5歳の息子と縄文土器を見に行ったが…
■きっかけは「びじゅチューン」
先日、平日に休みをとって、5歳の息子ともに十日町博物館に行った。
お目当ては、国宝「火焔型土器」に会いにいくためである。
私の趣味ではなく、息子から出た「火焔型土器」である。
というのも、私の息子、NHK Eテレの番組「びじゅチューン」に大層ご執心であり、お盆も人に会うたびに「布教」してまわっていた。
美術作品をみれば「これは、ベラスケスがかいたんだよ」だの、「この絵はオルセー美術館にあるんだよ」だの、知識をひけらかせるだけひけらかしまくっている。周りの大人達も「よく知ってるね~」と言ってくれるもんだから、本人は上機嫌。まあ必然的に、私達両親も興味をもち詳しくなっている。
「ああ、これが、電車とか恐竜とかにハマるあれなのね~」
と思う今日このごろ。
そういうわけで、「縄文土器先生」(fromびじゅチューン)でおなじみの「火焔型土器」を見に、新潟県十日町市へと向かった。
■十日町へGO!
数日前から「水曜日は、火焔型土器だね」とご機嫌な息子。保育園の先生にも「明日は火焔型土器なんだよ」(←なんのこっちゃ)と言っている始末。
とはいえ、元来旅の類が好きな私。無論ワクワクしていて、行きの車で見るためのDVDを楽天で買ったりもしてみる。(このDVDもまたびじゅチューンである)
行きの車では、案の定こちらの狙い通りびじゅチューンのDVDで楽しみながら移動。途中、道の駅に寄ると、大きな火焔型土器(もちろん本物ではない)。
「あったー!」と息子。
「ちがう、これはニセモノだぜ。本物はまだまだお楽しみ。」と私。
そんなこと言いながらアイスを食らう二人。
■ついに…。しかし…。
DVDが2周ほどしたあたりで、十日町博物館に到着。
2020年にリニューアルされたらしく、とてもきれいな博物館である。
浮かれて入り口のベンチで写真をとる二人(私と息子)
「あ、火焔型土器!」と息子。
「いいや、あれはただのTシャツだぜ。本物はもっと奥だ。」と私。
ミュージアムショップを横目に中へと入る。
縄文土器関係だけでなく、雪国の暮らしや縮産業のことも学べる、めっちゃいい博物館で私は興奮した。これは最高だぜ。
しかし…
「もう帰るわ…」と息子。
ちょっと待て、まだ火焔型土器を見ていないぞ。一体どうしたんだ?
「こわい、人形…」と息子。
どうも、博物館内に点在している「暮らしを再現するための人形」が恐ろしいとのこと。確かに、こういう博物館の人形ってやけにリアルだし、怖がる気持ちもわかるが…せっかく来たのに?
一旦、自販機でジュースを買ってロビーで飲み、仕切り直して内部へ向かうが、断固「NO!」の息子。最終的に、私に抱えられながら、ちらりと「火焔型土器」を見る。私も少し見る。
この空間にいた時間、30秒ほど。
その後ミュージアムショップでお土産を買って、車に戻る。
近くのラーメン屋で食べたつけ麺は美味しかった。
■まとめ
勘違いしないでほしいが、私は今回の旅を失敗だとは思っていない。
一瞬だけ縄文土器を見れたし、つけ麺も美味しかったし。
「けっこう長時間も運転し続けたのに、実りが少ないだろ」と思わなくはないが、「これはこれでいいじゃん」と思っているのも事実である。
大学生のときに旅のスケジュールを詰め込みまくっていた私からするとえらい成長?である。
その「執着」的な感情が、少しずつ薄くなってきている30代。
それが少しさみしくもある。
息子はDVDに付属していた「びじゅチューンすごろく」に今はご執心である。
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