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この二ヶ月の所感と備忘録-2





 心地の良い眠気に対する探究は、とても心地よいのです。探究するほど、心地よい眠気に近づいていく。そのまま眠りに付くと、この心地良さは終わってしまうので、そのまま微睡のなかであなたとお話しするのが好きです。
 海を眺めて、深海を夢想するのが好きです。海を眺めて、都会の灯りに隠れた星空を夢想するのが好きです。ここにいても、そこに行くことは叶わない。辿り着けないからこそ、安心して夢想出来る。ここにいて、見たいものを見たいように見ているから、それらは美しさを保ち続ける。
 初めて、海に背を向けて海岸の砂浜を眺めてみました。砂たちは波を写真に撮ったように波打ち、そこにも海はあるのだと知りました。



何ページも費やして綴られた僕らの気分
どうしてか1行の空白を埋められない


 その二ヶ月と、あの2ヶ月と、この2ヶ月で2023も半分経とうとしているようです。順当に行けば、次の満月まで膨らみ続けて、満潮になった満月の次の瞬間誕生日を迎えられます。
 27歳という数字にどこまでの意味があるのか興味もないですが、僕にとっては意味のある数字でもあります。
 たしか18〜19歳くらいの時。おそらく自分は27歳で死ぬのだろうと直感した事があります。それが物質的な死なのか、それとも精神的に産まれ変わる事なのか。それは分かりません。
 けれど確かに直感しています。僕は来月以降、いつでも深く死ぬ可能性がある。抗い続けてもどうしても終わりを迎える。直感はよく当たるのです。僕はその瞬間が楽しみでもあります。
 時間の感覚が直線的でなくなったのは、その頃からかもしれません。前の後ろに後ろがあるのではなく、前と後ろは同時であり、後ろの後ろに前が来てもいいのです。だから、終わりを迎える瞬間も、実は昨日来ているのかもしれません。そしてそれを直線に開いた時、その交点が27歳の自分なのだろうと、そう直感しました。



いつの間にか切れたミサンガ
でもなぜか言えないままだ

 誰かと出会う度、誰かと出会う旅。
その度に、あなたとミサンガを結んで生きてきました。その気持ちを忘れないでと言われた言葉を覚えています。そのままでいてと願われ、そのままでいてと願い出会いを続けてきました。
 それは、弛み揺れゆく波に向かって小石を投げて、見えないほど僅かに、それでも確かに刹那として産まれる波紋のようなものなのだと思います。いつの間にかその約束を果たしたのか、それとも破ったのか、そんな事は問題にならない場所に来ました。
 伝えることばかりに気を取られ、主張し発散する事に酔って、受け取る事を忘れていた。そうか、届けるとは受け取る事なのだ。そう気付いたのは、この新月のことです。

 僕はあなたのような人を見つけると、「大丈夫、大丈夫」と言うようになりました。ここにいる、俺だけはここにいる。それを伝えたいからです。つまり、彼らから何か特別なものを受け取ったから、僕はそれを返したくなるのです。

「もう少しだけ頑張れ、少しずつ君のセカイに誰かが気付くから。俺は最初の1人目だよ」
「俺のことなんて忘れてしまえ。忘れるほどあなたの周りには現れるから」


笑っちゃうよね。

やっぱり、僕はあなたの弟子。
「孤独だよ。それを臨んだのだから」


笑ってしまえ。


ねえ今日も変わらない今日だ
本当どうかしてるみたい


笑って、しまえ。
クローゼットにある、あの宝箱にでもさ。


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"青い栞"
Galileo Galilei

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