宝物のじかん
学校の先生をしていたくらいだから心の底から"子どもが好きだ"と大声で言える。子どもたちといる時は難しいことを頭の中で考えずに素直でいられて、楽しい、嬉しい、悲しいという感情がいつもより自分の中でわかりやすい気がする。気がするだけかもしれないけど。
岡山のUNCというフェスで出会った"せなちゃん"という女の子がいる。あれはきっと3年前??
UNCというフェスは木が生い茂った森の中で行われていてステージが3つほど。
飲食店やショップも出ている。いわゆるフジロックやりんご音楽祭みたいな大型フェスではなくて、犬がいたり子供が走り回っていたり(大型フェスにもいるんだけど)のんびり焚き火してキャンプ気分でゆったりできるお昼から夜中、朝まであるイベント。私は自分の出番までに、焚き火をしたりふらふら散歩したりしていた。ステージでも見るかと思って、森の中にあるステージに向かってると女の子が
"じゃがりこいる?
と言って話しかけてくれた。(記憶が曖昧だけど多分じゃがりこだったはず)
それがせなちゃん。その後一緒に走り回ったり地べたでおやますわりをして、音楽を聞いたりした。
"私この後ここで歌うから、見ててね〜"とせなちゃんに伝えたら
"歌うの?!!?!"と言っておもむろに走り出した。心配になって追いかけたら、入り口ゲートの近くにあるキラキラした装飾をジャンプして引きちぎって"頑張ってね。"と言ってプレゼントしてくれた。心の中では装飾?!?!と思ってはいたけど、そんなことどうでもよくなるくらいに嬉しくて、キラキラをマイクにつけて歌った。
その日のことがすごく嬉しくて、そこからずっと携帯の裏にこのキラキラの破片をいれていた。(もちろん今も)これが2022年の11月。(ということは2年前だ!)
そして2024年の11月。岡山のカフェでライブをすることになって会場へ行くと、なんとせなちゃん。広島に住んでいることも知っていたので、まさかライブに、しかもわざわざ岡山へ来てくれるだなんて思ってもいなくて本当に嬉しかった。はじめこそお互いぎこちない感じで"久しぶりだね、へへへ。"となっていたけど、すぐに2年前と同じように、走り回って遊んだ。2年も経つと身長も伸びていて、気づいたら小学生になっていた。
ライブは海の近くにあるカフェだったので、海辺でお気に入りの石拾いをした。
これもいいね!これも綺麗!とか言いながらたくさん集めた。
"全部は持って帰れないからひとつだけ選ぼう!"と言って、お互いひとつだけ選んだ。
せなちゃんは"お家に持って帰ったらお母さんに叱られるかも!"と言ってこっそりポッケに入れていた。
"残りの石は取られたらやだから"と端っこに固めて帰った。
私は時々子どもに好かれるよねと言われるけど
、そうではなくてただ単純に私が子どものことが好きなんだなと思う。好きだから子どもと関わる時間も増えて子どもたちが多分寄ってきて?くれる。むしろ私が寄っていってるんだと思う。学校という場を離れて音楽の場で、こんな風に子どもたちと関わることがあるとは思ってもいなかった。
せなちゃんに限らず"大好きな友だち"と言える子どもたちが何人もいる。嬉しい限り。
もう会うことはないかもしれないし、もしかしたらまたどこかで、何かのきっかけで会うかもしれない。これからのことは分からないけど、一緒に過ごした幸せな気持ちや時間は私のこの携帯のキラキラや色んな記憶と共にずっとあるんだなと。宝物。ありがとう。元気でにこにこいてほしいなと思います。
またね!