映画のすゝめ:『インサイド・ヘッド2』(2024)100分※全文無料
はじめに
大人の皆様、どんな思春期をお過ごしでしたか?
中高生の皆様、どんな思春期をお過ごしですか?
思春期とは子どもが大人になる過程で最も重要な時期です。
子どもが大人になりつつある、でもまだ大人ではない。
子どもながらの未熟さを残しつつ、精神的に急成長を遂げる、とても不安定な時期です。
大人の皆様は思春期に抱えていた悩み、やってしまった恥ずかしいこと、沢山あることでしょう。
かくいう私も思い出したくもない思い出や、今思えば何であんなことで悩んでたんだ?ってちっぽけな悩みが沢山ありました。
でもそれは私という人格を形成するうえで、とてもとても大切なことだったんです。
今日ご紹介するのはそんな思春期を迎えた女の子のお話『インサイド・ヘッド2』です。
1作目で幼子だった女の子は一体どんな風に成長したのでしょうか。
では、予告編はこちらから。
あらすじ
中学生になったライリーは文武両道。
特に大好きなホッケーでは、親友2人と息のあった名プレーを繰り広げていた。
ある日、ホッケーの試合を見に来ていた名門校の監督に、3人ともぜひ合宿に参加してほしいと声をかけられる。
ヨロコビに手を取り合う3人。
このまま順調にいくかと思われたライリーの高校生活。
しかし彼女の中では新たな"感情たち"が芽生えていた。
思春期を迎えたライリー。
自分の変化に戸惑いつつも、親友たちといれば大丈夫。
そう思っていた。
そして合宿当日。
ライリーの両親の車で会場へと向かう3人。
その車の中でライリーは親友たちから衝撃の告白をされる。
「私たち違う高校に行くの。」
驚きを隠せないライリー。
さらには会場ではずっと憧れてたホッケー選手ヴァルに声をかけられ仲間に入れてもらえることに。
果たしてライリーは合宿期間中、親友たちと過ごすことを選ぶのか、はたまたこれからの未来のために親友たちを見捨ててヴァルたちを選ぶのか。
ライリーの頭の中では、メンバーの増えた感情たちが大暴れするのだった。
感想※ネタバレ有
前作は幼い子供にとって感情がどれだけ大事なのか、
その感情を大人はどれだけ大切に育ててあげれるか、と大人に向けたメッセージメインの作品でした。
今作は思春期を過ごしてきた大人たち、そして今まさに思春期を過ごしている若者たちに向けた作品です。
なので、前作があまりはまらなかったな……と思った人も、ぜひ今作は観てほしいのです!
私にもこんな時期あったなぁって、どこか恥ずかしくも懐かしく思える作品となっています。
特に新しく増えた感情の"シンパイ"
ライリーに悪いことが起こらないように、事前に全ての不安要素を取り除けるように奮闘するのですが、最初はうまくいっていても途中から空回り。
私たちにも覚えがありますよね。
こんなことするはずじゃなかったのに、こんなこと言うはずじゃなかったのに。
さらには周りと合わせるために、周りに変だって思われないために自分の好きなものを好きじゃないと言ってしまう。
ライリーは親友たちと一緒にライブにも行って、大好きなはずのバンドをヴァルたちに否定されたことで、好きと言い出せず、さらには一緒になって馬鹿にしたりもしちゃいます。
好きだったはずのものがなんだかいきなり恥ずかしくなる。
好きなはずなのに。
大人よりも思春期の子どものほうが同調圧力が強いですよね。
周りと同じものを好きじゃないといけない。
周りと同じものを嫌いじゃないといけない。
人と違うことは変。
そうやって今まで作られてきた自分が突然否定される。
そうして自分自身が分からなくなる。
分からなくなるから周りに合わせて即席て"自分"を作り上げるけど、本当の自分じゃないから上手くいかない。
作中でも自分がわからなくなったライリーは、シンパイに心を支配されて、周りからの期待と圧力で息ができなくなります。
そんなライリーを救ったのは誰でもない親友の2人。
ライリーがどんなライリーでも受け入れてくれる。
いつでも受け入れてくれる人達がいること。
でもそうやって思春期の間に、自分と他人は違うこと、自分の好きなものを否定される辛さ、自分の好きなものを他人に押し付けることがなぜだめなのか、人の好きと嫌いを尊重すること、そして自分自身の好きと嫌いを大事にすることを少しずつ学んでいくのでしょう。
そうやって自分の好きと嫌い、自分の良いところ、だめなところ、それが集まって大人の自分が形成されていくのです。
良い子ちゃんだけの自分も自分じゃない、と同時に駄目なところだけで自分はできてない。
だって人は完璧じゃないから。
今作で新しく増えた感情で私が一番好きなのはハズカシです。
恥ずかしくなるとフードの紐をぎゅっと引っ張って顔を隠す仕草がとても可愛いですよね!
皆さんの好きな感情はどの子でしょうか。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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