諦めと報い。

私のことを全て理解して欲しいと願う。

でも、最近気が付いたんだ。そんなことはできないって。そんなことできるわけないって。

1人の時間、青黒くて、漂う光がゆらゆらと揺れる深海のもっと奥のようなところ。場所。空間。

そこには自分の闇と核があって、それはすごく深くて掘り返して地上に浮かび上がることはない。

そんな宝石のような、グロくて、醜くて、美しいものは誰にも手が届かない。私の深いところに横たわっているだけ。

私でない誰かには理解できない。深く漂う何かを掴み取ることはできない。


ならば、諦めたらいい。私を蝕む何かを捕まえて、手の中で暖めてほしいと願う光を手放したらいい。
私だって誰かのその、生暖かいモノを手に乗せて、可愛がることはしないのだから。


そう、そんな深海のなにがあるからこそ、人は何かを生み出していく。人はみんな何かを抱えていて、それは私だけではなくて、みんな持っているのだろう。

それに気が付いた今。深く深く奥の方にある何か。表に浮き上げて、水飛沫をあげて天高くばら撒けたらなら、それは報われる。

地上の生き物の上から浴びせかけ、それを美しいものとしてほんの一握りの胸の奥に棲み家を作れたのなら、それで私は報われる。

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