早退宣言が守られないときの職場の空気
自分を労わるときも「有言実行」は貫いてほしい。
私の直属の上司は、体調がすぐれないときには事前に「今日は早めにあがる予定です」とチーム内のチャットで宣言してくれる。このように、自身の状況を共有してくれるのは非常にありがたい。
しかし実際には、上司が予定どおり早く帰ることはほとんどない。そして最終的には、派遣スタッフのパートナーさんや私の方が先に退勤するという、いつものパターンになる。
このようなことが何度も繰り返されると、次第に「結局、あの宣言はなんだったんだろう」と思わざるを得ない。上司が体調不良を訴えた以上、こちらとしては早めに退勤してしっかり回復に努めてもらいたいところ。
上司は仕事における能力が高く、こちらが業務を進めるうえでも事前に細かい部分にまで気づいて指摘してもらえる。そのおかげで、私やパートナーさんは何度も助けられている。
だからこそ、体調が悪いときは私たちに任せて早めに帰ってほしいという気持ちが強い。私たちには一定の裁量を与えられており、その責任も認識している。自分たちの業務については、上司に全て頼りきりではないという自負もある。
もちろん、私たちの目には見えない部分で上司が抱えている重要な業務があるのだろうと推測はできる。
しかし、それにしても「早く帰る」と宣言した以上、その言葉に従って行動してほしい。上司が早くあがると言った以上はそのとおりに動いてくれないと、こちらとしても帰りづらくなる問題が出てくる。
合理的な考え方ではないが、体調不良を理由に早退を宣言した人よりも先にあがるのは、なんとなく気が引けてしまうのが人情だと思う。
そのため、上司が職場に残っている限り、私たちもなんとなく業務を続けてしまう。そして、そんな状況を見守るしかできない自分にモヤモヤしながら1日が終わる。
なぜ上司は「早く帰る」と宣言しても実行しないのか。
その理由について考えてみると、その一つに上司が過去にいた職場の影響があるのかもしれない。例えば、なかなか帰れない文化が根付いた環境で働いていたのではないかなど。
もしくは、自分が仕事を残して帰ることで他のメンバーに負担をかけることを懸念しているのかもしれない。
しかし、それが結果的に周囲にも同じ行動を暗に強いる形になっている可能性に気づいてほしい。
この間、ポッドキャスト『となりの雑談』を聴いていて、似たような状況について話している回があった。
今回の場合も同じように、他人が自身を労わることを許すなら、自分自身にもその労わりを適用してほしい。
他の人が「体調がすぐれないので早めにあがります」と言っておきながらなかなか帰らない場合、上司もその人のことを気がかりに思うのではないだろうか。
一方、私は体調がすぐれないときは迷わず早めに帰る。それが体調不良者としての一貫した行動だと認識しているから。そこで悦に入るわけではないが、「体調不良者としての責務」を果たしているという自負がある。
職場の文化や人間関係に左右される部分は多いが、体調不良時には「自分を甘やかす」勇気を持って行動したい。そうすることで、周囲も気兼ねなく必要な行動が取れる職場環境が生まれるはず。
そんなことを考えながら、今日も業務に勤しむ。