってぽつりぽつりと雨が降り出したが、朝にはその痕跡すら見いだせなくなっていた。そんななか目を開けて、困惑する。ここはどこだ。そうか、祖父母の家だ。一度顔を洗い、朝食の時間までどうするか考えていたときに、本棚の一つが目に入った。そこはぎっしりと漫画で埋まっているのだが、その最下段にある一冊を手に取る。それは、京都に来れば毎年手を伸ばすものである。「陰陽師」という漫画だ。著者は岡野玲子、原作は夢枕獏。ここに登場する源博雅が気に入ってい

          旅行記録 2024/08/25-京都

          旅行記録 2024/08/24-京都

           この旅行は散々であったと振り返る。波乱万丈、日程変更や予定の取り消しなどで溢れていた。しかしながら、辛かったかと言われるとそうでもない。先日の奥多摩合宿などのように、その体験は何ものにも代えがたい(?)ものであったし、非常に楽しく興味深いものであった。鉄は熱いうちに打てという言葉があることを思い出し、今のうちにあの旅を振り返っていこうと思う。まずは一日目。午前中の予定をこなした僕は、母と共に中央線で東京まで出た。まずは、その後から始めることにしよう。  8月24日午後1時4

          旅行記録 2024/08/24-京都

          解剖記録 蛇 2024/08/22

           この夏の初め。不意に連絡があった。内容は、日本蛇研究センターにて蛇の観察及び解剖をやるため参加するかという問い合わせのもの。もちろん参加するに決まっている。手帳を確認しても幸いなことにこの日に予定は入っていない。人数超過で落選する可能性などを考慮しそれほど期待せずに待つつもりでいたが、幸いなことに当選との連絡があった。持ち物も、そこまで入用ではないらしい。よって安心して当日に臨むことができた。  集合場所へと向かうため5時30分ごろに起床、6時30分に出立する。そのため予定

          解剖記録 蛇 2024/08/22

          読書記録-臨済録・無門関①

           ずいぶん昔に書いたものを手直ししたものである。「臨済録」を読み、リベラルアーツで話し合ったことをもとに自分なりの解釈に発展させたものだ。なお、以下の文章はおそらく4月ごろ書かれたものであるため、文中での「最近」とはこのころのことである。  2月ごろの話である。フリースクールで、歴史の授業が始まった。これは有志達がイマンモに頼み込んだおかげで最近始まった日本史の授業なのだが、このころは平安時代。鑑真・空海・最澄・行基などの活躍について触れていた。おそらく1ヶ月後には平安時代

          読書記録-臨済録・無門関①

          読書記録 陰翳礼讃②

           夜中の9時を回ったころ、正月は過ぎたものの未だ寒さは残り、5時ともなればすでに夕暮れであったのであるから4月ごろのことであったか。  僕は家へと帰る途上にいた。その途中、2本の桜の木がある。そしてその日、桜は緩やかに散り始めた。  桜の樹の下には屍体が埋まっている。梶井基次郎が言ったこの言葉を信じている人は多かったのだろう。夜、仄かに照らし出されている桜の花びらが散り、降り注いでいるのはこの世のものではないように思えるほど幻想的であった。梅の花が散ってもこうは思わない。あの

          読書記録 陰翳礼讃②

          読書記録 陰翳礼讃①

           谷崎潤一郎の小説、陰翳礼讃。これはこの前の解剖実習の時に懐へ忍ばせて持って行ったものだ。行きのバスの中で読み、それに加えて帰りのバスの中でも目を向けたものである。  陰翳礼讃の最後を飾るこの文章に影響され、僕はときたま明かりを消す。本を読む手を少し休め、かといって他にすることを考えつかない場合は、瞼を瞑るか、部屋を暗くして目を休ませる。  この方法は、今のところ上手くいっている。現在の日本の街では、街灯があちこちに灯っている。だから、外に出ても明るく照らし出されている道路

          読書記録 陰翳礼讃①