フリースクール活動日記 2024/12/06-狭山湖
12月に入った。受験が迫ってきている。それに合わせて、文体を小論文用のものに変更しようと企てた。
だ・である× する・になる〇(ほとんど。であるを使わないようにすればよし)。「なぜなら・また」などを忘れないようにすることが肝心である。noteの文体とはつまり、接続詞を省略してしまうことに他ならない。また、口語体になってしまっていることも多い。文語体で進行させよ。
今回の行き先は既に、狭山湖に決まっていた。この場所へは昨年も行ったことがあるのだが、それは2月初めのことであった。いまが12月であることを踏まえれば、2年近く前のこととなる。前回からメンバーも一新され、そのほとんどは狭山湖に来たことがないという。そのため、会議にてこの案が提出されると、メンバーの大半が賛成の票を入れた。その票数は余りに多く、そのため私の用意した東伏見稲荷神社へ行くという案は、残念ながら日の目を見ることなく消え失せてしまった。集合場所は最寄り駅の西武球場前駅に決まり、10時30分に集合することも決まった。
そして当日、私は予定通りの時間に集合場所へと到着した。10時13分のことであった。メンバーの大半はこの時の電車に乗ってきたのだが、一部メンバーは未だ到着していない。おそらくうち二名は家を出るのが遅く、また残りの二名は電車の車内音声などを録音していたため、電車に乗り遅れてしまったのだろう。
この日、遅刻による被害が出ることは一度もなかった。集合時間は10時30分であり、遅刻してきたメンバーは、10時33分には到着したのである。わずか三分の遅れなど、すぐに挽回することができる。しかしながらそのためには、全員集合の後、すぐに動かなくてはならない。そのため最後に来たメンバーたちは、可哀そうにコンビニにも寄ることができずに、皆と共に狭山湖を目指すことになってしまった。
昨年は二月の初めごろ、不動寺という所を過ぎて、トトロの森というところに訪ね行った。そこは緑豊かな場所であり、落ち葉に彩られた細道を踏み分けていくと、ただ一棟で、心細げに建つ東屋があった。木の葉に埋もれた土からは、鮮やかな緑の草が顔を出していた。
奥多摩とはまた趣の違った風景であり、枯葉と常緑樹のみの林の中、空き地に佇む東屋を見ればどこか寂しい気持ちを覚える。
この日もまた、この道に従って行くことになり、ひとまずは最初の目的地である不動寺へと向かうことになった。
この天台宗の寺は、江戸幕府第二代将軍徳川秀忠公にゆかりのある地だという。東京都芝公園の近くにある増上寺と、同じような目的によって建立されたものであるのだろうか。しかしながら、徳川家の墓所でもある増上寺と比べると、この狭山不動寺は余りにも小さい寺である。
もしかすると、この場所は寺ではないのかもしれない。この寺の「本堂」が建立されたのは、2001年のことだという。しかしながらその25年以上も前に、「開山」しているのである。
敷地内には、数々の立派な建物が立ち並ぶ。とある大藩の江戸屋敷から移築されたという門をはじめ、台徳院にある徳川秀忠公の御陵から移築されたという絢爛豪華な門に室町時代の建造物など、多くの文化財が所蔵されている。
先ほど私は、狭山不動寺を小さい寺だと書いた。実際、「本堂」は非常に小さい。言い方は悪いがまったく見栄えのしない建物であった。しかしながら、その周囲の建物は、とても素晴らしいものばかりであった。
不動寺を出た後、奈良県から移築されたという桜井門を抜け、狭山湖を目指して歩き始める。この「桜井門」は、天誅組の志士たちとゆかりのある建物であるという。志士という言葉と、「桜」、「門」という言葉から連想されるのは、桜田門外ノ変だろう。よくよく考えれば、フリースクールにて外桜田門へと行ったことは、一度もないように感じる。個人的には「桜田門外ノ変」は、「天狗党」と並ぶ幕末初期の尊王攘夷派の代表であると思っている。故に、一度は行ってみたいものであると話しながら、湖を横目に歩いて行く。
遠方に、一群の水鳥が水面に浮いている光景がある。あれは、どんな鳥なのだろうか。鴨であろうか、鷭であろうか。風の音が湖にひびき、冬にしては暖かい陽光があたり一面を照らし出している。
狭山湖を左手に見る道を進んで行くと、しばらくして道の終わりが見えてきた。その場所から右手側に曲がり、踏みしめられた草藪の中の道を進むとしばらくして、公道に出た。
この場所から次に目指すのが、この日の最終目的地であった「トトロの森」である。その道中の民家にも、トトロは姿を見せている。
その道すがら、堀口天満天神社という所に寄った。名前からわかるとおり、天神様を祀った神社である。神主は不在ということだが、境内はなかなか綺麗な場所であった。傍らには、京都八坂神社の分社なども見える。辺りの木々の様子などもあわせて非常に雰囲気の良い場所だ。
この後「トトロの森」にて昼食を摂り、一時間ほど滞在したのち、解散となった。今年もまた、十二月だというのに美しい紅葉が見られた。しかしながら、これを書いている土曜日には晴天だというのにも関わらず寒風吹きすさぶ、「冬」になってしまった。来週の行き先もすでに決まっているのだが、急激な気温の変化で体調を崩すメンバーが少ないことを祈るばかりである。