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この6曲を聴くだけで『五月雨(さみだれ)』をクールに語れる

五月雨(さみだれ)。
以前からきれいな言葉だと思っていた。
不思議である。「五月雨」と聞いた瞬間に、目の前にきれいな雨の景色が浮かぶのだ。

「五月雨」の詩を、メロディの演出で彩った曲は、いっそうに美しい。

「五月雨」を使った曲は幾つもあるのだけれども、自分が知らない曲もあったので、並べてみることにした。どんな歌詞になっているのだろう。
歌詞の「五月雨」の部分をピックアップした。



1. レミオロメン 『五月雨』 作詞:藤巻亮太

見慣れることのない空 瞬きはストロボ
若葉が擦れる音 土が蒸す匂い
日差しにとけた 五月雨

2. 大瀧詠一 『五月雨』 作詞:大瀧詠一

やつぎ早に メチャクチャふる
無鉄砲な雨
ねぐらへ帰る 舌切り雀
軒の下で 雨宿り 五月雨

3. Every Little Thing 『五月雨』 作詞:持田香織

五月雨落ち
肩を濡らして
はじめて貴方に会った日も
ちょうどこんな季節でした
おぼえていますか

4. 清春 『五月雨』 作詞:清春

窓にかかるこの景色は 五月雨と憂鬱でした
横顔が急に曇り始めたらさよならを
後に変わるその景色は 五月雨と憂鬱でした
君が書いたのは『曇りのち雨』と『さよなら』と

5. 櫻坂46 『五月雨よ』 作詞:秋元康

五月雨よ 教えてくれ
曇り空に叫んでた
止むつもりか 止まないのか
先のことはわからないまま
五月雨式に好きになってく

6. 村下孝蔵 『初恋』 作詞:村下孝蔵

五月雨は緑色
悲しくさせたよ一人の午後は
恋をして淋しくて
届かぬ想いを暖めていた


ピックアップしてみると、どの歌詞も想像していたよりも美しくて驚いた。読み返していると、気持ちよくなる。

6つの歌詞とも感慨深いのだが、何箇所かコメントしたい。

まず、1.レミオロメン『五月雨』の3行目『日差しにとけた 五月雨』これがいい。だって、ふつう『溶かす』の表現は液体に個体を溶かすで使うもの。でもここでは、そうではなくて、日差しという光に液体が溶けると書いている。
これは、お天気雨のこと。雨粒が太陽に照らされてキラキラしている光景。これを『日差しにとけた 五月雨』と言っている。とても綺麗。

もう一つは、5.秋元康『五月雨よ』の2行目3行目。『曇り空に叫んでた
止むつもりか 止まないのか』
これは、もしかしたら、書き間違いをしているのかと思った。だって止むのか止まないのかを問うのであれば、すでに降っているはずである。でも歌詞では曇り空に叫んでいる。なぜか。
これは、心の内面ではすでに、降っているということ。
普通の言葉を並べているだけのようで、ちゃんと編み込んである。
あと同じ曲の5行目。『五月雨式に好きになってく』について。普通は、恋に落ちる、という表現があるように、ストンと、恋心にはまってしまうことになっている。でも、五月雨式にということになると、少しずつ、じわりじわりと恋に引き込まれていくわけである。
面白い。新しい恋の始まり方である。

つくづく思う、五月雨は特別な雰囲気があり大好きだと。さりげないところがあるから。ちょっと大人っぽい感じがするなあと。

自分でも五月雨の詩を書いてみたいと思い、何日も四苦八苦し、ついに完成した。自分(雨語入門)が書いた詩『五月雨(さみだれ)』

7.(付録)雨語入門 『五月雨(さみだれ)』

五月雨に誘われるままに
静かに控えめに
思い出すよに
涙した人影
立ち去りしあと
五月雨の紫陽花が
あとを継ぐよに
雫を落とす


『バス』の歌詞を扱った記事も書いてます。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
では、また。


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