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次からは2つ注文することにした オニオングラタンスープ【デュボワ@幡ヶ谷】
とっておきだからこそ、ずっと胸に秘めていたお店。
最近久々に訪ねたら、やっぱり好き。
なんなら前よりもっと好き、の気持ちがふくらんで、とうとう黙っていられなくなった。
京王線・幡ヶ谷駅のビストロ『デュボワ』
代々木上原方面へ下っていく坂道の途中に、静かに佇む。
そこだけヨーロッパの風が吹いているかのような外観がとても素敵。
私が初めて行ったのは、7,8年ほど前。
当時は徒歩圏内に住んでいたので、時々ランチを食べに行っていた。
ありあまる魅力のランチたち
ランチはだいたい3種類ある。
サラダとデリのプレート、2種類のソースから選べるオムライス、日替わりのお肉orお魚。
サラダとデリのプレートは、スープもパンも付く。
私は無類のスープ好きだから、ついこれを頼んでしまう。特に、とうもろこしやカボチャのポタージュのとき。
今日はオムライス!って決めていてもすぐに心変わりしてしまう。
濃厚なめらかポタージュが口の中にとろとろと流れていくとき。
ふぅっと息を吐きながら、この上ない幸せを感じる。
10種類近く種類があるデリは、味も食感も全部違うけど全部おいしい。
頭の中で、「一人でこんな贅沢しちゃって」という後ろめたさを、「いや、でも健康にいいからね」という言葉で帳消しにする。
誰にも何も言われていないけど、一人で背徳感を感じながら食べるのも楽しいのだ。
おいしいは、全てを肯定してくれる。
おいしいは正義。
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こんな美しい断面が、この世にあるだろうか
2種類のソースから選べるオムライスも美味。ソースはデミグラスorトマトから選ぶ。
デミグラスは濃厚で芳醇、輝く濃茶色があまりにも美しい。
トマトは、まろやかな甘みの中からふっと現れる優しい酸味がたまらない。
近所のカフェで隣り合った見知らぬ女性と「デュボワのオムライスおいしいですよね!」と盛り上がったことさえある。
たしか彼女はデミグラス派、私はトマト派だった。
次に行った時は日替わりを!ってよく思っていた。でも、デリプレートとオムライスが双璧をなしていて、なかなか日替わりに辿りつけなかったなぁ。
そんな昔の記憶。
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(左)デリプレート (右)オムライス・トマトソース
これぞ運命の出会い
6年ほど前に引っ越してから、行く機会がめっきり減ってしまった。
でも最近 用事で近くに行ったのを機に久々に訪問。
しかも今まで行ったことのなかったディナーに。
そこで「これぞ求めていたもの!」という一品に出会ってしまった。
それがオニオングラタンスープ。
オニオングラタンスープとの初めての出会いは、たしか小学生の時。
親に連れて行ってもらった洋食屋さんで食べて、ものすごく感激した。
それ以来ずっと大好物だった。はずなのに、その後の人生で出会う機会にめぐまれず。
「オニオングラタンスープ」の記憶すら、遠い過去のものとなっていた。
ところがところが。久々に訪ねたこのデュボワのディナーメニューに、その言葉を見つけたのだ。
その時の気持ちの高鳴り、忘れられない。
興奮気味に、食い気味に、注文した。
レギュラーサイズとカップサイズがあるけど、もちろん大きい方のレギュラーで。
これが、その麗しきお姿。
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上には、とろっっっとろのチーズがたっぷり。
チーズを裂くようにスプーンを入れる。スープがしみしみのフランスパンがむぎゅっと割れる。
香ばしくて濃厚なチーズと、スープの旨味をこれでもかというほど吸い込んだフランスパン。
おいしくないわけがない。
美しい褐色のスープを口に流し込むたびに、熱さと喜びで体が震える。
スープをすくうたび、スプーンに溢れるほど乗ってくるとろとろの玉ねぎ。
あなたたち、どれほど丁寧に煮込まれたのでしょう。
これを最期の晩餐にしたい!とすら思わせるオニオングラタンスープ。
あぁ、幸せ。これぞ幸せ。
ふーふー言いながらチーズをとろーり伸ばしてスープを頬ばる私を見て、娘が言った。
「食べてみたい」
お待ちください、女王様
一口食べた娘が言う。「ん、おいしい!!」
目を見開いて「おいしい」と言う時の娘は、相当レベルでお気に召している。
「もっと食べたい」
熱いものが苦手なはずの娘が、必死にふーふーして食べている。
−いいよいいよ、おいしいもんね。
でもでもでも!
-あぁ女王様、お待ちください
娘がスープを食べ進めてどんどん幸せそうな顔になるのと比例するように、私の顔が引きつっていったのだろう。
見かねた夫が「これはママが大好きなんだよ」とフォローを入れてくれた。
「わたしもだいすき!」
-あぁ、知ってるよ。絶対好みだもんね。
そうこうしているうちに、スープの熱さに慣れてきたのか、娘の食べるスピードは上がっていく。
『私の愛するオニオングラタンが〜』と心の中で叫んだ。
もはや声に出ていたかもしれない。
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チーズが本当にたっぷり
-いやいや、いいじゃない。
子どもがおいしいものを食べる姿なんて、最も喜ばしい瞬間なんだから。
そうだ、いけないいけない。
好きすぎて心がかき乱されていた。
そんなこんなありながら、娘と仲良く?取り合いながら?いただいた。
実際のところ、こんなに好きだと思えるものに出会い、それに共感してくれる人がいるのは幸せなことだ。
だけど。
次から、オニオングラタンスープは2つ注文しようと心に決めた。
もし2つ注文するなら娘には小さいサイズをと思ったけれど、見越したように「わたしは大きいのたべるよ」と宣言された。
誰に似たのか、娘は食に対して貪欲だ。
罪深きラザニア
もうひとつ、どうしても注文してしまうもの。
それが、ミートソースのラザニア。
まずもって、この見た目。
360度、どこから見渡しても美しい焼き加減。表面はこんがりきつね色、周りはほんのり焦げている。
熱々すぎて、時々表面がぷつっぷつっと膨れ上がる様子にも見入ってしまう。
表面にスプーンを入れると、こんがりチーズがサクッと割れて、その裂け目からホワイトソースが顔を見せた。
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ホワイトソース、ミートソース、ラザニアが待ち構える
ホワイトソースは とろーんではなく、
とろとろとろ。 わかってもらえるかなぁ。
スプーンですくったとき、端からとろとろ流れ落ちていくぐらいに、ほんのりゆるい。
それもまた好き。
挽き肉がたっぷりの濃厚ミートソースも絶品。
ホワイトソースとミートソース、どちらも単独で素晴らしいのに、合わさってさらにおいしいってどういうこと。
ラザニアは1枚1枚がしっかり大きくて厚みもある。ラザニア特有の少しくたっとした感じがソースをたっぷりまとう。
パスタというジャンルは、パスタを美味しく食べるためのものだと思っていたけれど。
このラザニアはむしろ、ホワイトソースとミートソースを最も美味しく食べるために存在しているのではないだろうか。
それほどまでに素晴らしいお味、バランスで構成されている。
思い出すとすぐに食べたくなってしまう、罪深きラザニア様。
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他にも、ベルギー産ポムフリット(フライドポテト)、マッシュルームのクロックムッシュ風サラダ仕立て、合鴨ササミ肉のカツレツ オレンジソースなど。
美味しくて書き残しておきたいものが山のようにある。
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パンにマッシュルームペーストがたっぷり挟まれている!
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今でも思い出せるおいしさ
他にも、黒板いっぱいに書かれたメニューはどれも魅力的なものばかり。
同じものばかり食べていると、他にある素晴らしい一品を見逃しちゃうこともあるってわかっているのに。
オニオングラタンスープとラザニアはどうしても外せないんだよなぁ。
そうだ、いつもお腹いっぱいで頼めていないけど、次はデザートも絶対食べたい!
[Photo : Masayuki Nakano](ランチ以外)
Dubois|デュボワ
東京都渋谷区西原2-20-8
03-3467-3958
▶︎ランチ
水木金 11:00-14:30 (L.O.13:45)
土日 11:00-15:30 (L.O.14:45)
▶︎ディナー
水〜日 18:00-22:00 (L.O.21:00)
▶︎テイクアウト
ランチ 水〜日 11:00-14:00頃
月火定休
HP:http://cafe-dubois.com/
Instagram:@satodubois
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(2024/11/9現在)