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ブカレスト留学 Week9-トランシルヴァニアとハンガリー系住民

 金土日の週末を使って、Bucharest から飛行機では1時間ほど、電車では10時間ほどのトランシルヴァニア最大の都市Cluj-Napocaに行ってきました!今回はどうしても参加したい踊りのイベントがあり、それはすでに木曜日から始まってしまっていたので飛行機を使いました。Cluj-Napoca観光の様子をお届けしますね!


Cluj-Napocaの街並み

 ClujはBucharestと比べてかなり北の方に位置する都市なのでかなり寒いです。空港に降り立った瞬間から凍えていました。初日は1日中雪が降っていてアメリカーノが1L飲めそうでした。空港から街の中心部への移動は、バス1本で行くことができました。

 Cluj-Napoca素敵なところは、本当に可愛らしいドールハウスのような街並みです!!ものの数分で恋に落ちました。どの建物も凝った装飾と鮮やかな色彩で彩られていて、ただ建物を見て回るだけでうきうきしました。建物の造り自体はBucharestのOld Townの建築と少し似ているのですが、Bucharestの建築はシンプルな色使いなので、かなり街の雰囲気が違いました。

ルーマニア正教会の大聖堂
ルーマニア正教会の大聖堂(反対側)
内部

 ハンガリー系の住民が多いトランシルヴァニアの最大都市なので、街中を歩いている人々の中にもハンガリー系の装いをした方、例えばマダムは頭にスカーフを巻いていたり(ロマの方もスカーフを巻いているのですが、ロマの方とはスカーフのデザインや巻き方が異なります)、男性は白い口ひげを蓄えてシルクハットをかぶっていたりする方を見かけました。また、ハンガリー系住民にはカトリックが多いので、Bucharestではなかなかお目にかからない大きなカトリック教会もありました。ただ、Clujは、人口的には圧倒的にルーマニア系の方が多い都市です。

聖ミカエル教会(カトリック)
聖ミカエル教会の内部
カトリック教会の前のクリスマスマーケット

ハンガリー料理

 Bucharestではほとんど目にしないハンガリー料理のお店もありました。例えば下の写真のお店は、クルトシュ、ランゴシュというハンガリーのストリートフードのお店でした。

クルトシュ、ランゴシュ専門店
クルトシュのオブジェ

 これはBucharestでも不思議だったのですが、なぜかフェスティバルやクリスマスマーケットのような臨時イベントでは、ルーマニア料理よりもハンガリー料理の屋台が多いです。特別なイベントだと特別な食べ物が食べたくなるのでしょうか。

クリスマスマーケットのクルトシュ屋さん
中は空洞、その場で焼いてくれる

 クルトシュをハンガリーに留学している友だちにおすすめされてからずっと食べたくて、12月のハンガリー旅行まで我慢しようと思っていたのですが、ついに欲求に負けました。Clujなので許されたいです。

珍しいラズベリー味

 友だちによると定番はシナモンやチョコ味らしいのですが、「赤い」味に目がない私はラズベリー味を選んでしまいました。甘酸っぱさが最高でした。その場で焼き上げてくれて、最後にラズベリーシュガーのトレーに転がして、出来立ての熱々で提供してくれました。雪に降られて凍えながら食べたほかほかのクルトシュ、今までに食べたお菓子ランキングのどこに入るかを真剣に考えるほど感動しました。例えるならば、外はカリッと中はモチッと、クロワッサンよりもややお腹に軽くてもちもちの生地をバームクーヘン状に焼き上げた、永遠に食べられてしまいそうなお菓子です。街行く人も1人1本抱えるレベルで歩きながら食べていました。

パプリカーシュ・チルケ

 2日目に行ったMikóというハンガリー料理のお店が、あまりにも美味しくてお手頃価格で店員さんも雰囲気も良かったので、3日目も行ってしまいました。パプリカーシュ・チルケは、ダンプリングの上にパプリカパウダーやサワークリームを使用した骨付き肉の入ったシチューをかけた料理です。グヤーシュは牛肉のスープでこちらもパプリカパウダーを使用しています。紫オニオンと一緒に食べるのが最高と店員さんに教えていただきました。

店内の様子
グヤーシュ

街を一望する展望台

 街全体を見渡せる展望台からの風景が絶景でした。

ハンガリーアイデンティティを形作るtáncház

  私がなぜCluj-Napocaに来たのかというと Kolozsvári Népzene- és Néptánctalálkozóというハンガリー系の踊りのイベントに参加するためでした!私はフォークダンスにお熱なのですが、日本にいるときからトランシルヴァニアのハンガリー系の踊りが大好きで、実はルーマニアに来たのもトランシルヴァニアに来てハンガリー系の踊りのパーティーであるtáncházで踊るためでした。

住民による舞台の様子

 毎年11月のこの時期に木金土の3日間に渡り開催される、Cluj-Napocaのハンガリー系住民と組織による文化的なイベントです。日中は催しや舞台、夜はtáncházという直訳すると「踊りの家」という意味のパーティーが開催され夜から朝まで踊ります。私は2日間táncházに参加でき、2日とも気づいたら朝の6時まで踊っていました。

伝統的なアクセサリー
首飾りや耳飾り
踊り用のスカート
táncházの様子

 このtáncházというイベントは、ハンガリー系の人々のアイデンティティと深く結びついています。当時は共産主義下にあった1970年代のハンガリーのブダペストで始まったtáncház運動は、トランシルヴァニアの音楽や踊りを教え楽しむところから始まり、1980年代にはハンガリー国民のトランシルヴァニア流入やルーマニアとの外交問題を引き起こすほど大きな、ナショナリスト、ポピュリスト運動としての側面を見せるほどになり、ハンガリー国民としての意識を醸成に寄与しました。
 táncházがあまりにも楽しかったので、ほぼ写真がありません笑。ハンガリーとの国境に近い村から来ている女の子たちや、Clujの大学生と友だちになりました。ルーマニア国内であるのに、このイベントに参加していた2日間はハンガリー語に囲まれていて、ルーマニア語が聞こえると安心感を抱くほどでした。
 

 夢のような素晴らしい時間の余韻から抜け出せず、Bucharestに帰宅してハンガリー語の勉強を始めてしまいました。ルーマニアに来た当初はルーマニア語の勉強だけで手一杯だと思い断念したのですが、今は、次回táncházに参加するまでにハンガリー語を少しでも理解できるように、ルーマニア語・ハンガリー語間の勉強をしています。


 Cluj-Napocaの様子、いかがでしたでしょうか。私のフォークダンス熱も露呈したところで今回は締めさせていただきます。お読みいただきありがとうございました!!

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