「天狼 Sirius the Jaeger」「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」感想
最近観た二つのアニメ。
まあ軽めの記録ってことで。
どちらもネタバレあり。
天狼 Sirius the Jaeger
・いい意味で王道の詰め合わせのように感じた。厨二要素や、悪役たちのキャラとか。アクションがスピーディで楽しい。
・音楽が良かった。けど使い方があまり好きじゃない場面もあった。
・兄と弟の物語、家族愛の物語でもある。特に兄弟の関係性が素敵。
兄は弟のために「復讐はやめろ。俺と殺し合いたくないだろ」と忠告するが、実際は自分も可愛い弟と戦いたくないから言ってるようにも見えた。
・ユーリィの武器は個性的でかっこいいし、他の狩人たちもみんな銃で統一ではなくそれぞれイケてる武器であって欲しかったなぁ。
・ストーリー進行の早さの関係か、やはり敵を倒すまでがあっさりに感じた。他にも狩人の仲間たちの背景ももう少し深く見てみたかった。
彼らの掛け合いは面白げだったけど、一人一人のアイデンティティを最初にもっと理解できた上で進んでいけば彼らをより深く愛せたかも。
多分、2クールかけてそれぞれをみっちり描けばさらに面白くなる気がする。
・りょうこ可愛かった。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン
・一話一話が映画を観たかのような感覚で、こんなに胸がいっぱいになるアニメがあるんだなと思った。
映像もストーリーも繊細で美しかった。音楽も美しい。主題歌も美しい。アニメの約10割くらいが美しいで構成されてる。3話で既に泣きかけた。
・愛とは何かという最初の疑問と共に、裏腹など愛の伝え方の難しさも描かれる。ヴァイオレットは感情がないかのように描かれているが、元々、何か装飾や風景を見て“綺麗”だと感じる心は持っている様子だった。
・人の気持ちがわからない故に失礼なことを言ったり、逆に人の言葉で余計に傷つくことがなかったりするのがリアル。でも滑稽っぽくも見えた。
・所々、時間が大きく飛んでいるように感じた(恐らく端折ってるのだろう)。
ヴァイオレットの手紙を綴る力が上達しているのはわかったが、姫の恋文の代筆を担う展開が唐突に思えた。“スペシャル”が時系列的にその手前に来るのでその順番で観るのがいいっぽい。
・最後のシーンは少佐じゃないと思う、てか少佐であって欲しくない。この場合、少佐が生きてるのは違うと思う。
だとしたら彼女のあのリアクションは何なのかと言われたらわからんけど……
俺は、大切な人が遺した言葉の意味を知るところまでを見届けたかったわけで、「会えないと思ってた人に奇跡的に会える」ところを見たかったわけじゃないんよ。。
なので俺は最後のシーンは少佐だとは認めたくないっす、個人的には。
・「言葉から人の想いをすくい上げる」ことの難しさや尊さが伝わったし、それによって世の中の似たような作業をする人たちに自然と敬意を持ちたくなった。
この作品自体にも、スタッフの方々のたくさんの愛が込められているのを感じたし、代筆屋でも、記者でも、ソングライターでも、色々な原作を映像に起こす制作者でも、「この人(作品)が何を伝えたいのか」を常々模索しながらいいモノを生み出そうとする全ての人々を称えたい気分になった。
(金儲け目的の安易な実写化とか、印象操作で世間を煽るマスコミとかは例外)
・感情との向き合い方や、言葉の大切さを見つめ直す機会をくれた。
心を持つことで得られる喜びがたくさんあるとともに、悲しみや苦しみもたくさんある。
愛を知るという目的へ向かう過程として「ありがとう」「寂しい」「いつかきっと」を経ることで、様々な感情の延長線上にある概念として愛が位置づけられてるように思えた。
まるで「愛=心そのもの」であると物語が訴えているような気がした。
愛を感じ取るためには、多くのことに興味を持って何かを感じなければならないし、逆に何かを愛していないと、何も感じることもできないし。
また一つ今までの自分になかった新たな価値観を教わった感じがした。
めちゃくちゃざっくりだけど以上。どっちも良かったです。