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声が出ない話

声が出ない。
どうも、あめふらし劇場です。風邪ですらなく、喉のコンディションが狂っただけです。

ふと、吉本ばななさんの短編に風邪で声が出なくなった人が、パートナーとささやかなやりとりをする話があったのを思い出しました。雪の降る寒い日、静かな室内の様子を今も覚えています。

しかしながら当劇場は天邪鬼なので、「私」のようにおとなしくしているよりもむしろ歌いたい。こんな時に限って、と自分でも思います。
枯葉の擦れるような音しか出なくても好き放題歌を歌います。枯葉リサイタル。楽しい。信じられないくらい噎せますが。「出町柳パラレルユニバース」、大好き。

それはそうと、言葉の無力さには自覚的でいたいですね。
当劇場は「あの時なんて言えば良かったのだろうか」とひとから相談されることがよくありますが、万人に寄り添える特別な言葉など当然存在しないわけで。「話の途中でスマホ触ったりとかせずに、ただそばにいてあげれば充分じゃないですか」くらいのことしか言いません。
自分の中にない言葉を探して知恵を絞るくらいなら、その分目の前の人に意識を向けていたいです。何かを言おう、と身構えていると、どうしても自分の内側ばかりに気が向いて耳が疎かになりますから。

ちょうど昨日今日あたり、各地で雪が降ったようですね。
みなさまも体調にはどうぞお気をつけて。
当劇場はみなさまのお耳に届かないくらいの声で、こそこそと歌っておきます。

あめふらし劇場

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