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愛がなければみえない [うみねこのなく頃に / Gシリーズ]
「うみねこのなく頃に」と「Gシリーズ」の共通項について。
「うみねこのなく頃に」は、ひぐらしのなく頃にでおなじみの07th Expansionが作ったゲーム。
最近リプレイしました。
「Gシリーズ」は、森博嗣氏のギリシャ文字にまつわるミステリー小説のシリーズ名。
続巻待ってます。
※以下ネタバレ注意(とくにうみねこ)
Gシリーズにおけるホワイダニット
Gシリーズの最大の特徴は、主に『事件の動機(ホワイダニット)』が語られないという部分にある。それどころか誰がやったか(フーダニット)も曖昧で、トリックの仮説は立てても検証(ハウダニット)は行われない。他の一般的なミステリーと違って、探偵役は現場を荒らさないし積極的に推理しないし人の事情に首を突っ込まない。それは一見ホワイダニットを軽視しているようでいて、結局のところホワイダニットを最も大事に扱っているように感じられる。
真実は見えるものだけではないのだから。
もしくは『愛がなければみえない』。
魔法の呪文
『愛がなければみえない』は、うみねこの作中に出てくる言葉。
有名無名問わず、人のプライベートな噂・疑惑・陰謀論などなど当事者でもないのに興味本位で話題にする行為に対して、その言葉は魔法の呪文となりえる。
真実とはなにか
たとえば、真実とか真相というのは、普通は証明できないものです。名探偵が証拠を突きつけ「あなたが犯人ですね」と指摘して、それを犯人が認めたとしても、自白を書き遺して自殺したとしても、「本当かどうか」ということが証明されたわけではありません。(ー中略ー)動機や心情といったことは本人ですら説明できないのではないでしょうか。本当のことはわからない、ということが真実だと思いますし、それが普通だと思います。
上記の森博嗣氏のインタビュー内容は、ほぼそのままGシリーズの探偵役・海月のスタンスとして描かれている。
つまりGシリーズの書き手は、読み手と登場人物に対して情報を隠そうとする意図を示して、最後まで『本当は何があったのか』を確定させない。
これは「うみねこのなく頃に」でも同じで、
書き手=ベアトリーチェ・ゲームマスターの戦人・観劇の魔女
読み手と登場人物=プレイヤー・山羊の悪魔・反魂の魔女
であり、共通して作品の柱となる考えだろう。
反魂の魔女は真実を求めて『一なる真実の書』を開いてしまうが、それは再び猫箱の中に封印される。
愛ゆえに。