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映画『月』@下高井戸シネマ
昨年公開された作品ですが、
この作品は観ておかなくては と思い、
久し振りの下高井戸シネマに向かいました。
スクリーンがひとつの小さな映画館ですが、
公開が終わった話題作や名作が上映されており、
見逃した作品を 時々この映画館で観ています。
平日(金)の12:10からの上映はかなり混み合っていました。
お年寄りが多かった。
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待合室も無く椅子も少ないので、
上映時間まで、
線路向うの鯛焼き屋さんで腹ごしらえ。
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2016/7/26に神奈川県相模原市で起きた
『障害者施設 津久井やまゆり園 大量殺害事件』
元職員の当時26歳の植松 聖(さとし)が、
入所者19人を刺殺、入所者/職員26人に重軽傷を負わせた凄惨な事件
これをモチーフに小説にした2017年発表の『月/辺見庸』が原作。
小説では、寝たきりで発語も出来ない重度障害者の『きーちゃん』の視点から描かれているが
映画の脚本は 小説にインスパイアされつつも、
これをベースに新たな人物を加え、
全く別の視点から描かれている。
事件当時、すぐ近くの市に住み、
現在は隣の市に住んでいる私にとって、
ずっと 心に重く残っている事件でした。
この映画の中で、
『生産性の無いものを排除する』という考え方を獲得した”さとくん“の
「あなた こころ ありますか?」
「何のために生まれてきた?」
「なんで生きてるの?」
の問いかけ。
過去に 重度障害者に対して
一度も そう思わなかったと
断言は出来ない。
“きれいごと”で塗り固めている自分に
その刃が向けられているようで
暗闇の中 凍りついていた。
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真っ黒なパンフレットは、
後半半分が 観た方々のコラムとなっていて、
もう一度
あの事件を心に刻む必要性があると
そう 訴え掛けてくる…