憂鬱な気分が切り替わるとき
朝起きて、
今日はなんだか憂鬱だな、と思った。
転職エージェントの担当者さんと
内定辞退の電話をする予定だったからだ。
電話がそもそも好きじゃないし、
時間指定があると、それまでドキドキしてしまう。
加えて、紹介してくれた会社を辞退しようとしているのだから、憂鬱だった。
なんにもやる気が起きなくて、
他にしたいことも浮かばなくて、
目標も見つからなくて、
欲しいものも浮かばなくて、
わたし、、大丈夫か?と思っていた。
電話の時間になって、電話がかかってきた。
内定辞退の旨をお伝えすると担当者さんは
「申し訳ないとか、そういうことは全く考えなくて大丈夫です!○○さんが、いちばん納得できて、いいと思える道に進むのがいいですから」
と言ってくれた。
その上で、何が断る理由になったのかを丁寧に聞いてくれた。
わたしはいつも、
他人に本音を伝えるのが苦手で、
こういう自分の思っていることをいう場面になると、
つい、ありきたりなことを言って、その場を収めようとしたり、いい人ぶって本音を言わなかったりすることがよくある。
それでいて、あの人はわたしのことわかってくれない!と言って、関係を絶ってしまったりもする。
でも、今回はなんとなく本当のこと言ってみようかな、と思った。
ものすごく抽象的な、
なんとなく感じたことを素直にお伝えしてみた。
そして、不安でいっぱいで、どうしていいかも全く頭に浮かんでいないこともお伝えした。
担当者さんは、ただ聞いてくれていたように思う。
内定が決まっていた会社を擁護することもなかったし、後悔させるような言い方もしなかった。
ただ、客観的に
考える道筋とか、
その会社に決めないことのメリット、デメリットをお話ししてくれたように思う。
「わたしも迷ってます」
そう担当者さんはおっしゃっていた。
途中までは、この担当者さんとももう終わりにしようかな、という考えで、話をしていたのだけど、
なぜだかふっと、
「もう一度、まっさらな気持ちで考え直してみようかな?」
という気持ちになった。
ほんとうにどの言葉がそうさせたのか、わかないけど、自然にそう思っていた。
「もう少し、お時間いただけませんか?」
気づいたら、そう話していた。
電話を切った後、
辞退しようとしていた会社を肯定的に見られるようになっていた。
やりたいこととか、行きたいこととか、欲しいものも浮かんできた。
1人でいくら考えていても、自分の気持ちに気づかないことってあるみたいだ。
考えていることを素直に誰かに話す。
わかってくれない、と決めつけないで
話してみる。
それで、新しい道が見えてくることもある。
失敗してもいいか、と思えた。
むしろ失敗ってなんだろう。
嫌な思いを少したりともしたくない?
損をしたくない?
傷つきたくない?
しんどい思いをしたくない?
いろいろ考えて、自分で自分をがんじがらめにしていたみたいだ。
軽い気持ちで決めてみよう、と思った。
朝の憂鬱な気分とは180度変わっていて、
霧が晴れたような気分になっていた。
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