ひょんなことから執行役員制度について調べてみた
こんにちは、AME&です。今回はタイトルの通り、人事制度でも比較的ポピュラーな執行役員制度について少し気になる点があったので調べてみたことのシェアです。
気になったきっかけが、筆者がとある経営者の方と会話していたとき、「経営と執行はしっかりと分けていくべきだよね。」という話題になりました。
その瞬間の筆者の経験や知見では、「確かに、、、日本を代表する大手上場企業や欧米企業は経営と執行が分かれているからうまく機能しているな〜」くらいに思っていたのですが、ここでふと思った疑問は、分離のための代表的な手段としての執行役員制度をどのタイミングで導入するのが適切なのだろうと感じ、調べてみたのでシェアします。
なんで執行役員制度導入するの?
これ言語化できてる人少ないのではないでしょうか?
調べるきっかけとなったどのタイミングが適切か?と紐づくと思うのですが、メリットがないと導入しませんものね。
よく言われるのが、以下ですかね。
取締役の負担軽減による会社の意思決定スピードの向上(≒経営と執行の分離)
ポジションの確保、キャリアルートの形成によるモチベーション向上
他にも経費の観点などもあるかと思います。
そして考えなきゃいけないのは、このメリットがどのような状況下でデメリットを上回るか?これが導入するタイミングだなと考えました。
そして出会ったおもしろ論文
色々ネットを弄っていると、興味深い論文に出会いました。少し古い論文なのですが以下です。
この論文が面白かったのでこちらをもとに考察していきたいと思います。
※結構端折ってしまっているので、フルで閲覧いただくことを推奨します
執行役員制度は企業パフォーマンスを悪化させる傾向あり!?
経営の意思決定の迅速化、トップマネジメントのモチベーション向上、ひいては企業パフォーマンスの向上のために汗水垂らして制度導入したのに、、、だけど成功している(していそうな)企業もあるじゃないか!と思ってみていると。
日産、ソニーなどは成功している(っぽく見える)がなぜだろう
論文には要約すると以下のような視点で執行役員制度の合理性に関する示唆が掲載されています。
・(特に海外)投資家などグローバル水準で物事を見ているの投資家が多い場合、合理的な結果が得られる
・事業を多角化していたり、事業構造が複雑な場合も合理的な結果が得られる
日本を代表する大手企業はグローバル化、事業の多角化(だけでなく再編も)進んでおり、執行役員制度がうまく機能している可能性の高い企業群と一致しますね。
経営と執行をすっぱり分けれているケースは稀かも
これは補足ですが、執行役員制度を敷いても、経営と執行を完全に分けて運用できているケースは稀だそうです。取締役兼執行役員、、、という肩書きも多いように思えます。
グローバルで戦う or 事業が多角化していくタイミングで、”強い人材”がいるという条件が適切かも
というわけ興味深い論文を軸に今回の話題を展開してきましたが、筆者が思うに経営と執行の分離の一つの施策として執行役員制度は無理して導入する必要はない(形骸化する可能性が高い?)かもしれません。
しかしグローバルで戦う、事業を多角化させるなどのタイミングで、論文ではあまり触れられていませんが、執行を完全に任せられる人材、がいることがタイミングというか条件になってくるかと思います。
中小規模の会社だと、経営が一番事業のこと、人のこと、金のことを知っている状態であり自分がやった方がパフォーマンスが上がることが多いです。ただ自分が執行する以上の強い人材(執行力の高い人材)を育てるor配置することによって、より重要な意思決定に専念できる体制を築き上げることができるのかなと思いました!
(編集:吉村)