土日限定のうどん屋さんが平日営業を開始した【お昼ごはん 上馬 朝日屋@松陰神社前】
世田谷線・松陰神社前駅から10分ほど歩いた住宅街の一角にある
うどん屋・『手打饂飩 麦 上馬 朝日屋』
店主さんが教員の仕事をされているため、土日のランチタイムのみ営業のお店。
我が家では「むぎ」とか「あさひ」とか呼んでいる。
数年前は少し待てば入ることができていた気がするけど、最近は常に行列。オープンして2時間も経たないうちに、品切れで営業終了していることも多い。
お気に入りのお店ながら、もはや行くことを諦めていた。
そんなお店が、平日ランチ営業を開始。店主さんが教員生活を終了されたのを機に始めたそう。
土日は今まで通りうどん中心のメニュー、平日は形態を変えて「丼+うどん」のセットメニューになる。
店名も、平日は『お昼ごはん 上馬 朝日屋』になるとのこと。
平日はセットメニューが3種類
小うどん(温・冷)+天丼 / かつ丼 / 親子丼のいずれか。
最近暑いので、うどんは冷たいものをチョイス。
そして、丼。
普段の私なら 親子丼 ≧ かつ丼 ≧ 天丼という選択をしがちだけれど。
むぎさんは天ぷらも美味しいから、ここは迷わず天丼で。
いつかは全種類の丼を制覇したい気持ちもある。
でも「やっぱり天丼を食べたかったなぁ」と思ってしまいそうな自分の心を恐れて、結局毎回天丼を頼んでしまう。
天ぷらの内容は、レジ横に書いてある。
その日は「海老、めごち、はす、なす、かぼちゃ」だった。
夫は海老が大好きなのに食べると体調が悪くなる。なので、海老を外してもらえるか聞いた。
「もちろんいいですよ。海老だけ外します?
お魚は全部やめてお野菜だけにもできますよ」
レジとサービスをしている店主の奥様、いつも温かい。
前払い制なので、お支払いしてから席へ案内される。
うどんも丼も注文ごとに作るので、しばし待つ。だいたい15分ぐらい?待ったところで、先に丼がやってきた。
どうしても頼んでしまう天丼
1つひとつの具材が大ぶりで、ご飯にまでたっぷりタレがかかっている。
全体的に見た目は茶色。
毎度思うけど、食の世界におけるトップカラーは茶色だ。
美味しいものって結局は茶色なんだから。
夫の天丼には、海老の代わりにパプリカとエリンギとヤングコーンの天ぷらが追加されていた。
別の日には、ズッキーニとアスパラとインゲンだったかな。
海老の代わりに1品入るかと思いきや、お野菜がどどどんと入る。すごい、豪華。
おうどんを待ちながら、天丼をいただきます。
サックリした衣に包まれた海老は弾力がある。噛みしめていくと少しずつ身がほぐれ、甘いタレをまとった衣と絡み合って口中に美味しさが充満する。
普段なかなかお会いする機会がないめごちは、ふわっと柔らか。白身魚だけど脂があって旨みもある。
存在感抜群のかぼちゃ。大きいかなと思ったけど、薄めカットで食べやすく全然いけちゃう。
油を吸った茄子の旨み吸収力とその放出力は半端ない。
タレがたっぷりかかったご飯を口に入れると、茄子と甘いご飯が絡まってさらに美味しくなる。
「そうだ、はすって蓮根のことだった」と思いながら、箸で持ち上げた。
蓮根って火を入れても歯ごたえが残る。というか、むしろサックリ感が増して食感がよくなる。蓮根のベストは天ぷらかもと最近思う。
手打ちで手切りのおうどん様
少し遅れて到着していたおうどんもいただく。
あまりに美しくて神々しくて、つい拝みたくなった。
冷たいおつゆに手打ちうどんが入っているザ・シンプルなタイプ。だからこそ小麦の味を感じて、より美味しさがわかる。
美しい麺が、口の中にスルルと入って、喉を通り抜けていく。
コシも弾力もあるんだけど、硬すぎることなく歯でスッと切れる。
手打ちであり手切りだからこその微妙な太さの違いが、私にはとても心地よい。噛みごたえやつゆの絡み方が少しずつ変わるのが良きアクセント。
かつお節の旨みがたっぷり出ているおつゆは、ほど良く甘い。
つゆだけでもゴクゴク飲めてしまいそう。
しばらくそのまま味わったら、青ねぎと生姜をイン。私はその後さらに青い柚子胡椒を入れるのが好き。赤いのも置いてあるけど、私は青派かな。
ポットに入ったお出汁が最高
かつお節が香るお出汁のポットをお客1組ごとにくれる。
天茶漬けにしてもいいし、おつゆをに入れて飲んでも美味しいとのこと。
「そうそう、おつゆ飲みたかったー!さらに天茶なんてー!」
心の中で大きく叫んだ。
「でも、天茶にしたいけど、天丼もしっかり味わいたいんだよねぇ」
罰があたりそうな贅沢な悩みを心の中でつぶやいてみたりする。
迷った挙句、私が見つけた現時点のベスト策。
お出汁は塩気がほぼないので、入れ過ぎるとタレの味が薄まってしまうかも。だから出汁は控えめに、柚子胡椒で塩分を足すイメージ。
柚子胡椒と甘いタレが絡んで相性が抜群だった。
うどんのおつゆは味がしっかりしているので、今度は遠慮なくたっぷりと注ぐ。いっぱいになった胃にもスーッと染み込んでいく。
あまりの美味しさに、お茶のごとく飲み干してしまいそうになるのを理性で止めた。
魅惑すぎるカレーうどん
こちらは、1年以上前に食べた土日だけのメニュー。
でも、どうしても紹介せずにはいられない。
以前、向かい合わせの席に座った男性のテーブルに運ばれてきて、あまりにもいい香りを漂わせてきた。
思わず、夫と「えっ」と顔を見合わせた。
カレーうどんなんてあったっけ…。
よくよくメニューを見たら、定番メニューに書いてあった。
いつも月替わりと日替わりに気を取られて気付いていなかった。私としたことが、不覚。
今度は絶対カレーうどんを食べよう。
そう心に誓ってから数ヶ月、念願叶って注文したもの。
和風出汁とカレーが混ざった極上スープ。少しとろみがついているので、ツヤがあって見るからに美味しい。すでに優勝。
圧倒的魅惑の香りが鼻を突き抜ける。
具は豚肉と玉ねぎだけ。クタッとシャキっとした玉ねぎがうどんと絡んでまた美味しい。
シンプルだけど、このカレーうどんを味わい尽くすには十分なものが全部そろっている。
土日はなかなか行けないから、平日専門にしようかなぁと思いつつ。
土日にしか食べられないうどんを思い出すと、やっぱり行きたくなってしまう。困らせるなぁ。
しかも、最近は平日も並ぶようになってきた。
みんな結局、美味しいものを求めて集まってしまうのだ。
平日ランチの帰り際、奥様が声をかけてくださった。
「海老がダメってお客様、時々いらっしゃるから。
いつでも言ってくださいね。」
あぁ、優しい。
ご主人が作るおうどんも最高なんだけど、この奥様の温かさに触れられるのが、このお店の醍醐味かも。
美味しさと優しさをかみしめながら、お店を後にした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?