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光る星を探す
9月から始まるマインドフルネスの入門講座について、運営している協会のトレーナーさんたちと打ち合わせの日々です。
新しい入門講座の中に、過去にあった嬉しい場面を振り返るワークがあります。
瞑想を使って過去への旅をするのですが、これは、心理カウンセリングやコンサルティングでも、たまに使っているやり方です。
以前、とても元気になった様子を、私に見せに来てくださったクライエントさんを思い出しながら、書いてみようと思います。
今まで長いこと落ち込んできた自分を見つめて、少しずつ自分を癒しながら、立ち直ってきたクライエントさんです。
見違えるように明るい笑顔と、その心の高まりが、とても嬉しかったです。
どうにも上手くいかなくて、藁にもすがる思いでいらっしゃる方が多いですが、それはもちろん、当然ではあるのですが、こうした素晴らしい気分の時こそ、実はカウンセリングの力を発揮できるとも思っています。
カウンセリングは、自分自身を見つめることができる場です。
問題解決のためにだけあるわけではなく、自分自身を立ち止まらせてあげられる場所、サードプレイスです。スターバックスみたいに、行きつけのカフェのような。
家でもない、仕事場でもない、第3の場所。
心のスタバ、でしょうか。
明るく素晴らしい気分の時というのは、
やる気が出ていたり、優しい気分になっていたり、自信が持てるようになっていたり。
そういう時にカウンセリングで自分自身を見つめることは大事なことです。
そんな嬉しい私が今いるんだということ、
こんな私が私の中にいたんだということ、
そしてそれをカウンセラーに話すことで、自分に強く落とし込むという作業がとても大切だと思うからです。
人は、いやな記憶でつまずいてしまうことが多いですが、
逆に自分だけの嬉しい記憶1つで生きていけることも大いにあると思います。
美味しいおかずは、ほんの少しだけで、ご飯をいっぱい食べられますよね。(例えがイマイチ)
件のクライエントさんにもしていた1つの質問があります。
「今までに一番、心の高まりを感じた日は、いつでしたか?何年の何月何日ごろだったでしょうか?」
どんなことがあって、どんな良い気分になったのでしょうか?
そこには誰がいて、どんな言葉がありましたか?
引越しのため写真の整理をしていて、5歳の私を見つけました。
初舞台で白雪姫の役を演じました。
舞台といっても小さな幼稚園のお遊戯会なのですが。
この時、舞台に背を向けてガヤガヤしていた観客(親や親戚)が、なぜか、水を打ったようにシーーンとなったのを、覚えているのです。
誰がこの写真を撮ったのか、みんな一斉に舞台の方を向いた瞬間でした。
私にとっては会場は真っ暗で、私にだけスポットライトが当たっていて眩しかった記憶があるのですが、あれ?明るい昼間ですね。ライトは天井の蛍光灯だし。(記憶ってこんなもの)
私はただ舞台の上で、今いる場所は幼稚園じゃない、ここは劇場だ、などと自分の世界に入り、渾身の白雪姫を演じました。
白雪姫の役は、幼稚園の先生の会議に入っていって、どうしてもこの役を私がやりたい、皆さんに後悔はさせない、などと言って、自分で勝ち取ったものでした。
5歳の人間にも人生があり、社会があり、ここぞという勝負の時もあるのです。
時々、あの時の心の高まりを思い出します。
これが私の、結局は短く終わったけれど、女優人生の始まりだったのでした。
5歳の力なんて、ごくごく小さかっただろうけど、
たしかに覚えてる、自分の心の高まりなのです。
よく、過去のつまずきや傷に注目しようとする場面があります。
そこを癒さないかぎり、今の現実は変わらないなどと思いがちです。
でもネガティブな出来事は、現実的にはもう過ぎてしまったことです。
今の時点から見る過去は、その時の過去とは違うものです。
違う過去を生き直そうとするより、今日ここから生きていくための、ものの見方の変化が必要です。
自分に起こったことを、抱えて生きていくための力になるからです。
マインドフルネスの協会ホームページに、『ジョジョの奇妙な冒険』のセリフの一部を書いています。
「ひとりの囚人は壁を見ていた。もうひとりの囚人は鉄格子からのぞく星を見ていた。あたしはどっちだ?」
イギリスのフレデリック・ラングブリッジ牧師の『不滅の詩』が元になっていますが、心理学でいうリフレーミング(視点の変化)ですね。
ここで私が言いたいのは、未来に目を向けてポジティブになるだけではなく、自分にとっての光とは、自分の過去の中にもあるのだということです。
人間はいつでも希望の光を探せる存在だと信じるなら、どの視点を選ぶのか、ですね。
あなたが心の高まりを感じたのは、いつ、どんなことでしたか?
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