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とあるデザイナーの #ローソンPBに思う
こんにちは。ローソンのプライベートブランドが話題になって数日経ち、もはや落ち着いている気がしますが、今更ながらタグを見ていて思ったことを書こうかななんて思い、noteを開いたどこにでもいるしがないデザイナーです。
ローソン、皆さんは行きますか?
わたしはわりと行きます。
多い時には毎日行きます。
好きな商品は、枝豆が入ってるおにぎりです。
チーズが入っていたり、もち麦だったり、季節ごとに変わります。
今は4種の青菜が入っているらしいです。
最高じゃねーか。今度買いたいと思います。
■わたしのコンビニスペック
さて、本題のローソンPBについて。
そのお話をする前に、わたしのコンビニスペックをお話ししたいと思います。
・雨飴的コンビニ利用ランキング
1位 ローソン
2位 ファミマ
3位 セブンイレブン
4位 ミニストップ
なお、利用頻度に関しましては、ローソンが8割、ファミマが1割。セブンとミニストップは半年に1度くらいしか行きません。
・バイト経験アリ
何を隠そう学生時代2年ほどファミマでバイトしておりました。
といっても大昔なので、今とはいろいろ変わっているとは思いますが。
ファミポートはバリバリ使われいましたが、外国人の店員さんは珍しかったかと思います。たぶん。少なくとも今みたいに8割外国人では? みたいなことはなかったです。
以上がわたしのコンビニスペックです。
■コンビニ選びの幻想
みなさんはコンビニを何で選びますか?
商品? 接客? イメージ?
わたしは断言します!
人がコンビニを選ぶ理由、それは絶対に「立地」です!!!
これはわたしがバイトをしていた店舗のせいかもしれませんが、
店長や社員というのは、充実した商品や接客、清潔感などでコンビニを選ぶという幻想をいただいています。
しかし!!!!
コンビニは9割5分立地で選ばれていると言っていい!!
みなさんもそうじゃないですか!?
家から近いから、駅までの道にあるから、会社の近くにあるから。
絶対それで選んでますよね?
一番近いファミマじゃなくてセブンに行くのはチケットの発券の時だけですよね?
その他の要素は、最も都合がいいコンビニに著しく劣る何かがある場合に初めて関わってきます。
たとえば、商品選びの趣味が合わなくていつもほしいものがないとか、店員がめちゃくちゃ感じ悪いとか、なんかいつも汚いとか、入り口にヤンキーが溜まってて怖くて入れないとか。
そういう懸念材料がなければ、基本的に立地だけで選んでいるはずです。
とはいえ、立地以外がどうでもいいかと言ったらそれもまた違うと思います。
なぜなら全く同じ条件のコンビニが2つあった場合にそこで優劣がつくからです。
就活の時最後の1人を選ぶときのアレです。
と、まぁこんなことはおそらくコンビニ本社の皆さまは自覚しているんだろうと思うので、何も苦言を呈す的なことではなく、言いたかったから言いました。スミマセン。
さて、では今度こそ本題へ移りましょう。
■#ローソンPBに思う 商品開発について
わたしは商品開発とかはやったことがないので、あんまり詳しいことはわからないのですが、
今回のローソンPBの炎上やら指摘やらは、正直作り手側は想定内だと思ってます。
ローソンなんて大企業の商品開発チームが、素人が思いつくようなことに気づかないわけがなくて(プロですから)
これはプロが作り、素人が判断するデザインにありがちな構図です。
素人からの指摘に「いや、んなことわかってるわ。わかった上で他の要素の方が大事だから取捨選択してこうしてんだわ」っていうことは往々にしてあります。
赤字を見ていい物を作ろうというやる気が皆無になることなんて日常茶飯事です。(めんどくさい時は戦わずにいう通りにして結果が悪くても知らんになる)
あと、複数案から意図を持って選び抜かれたデザインであること、
そして、モニターに見せてフィードバックを取って反映した上でこうなっているであろうということ。
この2つも忘れちゃいけません。
プライベートブランドですからね。
自社の顔とも言える商品ですから、相当な思いと力を掛けて作った物だと思います。
と、その上で思ったことを書いていきたいと思います!
■#ローソンPBに思う 無印み
話題になって最初に思った感想が「なんか無印っぽいな」でした。
無印良品のカレーとかバウムクーヘンとか、あのお菓子&レトルトゾーン。
あの風景を思い出しました。
デザインの色味といい、全部揃ってるところといい。
てわけで比べてみた。
糖質10g以下のカレー キーマカレー 150g(1人前)
1/2日分の野菜が摂れるカリー 185g
いかがでしょうか?
まぁ正直思ったより似てなかったんですが(笑)
空気感は近いのかなと思いました。
コンビニが無印に近づけるというのは、結構ブランド的に強気だなぁという印象です。
無印の方がコンビニより明らかにターゲット狭いですからね。
無印は、無印のあの感じが好きな人に向けて商品を作っているけど
ローソンは、否応なしに市民全員をターゲットにしなくてはいけない感じがあるので
強気だなぁという印象を持ちました。
機能性にあれこれはあると思いますが、
わたしはシンプルなデザインと落ち着いた色味そのものは好きです。
■#ローソンPBに思う 色の視認性について
視認性。
正直これについては、うんまぁね……という気持ちです。
人間、右脳と左脳どっちが強いかみたいな話があると思うんですね。
これの信憑性を疑う声が根強いのは今は置いておいて。
今回のデザインはシンプルにこだわるあまり、左脳頼りになってしまったなという感想です。
絵じゃなくて文字で見せるデザイン。
これって左脳でのインプットに強い人にはすんなり入ってくるじゃないでしょうか?
ちなみに雨飴はこのような事件を起こすほどの右脳人間です。
#ファミマ の #しびれる辛さ冷し辛味噌まぜそば のデザインした人誰?!
— 雨飴えも🐻朗読台本配布中!無料です🙆♀️ (@candy_rain_emo) July 13, 2019
だめ!これは水色のパッケージにしていい辛さじゃないからまじで!!!
半分ぐらいさよならしちゃったよバカ!赤か黒だろまじで!!唇痛い。。
サラリーマン総研さんお写真借りますごめんなさいhttps://t.co/C6lVkvip61 pic.twitter.com/nWjjOpxd1r
めためたもんくいってるやん( ˙-˙ )
まぁわたしの態度はさておき、これを見て肉味噌的な麺かなぁと思って買って帰り食べて無事死んだという事件です。
こうやって見るとね、思いっきり「しびれる辛さ」って書いてあるんだから読めよと言われるかと思うのですが
連日残業の深夜23時ですよ。もう10時間は何も食べずに仕事して、くたくたになってたどり着いたファミマで、商品名なんてきっちり見ません!
ずらら〜っと似たような商品が並ぶ中、もう何も考えていない屍が、そんなの読むわけないじゃないですか。
でも、コンビニで商品を選ぶ時って基本そのくらいだと思うんですね。
だからこそ、「色」の重要性に気付かされました。
特別な目標のものがないお客さんはほぼ無の感情でなんとなく商品を選んでるんですよ。
吟味するような場所ではない。
余談ですが、ファミマのこの水色に関していうと
おそらく「冷たい麺」を表現していたのだと思われます。
でも、それだけじゃ…くぅ…!!
では、その点から見るローソンPBはどうか。
全部同じ色ーーーーーーーー!!!!!
これは結構大きな問題点だと思いますし、
逆にしっかり読まないとわからないような仕掛けになっているという説もあります。
少なくとも水色だから辛くないという判断はしないですから。
一手間あるけどね。
色で言うと、牛乳のベージュの上に白い絵に関しては、おい正気かって感じではあるのですが。
(ローソンのロゴ、青地に白いミルクタンクなんだから何かもっとあっただろう!? そもそもミルクタンクって銀じゃない? もうこれならいっそ牛にしよう! 乳牛の絵)
正直実際に物を見たわけではないので、なんとも言えませんが、写真でこれだとおそらくご年配の方とか目があまり良くない方には絵なしに見えると思います。
他の商品のマットな絵に揃えてオシャレ感出したかったデザイナーの気持ちは痛いほどわかるのですが、これはさすがに何かもっとあっただろうと思いました。
後に出しますが、嗜好性としてはターゲット内なのに、身体的なことでそこに入らない層は見逃していいのかい? という話です。
■#ローソンPBに思う 文字情報について
続いて文字について。
わたくし今回のデザインは、商品のパッケージというよりすごく紙面的なデザインだなという印象を受けております。
フォント選びとバランスでしょうか。
タイトルがあって、リード文、見出し、本文があって、キャプションがある、みたいな誌面的な序列を感じたんですよね。
もちろん一般的なパッケージデザインにも序列はあると思うんですが、それより差が少なくて、数が多いのかもしれません。
フォント選びもすごくファッション誌っぽさがあります。
かわいくて読みづらい。
視認性については明朝より圧倒的にゴシックの方が高いので
こういうユニバーサルデザインを考慮に入れないといけない商品については
おそらくゴシックを使うことが多いんじゃないかなぁと思うのですが、なぜか明朝体。
そこで上の無印良品カレーが生きてくるわけなんですが!
無印の方はゴシックなんですよね。
わたしとしてはここはゴシックの方が良かったのでは? と思います。
特に商品名は安定のゴシックがいいと思うんですよね。
明朝も好きだけどね。とくにこれ系のフォントは。
■#ローソンPBに思う 意図とバランス
色と文字について書いてきましたが、もしかしたらバランスが違えばすべてこのままでいけちゃうのではと個人的には思っています。
今回、余白の美学を狙っているのだろうなというのが明白なデザインですよね。
おそらくこの余白に、心の余裕とかゆとりとか穏やかさみたいなものを詰め込んでるんじゃないかなぁとも思うわけです。
これ、わたしは見れなかったのですが、
「手土産として持っていける」ことに重点を置いているとしたら
その余白は意図的なんだろうなと思います。
■#ローソンPBに思う 店内
そして最も大事であろう店内での印象です。
正直これにより今まで話したことはすべて覆ります。
さっき一度ローソンに寄ったのでその時の率直な感想。それは…
「目に入らなくてもいいのかもしれない……」
コンビニにはたくさんの商品が並んでいます。
当然PB以外の商品もある。むしろその方が圧倒的に多い。
つまりローソンは、PBですべての人をターゲットにしようだなんてこれっぽっちも思っていなくて
ターゲットは、これをわざわざ求めて買いに来た人、なんだろうなと思いました。
このターゲットから外れた人は、他の商品でカバーする。
それで十分利益が出るから、PBを求めない人は一般の商品を買ってね! ということなんだろう。
それですべて網羅できるんです。
ローソンには、ナチュラルローソンとローソン100っていう別形態? のお店があるんだけど
今回のPBは、ナチュラルローソン的な戦略なのかもしれないなと思いました。
正直ナチュラルローソンには、もっとわかりづらくてもっと手に取り難い商品がわんさか並んでるし、なんならちょっと高いけど
それでも、ローソンじゃなくてあえてナチュローを選んでる客層には、きっとあれこそが正解なんだろうと思います。
だからナチュローは撤退しないのだろうし。
なんだろなー。ユニクロにアローズの服置いたみたいな感じだろうか。違うか。
(男女ともにわかるちょっとだけ高いブランドがわからない……)
だから戦略的にも、顧客サービス的にも、実は排他的で問題ないのかもしれないな? というのが店内を見た感想。
ちなみにわたしは、安定のシャキシャキレタスサンドを買って店を出ました。
■#ローソンPBに思う 今後の展開
繰り返しになるのですが、わたしは商品開発をしたことないので的外れかもしれないのだけど、
このあともローソンPB ver1.5みたいな小さなモデルチェンジをしながら固めていくんじゃないかなぁと思ったりしている。
コンビニに限らず商品って結構いつの間にか地味に変わってることあるし、
このローソンPBも知らないうちに地味に変化していきながら、
今回のリニューアルを固めていくのかなぁなんて思っています。
今回炎上まがいな騒ぎになったものの、
それこそこうやって話題になったことで開発側としては、はぁ? なクソ意見に遭遇しつつも、なるほどver1.1に反映しようって意見と出会うきっかけになったりしているのではないかなぁと思う。
そういう意味でも、この偏ったターゲット戦略はよかったのかもしれない。
単に見ていて面白かったのもあるけど。
ただ、デザイナーを晒すみたいな恥ずかしい行為はそろそろやめないか、とは思った。誹謗中傷がトレンドワードになってからまだ1週間やそこら……忘れるのが早すぎるな!
というわけで今回思ったことはこんなところです。
正直求めていたものとは違ったかもしれませんが、お付き合いいただきありがとうございました!
最後に今わたしが気になっているローソン商品を見ながらお別れしましょう。
さよ〜なら〜
(おいしそう……でもいつ食べたらいいかわからない。朝?)
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