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家族

『社会的契約論』(著・ルソー)

あらゆる社会の中で最も古く、また唯一の自然的な社会は、
家族という社会である。
それでさえも、子供たちが父親に結び付けられているのは、
自己保存のために彼らが父親を必要とする間だけである。
この必要がなくなるとたちまち、自然的な絆は解けてしまう。
子供たちは父親に服従する義務がなくなり、
父親もまた子供たちに尽くさなくてはならなかった扶養の義務から免れ、
いずれも等しく独立の状態に戻る。
父子が相変わらず一緒に暮らすとすれば
、それはもはや自然的にそうするのではなく、任意的にそうするのである。
だから家族でさえも、約束によらなければ、存続させられない。

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