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女子高生いま

この本は橘川幸夫さん執筆の本ですが、私も女子高生7名にインタビュー&元原稿の制作をしています(残念ながら名前を入れ忘れたらしいので、第2刷から載るはず。予定は未定…)。女子高生の取材は10年ぶりくらいでしたが、とても楽しかったですね。
コロナ中の取材ということですべてZoomで行いましたが、そのおかげで日本全国の高校生とおしゃべりすることができました。

思い返すに10年前の女子高生というと、2010年くらいでしょうか。Seventeenみたいな雑誌がまだまだ流行っていてプチプラブームで紺のハイソ姿が定番でした。ガラケーで読むケータイ小説も流行ってましたね。そういえばケータイ小説大賞の審査員もやったなあ。。。
そして今回取材したのは高1~3年の女の子たち。2007年にiPhoneが発売された頃に誕生した人たちです。ニンテンドーDSが「脳トレ」や「どう森」で空前の大ヒットを飛ばしたのもちょうどこの頃。ゲーム愛好者の底辺が広がったのはDSのおかげだし、iPhoneがあんなに買われて使われたのもゲームオタクじゃないゲーム愛好者がDSで拡大していたのが大きな原因じゃないのかなと思っていますが、閑話休題。

この頃に生まれた人たちは一様にiPhone的なデバイスへの慣れを生得的に持っています。お母さんが子供をじっとさせておくためにスマホを与えることがメディアで取り上げられたのもここから1,2年の話でしたよね。言葉の習得と同様に、行動も大人の真似から入りますから、大人が熱心に見続けいじくりまわしているデバイスを、子供たちは見様見真似で使えるようになります。教えなくたってできるんですねー。
そんな子供たちが高校生になったらどうなるか? それが今回の取材目的でした。取材に協力してくれた皆さん、本当にありがとう!

さて、取材してみての感想ですが、「いい意味で全く変わってないな」と思いました。保護者や生活環境、社会環境によってハードさの高低は人それぞれでしたけど、自分がどんな人間なのかに強い興味を持ち、周囲の人たちへの関心をあきらめずに持ち続け、生まれ落ちたこの世界を愛せる自分でいたいというピュアで痛切な願いがキラキラと光っている。そんな子たちばかりでした。これは私が以前から持っている高校生のイメージと特に変わるところはありません。むしろ、デジタルネットワークの進展で、個人でいることが許させれる時間と環境が増えたことで、そのピュアさがより正直に現れるようになった気さえします。

そもそも赤ちゃんはこの世に生まれたとき、目の前にいるよくわからない保護者を全身全霊で愛しています。赤ちゃんの一貫した保護者への愛に心を打たれてどんどん保護者らしくなっていった人たちを私はたくさん見てきましたし。
高校生は大人になる過程だから、愛の向き先が保護者だけではなくなります。社会に出るという第2の誕生の瞬間だから、よく知らないものを全身全霊で愛そうとするモチベーションが高く、激しくなるのでしょう。まるで生まれたての赤ちゃんのように。

そんな第2の赤ちゃんたちがどんな愛を手に入れたいと願っているか、それがわかるのがこの本です。自分の昔の姿を思い起こしつつ、隣にいるお子さんと見比べつつ、読んでいただけると素敵だな~と思います。


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