映画『PERFECT DAYS』@イオンシネマ座間
公開日の12/22(金)に観てきました。
主演の役所広司さんが
『第76回 カンヌ映画祭 最優秀男優賞』
を取られたり
ドイツの名将:ヴィム・ヴェンダース監督が日本で撮影したり、
という華やかな情報は入っていましたが
私が心惹かれたのは
主人公:平山がトイレの清掃員で
古いアパートで
日々同じ 地味とも思えるルーティンで
暮らしている所でした。
朝は 布団をたたみ 仕事着に着替え 歯を磨き
髭を剃り 鉢植えに水をやり
部屋の前の自動販売機で缶コーヒーを買い
車で仕事場へ移動開始。
車で移動している時だけ
カセットテープで古い曲を流し
昼はいつもの神社で
サンドイッチと牛乳を食べ
古いカメラで木漏れ日を撮影する。
帰宅して 自転車に乗って風呂屋へ行き
駅の地下の居酒屋で 酒とツマミを頼む。
(何も言わなくても出てくる)
帰宅すると
文庫本を枕元のライトで読みながら
眠りにつく。
休みの日は自転車で移動
コインランドリーで洗濯
古本屋で100円の本を買い
写真屋でフイルムを出し 新しいフイルムを買い
馴染みの居酒屋で お酒を飲む。
古新聞を使って箒で掃除をし
写真の整理をする。
仕事のトイレ掃除も 全く手を抜かず
完璧にこなして行きます。
唯一 平山が怒ったのは
同僚のチャランポランなタカシ(柄本時生)が
突然仕事を辞めて
彼の仕事まで押し付けられた時。
平山の平和な毎日には 仕事も含まれていて
それを侵される事に抵抗する気持ちは
とても良く判る。
けれど平山は
姪のニコが家出して 自分の部屋に住み着き
日常が崩される事には 寛容です。
独りでしている生活に 相手が現れる事で
平山の中で 何かが 変わっていったのかもしれません。
けれど また平山はひとりになり
穏やかな日常が戻ってくる。
そこに淋しさは 感じない。
裕福な家に育ったと思われる平山が
やっと手に入れたささやかな幸せが
今の生活なのかもしれません。
私は 平山が とても羨ましかった。
心が ほっとする 素敵な映画でした。
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