めくる6/27

最近、妹から借りた一冊の本が

わたしの中でずっときらきら光っています


小川糸さんの『ライオンのおやつ』

という本です

どの書店でも置いてあるくらいの

人気作品ですから

わたしも知ってはいましたが

妹から勧められるまでは

手に取ることがなかった一冊でした


なんとなく妹の本棚を見ていたとき

あ、この本あるんだ…と思っていたら

妹が数日後に「これおすすめ!」と言って

持ってきたので、なんだか縁を感じて

読んでみることにしました


物語についてはここでは触れません

とにかく素敵なので

わたしの言葉で概略するのはもったいない…


みなさんぜひ、手に取ってみてください

めくるたびに、ふわん、ふわん、と

柔らかい何かに包まれるような

そんな読書体験でした


波のように静かにこころが揺れて

自然と涙が出て

そして乾いて…

の繰り返しでした


本当に久しぶりに、

どっぷりと物語に浸れました


わたしはもともと本は大好きで

特に高校時代はたくさん本を読みました

常に手元に1、2冊は小説を持っていました

少し違いますが、映画も大好きで

よくひとりで映画館に行っていました

書店と映画館によく通う高校生でした


しかし大学に入って病気になったあたりから

なぜか本を読んだり映画を観たりすることが

とてもしんどくなりました

物語に気持ちが引っ張られて

それが何日も続いてしまうようになりました

また自分と同じ境遇に遭っているような

描写を読んだり観たりすると

息が苦しくなり、拒否反応が出るまでに…

それからは趣味だった本と映画は

「覚悟をもって取り組むもの」に

なってしまいました


しかし、病気が落ち着いて、

本当にここ1ヶ月くらいですが

少しずつ本や映画に、

「すっと入って、すっと抜ける」

ことができるようになってきました

まだ前のように

2日で1冊

週に映画2作品!

みたいなペースは無理ですが

映画は一気に観るのではなく

休み休み、観たくない場面は観ない

ようにしたり、

本も、章が変わったら

一旦違うことをしてみるようにしたり、

そういった自分なりの工夫をすることで

楽しめるようになってきました


『ライオンのおやつ』は

本当に久しぶりに

無理なく、心地よく、

読み進めることができた作品でした

そんな作品に出会えたことも

そんな作品に心を動かされる自分にも

とても嬉しくなりました


そして今日書店に行って

小川糸さんの代表作『ツバキ文具店』を

買いました

もう「読めるかな…」「大丈夫かな…」

と読書自体に警戒することは

なくなりました

純粋に、「読みたい!」という思いで

手に取りました


本も、映画も、

無数にあるなかでの

ひとつの出会いの重なりだと思います

生涯に読める本も、観られる映画も

限られています

だからといって焦ることはありませんが

自分のペースで

そのときの自分に必要な言葉を

じっくりと吸収する

そんな「感性の補給」が

たくさんできたらいいな…と思います


それでは

おやすみなさい

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