映画『モンスターハンター』 これはこれでありなのでは…という感想
映画『モンスターハンター』を見た
今更だけれど、実写版『モンスターハンター』を見た。
公開当時に色々と言われてたけれど、
なんだかんだで僕はシアターでは見なかった。
緊急事態宣言であーだこーだしていた時期だったし、
僕自身が『モンハン』にそこまで入れ込んでいないのも理由かも。
そんな本作だけど、
「意外と悪くない。途中までは。」が僕のおおまかな感想。
何が刺さって何がダメだったのか、ネタバレありで次から話していこう。
異世界転移モンハン
今まで『モンハン』に触れる人たちは基本として。
自分がその世界で、狩人として、モンスターを狩ることをわかっていてゲームを購入していたと思う。
だけれど、
「ゲームと同じようにモンスターを狩り続ける画を、
シアターで延々と見ても面白くなるんか?」
という僕の疑問に応えてくれたのがこの映画の序盤だったかもしれない。
この映画の導入は、一言で表わせば異世界転移。
違う世界に飛ばされるってプロットは昔からあったけれど。
今の時代、これほどしっくりくる言葉もないんじゃないかな。
主人公達は僕ら観客と近い気持ち、目線で歩みを進めていって。
「次に何が起きるんだろう?」というハラハラドキドキを共有できる、
(後半から見れば)とても貴重なシーンなのだ。
この辺、怪獣映画とかパニック映画ファンにはウケたんだろうなぁ。
中盤になってイメージ通りのものが出てくる
トニー・ジャー扮するハンターが登場する中盤以降は、
「100点ではないけれど見たかったもの」がそこにあった。
訓練を積み、僕らが見慣れた異世界の武器を使い、強大なモンスターを打ち破る。そして、どこかで見たような船に乗ったいい声のおっさんが現れる。
「これ思ったよりモンハンしてるな……?」って思った。褒めてんのよ。
言い換えると、この映画を『モンハン』だとしっかり認識出来たのは、
本編開始から1時間ほど経ってのこと。
「やっと『モンハン』が始まった! これは勝つる!」と思った。思っていた。
だけれど悲しいことに、僕としては中盤がこの映画のピークで。
此処から先は”あるシーン”を除いてなだらかに滑り落ちていくだけだった。
緩やかに落ちる、終盤
力を付け、団長やハンターと戦場を共にするミラ・ジョヴォヴィッチ。
悲しいかな、ここまで来ると逆に盛り上がらない。
モンハン武器を装備したミラ・ジョヴォヴィッチの画が、あまりに強すぎるのよ。
もちろん、テンションが上がるシーンもあった。
ラスボスとして”とあるモンスター”が登場したときは、
「これは僕も知ってますわ」とそのチョイスに昂ぶりもしたし。
けれどそこからのストーリー的なグダグダに加えて、大して盛り上がってないのにエンドクレジットで次回作を匂わせたり。
あまりの急失速で心の大草原が一瞬にして枯れてしまった。草枯れる……。
大事なものが無い
見終わった後はなんか……もやもやしていた。
理由はエンドロールの匂わせだけじゃあない。
本編中に『英雄の証』が一度も流れなかったからだ。
劇場上映の時には吹き替えキャスト紹介のシーンでチラっと流れたらしいけれど。
つまりはそういうことなわけで。
エンドクレジットの最後に『英雄の証』さえ流してさえくれれば。
「僕が見てたのはモンハンだったんだな」と多少は爽快な気持ちになったはずなのに。
神妙な劇伴を流されてハイ終わりです、じゃあ心がもやもやしたままなのよ……。
ファンは不満だろうな、と思った
ぶっちゃけた話、悪くない。モヤる部分はあるけれど、
それでも普通に見れるハリウッド怪獣映画だった。
でもこれを熱狂的なハンターが見るとなると……どうだろう?
事前の期待もあるだろうし、そこそこの落差だったんじゃなかろうか。
それに数千・数万というプレイ時間は、
それぞれに異なった思い出を形つくっているはずで。
少なくともこの映画には、
それらを受け止め切れるほどの熱量があったとは思えない。
(お財布事情とかの問題もあるから仕方ないね…)
ただしめちゃくちゃ残念な映画じゃあない。
ラスボスの描写も、短いながらも格好良かったからね。
ほんなら、また次の映画で。
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