ブブのながいはなし30
ブブはまだ一人ぼっちにはなっていませんでした。肩のあたりにまだ何かいるのです。でももう正直、ステップのことなどどうでもよくなっていました。からっぽで何もない空間でステップ? なんのことやらと思います。ブブは歩こうと思いました。そうです。ブブは歩いていたのです。そして、帰るべき場所に戻ろうとしていたのです。疲れて休憩しようと思ったら、このわけのわからない世界に迷い込んでしまいました。ブブは本来の目的を思い出し、嚙みしめました。「私は歩いて帰るんだ」ブブはそうっとつぶやきます。肩の重みがブブの中に溶け込んでいくような感じがなぜかします。そしてなんだかブブはホッとするのでした。ブブは今度は、右足、左足と交互に前に出して、前に進んでいきます。そうしてまた歩き出すのでした。
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