やらないで後悔するより、やって後悔したほうがいいって言うよね?
引用した「涼宮ハルヒの憂鬱」に登場する朝倉涼子さんの言い分については刃物を持って主人公を襲うシーンであるため本質とはかなりズレている可能性があるとは思うが、私はこれを「大切にしている教え」だと認識している。
涼宮ハルヒと出会うよりも以前、海外留学中に出会った一つ上のお姉さんに似たことを言われその日から行動が変わった。
というのも、留学生というのは海外生活において毎日必ず何かしらの取捨選択を迫られる。いや、日々が取捨選択の連続だというのは今は置いておいて。私の知る限り、ホストファミリーというのは留学生に必ず何かを誘ってくるのだ。例えば毎日のお祈りだったり週末のお出かけだったり、日本人の「行けたら行く」が通用しない英語圏ではYesかNoだ。
私は毎日悩んでいた。週末にやれパーティーだのやれドライブだの誘われる日々に、断ったら申し訳ない…とか行ってみて蚊帳の外だったらどうしよう…と、今なら迷わず「行く」選択肢でも当時は悩める留学生(10代)だった。
そこで「行くか行かないか悩んだら行ったほうがいいよ」と言葉をかけてもらった。「行かなきゃよかったってことにはならないから」とも言われた。
実際、そのお姉さんはとてもフットワークが軽く社交的で、だからこそ英語にも長けていて友人も多かった。今でも交流があるが、世界中に友達を作るような凄い人だ。
「行くか悩んだら行く」。私はそれを実践することにした。
すると、行く先々で楽しい思い出ができ、ホストファミリーとは以前よりもさらに仲が良くなった。会う人みんなが私を歓迎してくれて沢山話をしてくれた。それに伴って私も英語を喋れるようになった。
「あなたを誘ってよかった」と微笑むホストマザーの顔を見て、これまで「No」と答えた時の寂しげな表情がよぎり申し訳なくなった。
その日から今日まで私は「行くか行かないか」を問われたら「行く」ということにしている。確かに後悔したことはほぼ無い。瞬間的にはあるかもしれないが、振り返ってみるとどれもいい経験の一つになっていると思う。
「なければ作ればいいのよ!」という涼宮ハルヒに影響されて部活を作ったのも「やらない後悔よりやる後悔」という言葉があってこそだったと思う。涼宮ハルヒは人生。
なので私が誘われてNoと言う時は本気でその日予定があったり絶対に家にいたいとかなので、気軽に誘ってください。行きます。