雨語入門

詩とエッセイを書いてます。 雨が好きなので、キャッチコピーは『雨から生まれた人は、自分の言葉を探すために、雨を見つめる』です。 X(twitter)の書庫として使っている面もあります。 Amazonアソシエイト参加中です。

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マガジン

  • 名曲の歌詞を集めて比較検討した

    名曲には名歌詞がある。心に刻まれる歌詞がある。 歌詞に注目して、複数の曲の歌詞を集めて、深く読むことに挑戦してみた。 キーワードが共通する歌詞を横に並べる意味を探ろうという試み。

  • 何度も読み返したくなる雨の話

    霧雨、大粒の雨、長雨、にわか雨、雨の降り方は様々。それを体験する人の気持も様々です。 雨は涙にたとえられたり、ドラマの中で印象深く描かれたりしてる…。 雨を感じた人の記事には、何度も読み返したくなるものがあります。

  • twitterのツイート(Xのポスト)まとめ

最近の記事

【140字小説】凩女(こがらしおんな)

晩秋の夜、強い風に扉がガタガタして眠れない。 『こんばんは~』 声の主は玄関の内側にいる。 自分は雪女の妹。貴方を凍らせないから一晩泊めて欲しいとのこと。美しい顔をしてる。 泊める事にした。 翌朝、風は止んでいた。 鏡を見ると、顔のあちこちと首には枯葉や小枝がついていた。 #140字小説

    • 【140字小説】あっち向いてホイ

      あっち向いてホイの研究をした。『…ホイ!』と、指をさす直前に肩と目に微かな動きがある、それを見抜くのだ。 トレーニングして対応できるようにした。 『お前、弱いな』 友達が笑う。 僕はわざと負けている。絶対に勝ちたい時だけ勝つ。 勝敗の鍵はこちらが握っている。 #140字小説

      • 【140字小説】縁結び猫

        朝、僕のスマホが他人のスマホになっていた。窓枠の猫と目が合う 交番での説明中、女性が飛び込んできた。「スマホが違う」と スマホ指紋認証をして、2人のスマホの入れ替わりが分かった どうやら同じ猫に餌をやっていて、その猫がスマホ交換したようだ 僕たちを巡り合わせるために… #140字小説

        • 【140字小説】洋楽カラオケ

          片思いの女子をカラオケに誘うと、 「中間テストが終わったら、いいよ」との返事。 やったね! その夜、 『これ歌ってくれたら嬉しいな』のメッセージに、知らない洋楽がズラリ並んでいた。 僕は洋楽習得に専念する。 努力は実り、洋楽カラオケは大成功! 中間テストは赤点だった… #140字小説

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        • 名曲の歌詞を集めて比較検討した
          4本
        • 何度も読み返したくなる雨の話
          10本
        • twitterのツイート(Xのポスト)まとめ
          1本

        記事

          【140字小説】昭和100年

          「来年(2025年)は昭和の元号なら昭和100年。 昭和50年生まれの俺は50歳になる」 事あるごとに父は言う。 スナック菓子『バーベQあじ』を買ってきて『発売50年マーク』を示すと父は喜んだ。 数学者の父はあえて1年の違いに触れなかったのだろう。父子仲良くスナック菓子を食べた。 #140字小説

          【140字小説】昭和100年

          【140字小説】初投票

          選挙。近所の夫婦たちが歩いてる。 僕は1人、初投票に向かった。 幼馴染の子が1人で歩いてる。追いかけて並ぶ。 「一緒に行こ」 「うん」 「僕たち若い夫婦に見えるかも」 「あなたは候補者になってないから」 「…」 「でも30年位したら、中年夫婦に見えるかもね」 補欠当選したらしい。 #140字小説

          【140字小説】初投票

          【140字小説】告白で甘柿

          下校中の男女が渋柿の下で足を止めた。 「うまくやれよ…」 私は邪魔をしないように部屋の窓から静かに様子を伺う。 見たことのない二人。間違いなく告白してる。 二人が立ち去ったあと、庭の柿をもいで食べてみた。甘い。 この柿の木の下で告白に成功すると、果実が甘くなるのだ。 #140字小説

          【140字小説】告白で甘柿

          【140字小説】ヤキモチ金魚

          彼女を部屋に招くと、1匹の金魚を『可愛い!』と喜んでくれた。 次の日、金魚があまり泳いでない。 人間にヤキモチかも… 2匹飼いにしてみたら金魚はスイスイ泳ぐようになった。お似合いだ。 『お前たちはいいなあ』 失恋した俺は2匹の追いかけっこを眺めてる。金魚にヤキモチとは… #140字小説

          【140字小説】ヤキモチ金魚

          【140字小説】帰国する選手

          外国で大活躍の日本人選手が帰国する。追っかけの数は桁違いで、選手の身に危険が予想された。 俺は守る。数千人のファンの協力もあった。 選手に似せた特殊メイクをし、街の追っかけたちを引き回した。 作戦成功! 選手は無事に帰宅できた。 『写真を撮った』と喜ぶ人がSNSに溢れた。 #140字小説

          【140字小説】帰国する選手

          【140字小説】野球と祖父

          『見てるんだ!』ウトウトしていた祖父は目を覚まして怒った。私がテレビの野球を消したからだ。 祖父は眠っていても試合を完璧に把握できる不思議能力をもつ…。 そんな祖父が大往生した。 火葬の間、私はスマホで野球放送を見てる。 『じいちゃん、贔屓のチーム勝つといいね』と。 #140字小説

          【140字小説】野球と祖父

          【140字小説】AI小説家

          老練の作家から原稿を受けった編集者は驚いた。 原稿用紙に万年筆で書く主義だったのに、音声入力の効率の良さを述べていたからだ。 『先生が声で書いてるの、知らなかったです』と声を弾ませると、 『黙ったままAIに書かせた。無言でね』とあごひげを撫でながら忍び笑った。 #140字小説

          【140字小説】AI小説家

          『心残り』を使った歌詞は溶けるほど甘くて、火を吹くほど辛い

          心残りを歌詞にした人々。ハチ氏、GReeeeN氏、平原綾香氏、秋元康氏、荒木とよひさ氏、加瀬邦彦氏。歌詞を並べて読んでみたら甘くて辛くて、泣けてきた。 知らないうちに多用している言葉がある。 お気に入りの言葉だからなのだが、口癖になり、書き癖になっている。あまりも使いすぎていることに気がつくと、しばらく禁止しようと自制する。 でも、そうやって自制する言葉が増えると、使える言葉が減ってしまう。そこで、今まで使っていなかった言葉を使おうとさがし始める。ここ何年もそうして過ごし

          『心残り』を使った歌詞は溶けるほど甘くて、火を吹くほど辛い

          『バス』を書いた作詞家に不思議な旅に連れて行かれた

          バスを歌詞にした人々。くじら氏、n-buna氏、米津玄師氏、松本隆氏、宮崎駿氏、中川李枝子氏、吉幾三氏。歌詞を並べて読んでみたら不思議なバス旅が始まった・・・。 私は普段から、ちょくちょくバスを利用する。昔から使っているので、気持ちの上がり下がりはない。でもバスに乗るには何かしらの用事があり、その内容によっては、気分がまるで異なる。 乗車している人たちも、静かな人が多いのだが、その表情に喜怒哀楽を忍ばせているように感じることがある。 そういえば、『バス』を歌詞に使ってい

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          この6曲を聴いたら『便箋(びんせん)』の孤独に抱き締められた

          便箋を歌詞にした人々。幾田りら氏、桑田佳祐氏、amazarashi氏、森山直太朗氏、中島みゆき氏、阿久悠氏。並べて読んでみたら泣けた・・・。 先日、たまたま見ていたテレビドラマで、便箋に書いた手紙を年上の人に手渡しするシーンが会った。それを見た時に、そうか、今の若い人も便箋を使うことがあるのかぁと思った…。 私も昔は何度か便箋を使ったけれども、最近はまったく、使っていない。連絡事項はすべてメッセージアプリでこと足りているのだ。 便箋と似ているものとしては、ペン字の練習がて

          この6曲を聴いたら『便箋(びんせん)』の孤独に抱き締められた

          この6曲を聴くだけで『五月雨(さみだれ)』をクールに語れる

          五月雨(さみだれ)。 以前からきれいな言葉だと思っていた。 不思議である。「五月雨」と聞いた瞬間に、目の前にきれいな雨の景色が浮かぶのだ。 「五月雨」の詩を、メロディの演出で彩った曲は、いっそうに美しい。 「五月雨」を使った曲は幾つもあるのだけれども、自分が知らない曲もあったので、並べてみることにした。どんな歌詞になっているのだろう。 歌詞の「五月雨」の部分をピックアップした。 1. レミオロメン 『五月雨』 作詞:藤巻亮太 見慣れることのない空 瞬きはストロボ 若葉

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          【エッセイ】屋根を歩いた生物

          ある夜、音が聞こえた。 上からだった。 長い間、この集合住宅に住んでいるので、ときどき隣家の生活音は聞こえる。けれど、最上階の3階に住んでいるので上から聞こえてくる音は初めてだった。不思議な気持ちで天井を見上げた。 音は乾いていて、カシャカシャ、チャカチャカ…とする。泥棒の足音を聴いたことはないけれども、重々しい雰囲気はなかった。 人間以外の何かが屋根にいると予感がした。天井を見上げながら音の発生を追いかけると、その何者かは、屋根の下の人間のことを知らずに、動き回っていた。

          【エッセイ】屋根を歩いた生物