コロナ禍。ブランドのSNSの発信内容にお困りのご担当者さまへ‐5つのアプローチ。
おはようございます、アメマ速報の清水です。
COVID-19の状況下で、様々な人的影響、経済的影響が出ています。ブランドのマーケティング活動も、消費者の購買行動やライフスタイルの劇的な変化によって、大幅に変わってきています。
今、コロナ時代におけるオンライン上でのブランドの活動は、コロナ時代以前よりも、ある意味重要な役割を果たし、適切なメッセージ発信が必要とされています。本記事では、アメリカでのトレンドを参考に、インスタグラム上のコミュニケーション方法の方向性を5つ、ご紹介します。
コンテンツのトレンドが変容
アメリカでは、コロナ前をBefore Corona / BC、コロナ後をAfter Corona / ACと称して、BCとACの違いを論じる記事をよくみかけますが、ここでは「コロナ前」、「コロナ後」と記載します。コロナ前には投稿コンテンツのアイディアにも入らなかったポストが、コロナ後に投稿することで通常の何倍ものライクやコメントへと繋がったり、コンテンツのトレンドが明らかに変わったことがわかります。
Michael Korsの例
例えば、アパレルブランドのMichael Korsのインスタグラムアカウント(1610万フォロワー)の変容。変化が起きたのは、3月20日から。それまではブランディングやマーケティングに最適な「クールでかっこいい」ファッション雑誌のページを眺めているかのような投稿が続いていました。ですが、3月20日の投稿では、なんとデザイナーのマイケル・コースが登場し、料理をしているではないですか・・・!その後も、飼っている猫と一緒に洗濯中の様子を投稿したり、家での過ごし方について話したり、オーディエンスが元気づけられる投稿ばかり。その結果、コロナ前の投稿よりも多いライクやコメントを獲得。
▼3月20日までのインスタグラムの投稿
▼3月20日以降のインスタグラムの投稿
(出典:Michael Korsインスタグラム)
インスタグラム上でのメッセージ発信の重要性
インスタグラム上でのファッションブランドとよく一緒に仕事をしている、著名なバージニア・ナム氏は、「多くのブランドがコロナ後コンテンツ(AC Content)へと移動するのに成功している」「ブランドがインスタグラムを通し様々な繋がり、教育、コミュニティーを築くことができ、大切な役割を果たしている」と話しています。
日中、事務所や仕事場にいる代わりに、ほとんど家で過ごす新しい世界。ストリーミングによるビデオ視聴はもちろん、ソーシャルメディ上のビデオやライブの視聴率がグンと伸びています。なんと3月中旬から7割も増加しているというデータも出ています。
ブランドがインスダグラムのコンテンツを変える5つのアプローチ
前置きが長くなりましたが、これを踏まえて、ブランドはどう有効的にインスタグラムでのブランディングを変えていけば良いのでしょうか。
最近、様々なブランドで主流になってきているのは、ヘルスケアコミュニティーのサポート提供、人種差別や排外恐怖症の増加に対する発言に対するサポートのメッセージ、心身の健康を改善する方法、および疾病管理予防センターやWHOからのコロナウイルスに関するメッセージを強調するなど、です。
各ブランドはそのブランド自身にあった内容をよく考え、行動をとるべきだと言われていますが、大きく5つのアプローチをご紹介します。正解は一つ、というわけでなく、これまでの成功事例を見ながら様々な選択肢を考え、各ブランドにあった方法を生み出していくのがポイントです。
①認める - “Acknowledge”
・はっきりとブランドの状況を正直に伝える
・チャレンジや厳しい状態にいれば、しっかりと伝える
・オーディエンスからの行動を望むのなら理由をちゃんと伝えてから、参加を求めるのがベスト
②聴く - “Ask”
・ブランドに何をしてほしいか、フォロワーに直接聴く。エンゲージメントの面だけでなく、この情報はどうブランドが将来に進化していけば良いのか長期的にも役立つ。
・インスタストーリーでポールや質問ステッカー、ポストでのフィードバックコメントを有効的に利用する。
例:Glossier(人気スキンケア・化粧品ブランド)が子ヤギが椅子を食べているビデオをインスタに投稿し、フォロワーに対して、このコロナの状況を踏まえ、何をブランド側からポストしてほしいかを聞ききました。すると、なんと270,000回のビューと850個以上(通常の何倍も多い)のコメントを得ることができました。
③エンタメとインスピレーション - “Entertain and Inspire”
・親密な会話やパフォーマンスを主催する。
・パーソナル感を出し、インスピレーションを得てもらえるようなコンテンツを作る
例:前述のMichael Korsがその例。デザイナーやブランドマネージャーがが個人的なビデオを使ったり、ビデオ・ライブチャットをするのは有効的です。
④オーディエンスによりそう - “Lean Into the Moment”
多くの人がコロナにかかり苦しんでいますが、かかっていない人々の生活にも影響が起きています。みんなが新しい生活に慣れようと必死であり、悩み、悲しんでいます。
・そんな状態をより良くするために、ブランドが様々なサポートを行う。
・視聴者の「ウェルビーイング」を改善する。
例:イギリスのVogueが毎週ワークアウトビデオの投稿を開始。通常のビデオよりもビューが多い。
⑤支援・寄付する - “Do Some Good”
・ブランドのプラットフォームを使い、今求められている大事なムーブメントや組織を支援・寄付する。
例:
‐ Michael Kors、Armani、Chanel、LVMH、Moët、Hennessy、Louis Vuittonなどが寄付したとニュースに。
‐Ford、GE、3M が工場と協力し、必要とする人工呼吸器を作り始め、多くの人に仕事を与えました。
‐アルコールブランドDiageoやAB InBevが一時的に消毒液を作り販売し始めました。
※これらのブランドは氷山の一角で、多くのブランド、企業が様々な機関や団体を支援しています。
コロナ禍の時代。どのようにより多くのお客さんを引きつけ、感動させるか。今までにない創造力、クリエイティビティ、またオーディエンスによりそう力が、重要になってくるでしょう。
参考・出典 1
▼お問い合わせ先
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アメマ速報チーム 清水・近藤・齊藤
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