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フリースクール活動日記 2024/11/08-つくし野
昨年度、ここに来たことのあるメンバーらに聞きこんでみたところ、池ポチャする可能性が一番高いと予想されるメンバーは、4名ほど。そしてその大部分は、未だにこの場所へ来たことのない、活発な新人メンバーによって構成されていた。彼らは、記憶にも新しいあの「池ポチャ」を何一つとして知らない。氷の張った池に落ちた者、水車に振り回されて落ちた者、横転した盥から放り出されたものなど、数えれば枚挙にいとまがない。そんな池ポチャ列伝とも呼ぶべき代物を、彼らは一度たりとも見たことがないのだ。
10時30分。すずかけ台駅に集合したメンバーの中でも、年長メンバーの顔からは緊張してこわばった様相がありありと見て取れた。無理もない。彼らのほとんどは、毎年ここで起こる転落事故の犠牲者なのだから。もう二度と、あんな体験はしたくない。そう思っていることがありありと見て取れる。
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しばらく歩き、代々の池ポチャ被害者にとっての因縁の地に、到着した。これから起こるであろう不吉な出来事の予兆であるかのように、スタッフが人を担架に乗せての搬出訓練を行っている現場に出合わせた。我々のうちの誰かがあそこに乗ることがないよう、祈るのみである。
さて。今回ばかしは皆も着替えを持って来た。とある歴戦のメンバーの如きは、なんと服の下に水着を着こんできたのである。現地に到着後、いそいそと服を脱いだ彼は水着を着ただけの格好でさっそうとアスレチックの方へと走り去っていった。
さて。はじめの頃のことは割愛しよう。なんといったって、この日の出来事の中心は、水上アスレチックなのだから。もちろんのこと、ここまで話を盛り上げておいて落ちるものが一人も出なかった、ということはない。それどころか、一昨年の大惨事にも並ぶほど、人が落ちたといえるであろう。被害の度合いは、あの時と同じくらいであるから。
まずは皆、順調に遊んでいく。出だしから落ちてしまいそうになったメンバーもいるにはいるが、彼らはみな持ち前の運動神経を使って何とか「池ポチャ」を回避してゆく。
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幸い、転落することはなかったが、彼のここでの必死の抵抗は、後から振り返ってみれば無駄だとしか言いようがなかった。
今日は、誰も落ちそうにない。そう思っていたところで、のっけから不慮の「事故」が発生してしまった。
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当初のあの元気は、どこに行ってしまったのであろうか。もう11月だというのに水着を持ってきて、危ない橋を渡り続けた(文字通り)メンバー、御最後である。
さて。そんな彼がシャワーを借りるために姿を消してしばらくしたころ。誰もが予想しなかったメンバーが池に引きずり込まれようとしていた。
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本人たっての希望で、改名することとなった。ちなみにこのフリースクールには、他にも
「ナス」、「ゴボウ」、「サカナ」、「ソース」など様々な食品の名前を持つメンバーがいるが、その大半は蔑称であることに注意されたし。「サカナ」など、その名の由来は彼が
「死んだ魚のような目」をしていたことからついたあだ名なのだ。
よって、これらのあだ名を用いるメンバーは基本的にはいない。
なお、「サカナ」とは、様々なあだ名を保有していた「龍角散」のことを指す
上の写真の手前にある「タライ」は、例年「池ポチャ」の最有力原因として親しまれてきた。身長・体重共にある程度以上のメンバーは、ここから池に転落する確率が非常に高いのである。そうして今日も、それは起きた。事故に遭ったのは、昨年の、一昨年の恐怖を知らぬ年長メンバー。ハヌマーンである。
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タライから転落し、全身ずぶぬれとなった彼は、先人たちに倣って池の中を豪快に進んで行く。ちなみに、彼の服は運動着というわけではない。彼が着ているのは、移動時からずっと着ていた服。着替えは、ない。上着も含めてすべて、水中に落ちてしまったのだ。ああ、可哀そうなハヌマーン。風邪をひかなければ良いのだが。
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可哀そうな彼らが服を絞り、水を払っている間の転落者はわずか一名。それも、自分から飛び込んだというなんとも狂わしい行動に出た者のみ。これによって「池ポチャ」の被害者は3名となった。その中でも注目すべきなのは、この被害者がすべて中高生の年長メンバーだということ。これによって他の年長メンバーは阿鼻叫喚の様相を呈することとなる。なにせ、ほとんどが池ポチャ経験者だ。次は自分が落ちるのではないかと、懐疑的になったのは言うまでもないだろう。以下、不安の渦に落ち込んでしまった年長メンバーたちの写真。
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ちなみに三枚目は、昨年龍角散が被害に遭った「蛇の輪くぐり」とかいう場所での一枚。池ポチャと並んで、年長メンバーにとっての恒例行事となりつつあるものだ。
このようにして今年も被害者は出たが、年少メンバーがその対象とならなかったのは幸いであった。僕やemmanmo、チーくんやカッパくんなどの中高生メンバーは皆、自分が「池ポチャ」の対象とならずに済んだことに安堵した。来年は、誰が落ちるのか。そもそも来年はここに来るのだろうか。そんな疑問を抱えつつ、疲れ切った体をどうにか動かして、すずかけ台駅にて解散と相成った。来週に備えて、体を休めておかなければ。最近風邪も流行っているようだから、皆さんも体調にはくれぐれもお気をつけて。